稲見一良のレビュー一覧

  • ダック・コール

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    ブラッドベリの「刺青の男」にヒントを得たという
    全6編の連作小説。
    すべて野鳥絡み。鳥は撃たれるばっかだけど・・・。
    内容はそれに対する男達の話で、
    なんというか・・・ハードボイルドです。
    それでいてどの話も全て美しいです。
    そしてどこか切ない感じが拭えません・・・。
    面白かったと言う本ではありません。
    でもかなりいい本です。

    どのように?
    う~ん・・・心が洗われるようなってこういう本かも。

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    2013年12月20日
  • ダック・コール

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    家に居ながら、自然の大いなるバイタルを感じることのできる素敵な本に出会った。シンプルで覚悟に満ちた自然の命には悲しさと同時に美しさとロマンがある。都会の生活に慣れきった自分には”インディアンの挨拶「死ぬにはいい朝だ」”というマインドが新鮮でした。命のある限り自然に生きれば風景の見え方も変わるかな。ワイルドに森に出かけようか、鳥になって大空を羽ばたこうか(笑)。

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    2013年09月03日
  • 猟犬探偵 1 セント・メリーのリボン

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    好きな漫画家の谷口ジロー氏の作品だし悪くはなかったんだけど、原作を読んでみたくなる。タイトルの由来がわかるラストシーンが凄くイイ。

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    2013年04月08日
  • 猟犬探偵 1 セント・メリーのリボン

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    焚火/花見川の要塞/麦畑のミッション/終着駅/セント・メリーのリボン
    短編のハードボイルドだが、なんとも言えない雰囲気を与えてくれる。「男の贈り物」を主題としているらしいが、読後感が非常によい。特にこの短編の標題ともなった『セント・メリーのリボン』は盗まれた盲導犬をめぐってのストーリー展開だが、最後の終わり方がかっこ良すぎる。東京駅の赤帽の話「終着駅」は浅田次郎ワールドに近いか?

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    2012年08月20日
  • 猟犬探偵 1 セント・メリーのリボン

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    稲見一良さんの作品を漫画化?!そんなことできるの?と思ったけどできてるんだな、これが。無駄な説明なく進むけど、人物ひとりひとりに奥行きがある。で、猟犬とペットと盲導犬が描かれているんだけど、心が曇らないこと請け合い。犬が好きな人にオススメする。読み終わったら、“ああ、セントメリーのリボン!!!”って思うよ。

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    2012年06月19日
  • ダック・コール

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    短編として6つの話で構成。
    それぞれが独特の味わいがある。
    最初は、読みづらく感じたがそれは自分の錯覚。自分の知らない世界へ連れて行ってくれる感慨深い話ばかりだった。
    リョコウバトについては、小学校のころ聴いたことがある。大量にいたはずの鳥が絶滅してしまった。なんと、人間って身勝手な生き物だこと。
    作者がすでにこの世にいないとなると非常に残念。

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    2012年05月18日
  • 遺作集 花見川のハック

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    稲見一良ってゆう名前がなんかいいよね。ハードボイルドを基調としたファンタジーな短編。『ダック・コール』とテイストはほぼ一緒。オクラホマ・キッドがすごく素敵。無謀、無茶苦茶、だけど浪漫があるってゆうね。太田光さんとか本当はこうゆうのが書きたいんじゃないのかな、と思っている。

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    2012年01月28日
  • 猟犬探偵 1 セント・メリーのリボン

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    骨太で良質なマンガ!
    相変わらず、室内や風景の描写が
    半端なく細かくて、時間をかけて読みたくなる。
    犬の躍動感ある描写は、本当に秀逸!

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    2012年01月08日
  • 遺作集 花見川のハック

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    かつてこの著者の「セントメリーのリボン」を私は年間ベストワンに推したことがある。それほどまでに、彼が書く小説は衝撃的だった。

    稲見一良(いなみいつら)、1931年大阪生まれ。テレビCF、記録映画の記録製作などに携わり、84年肝臓がんの宣告を受けてのち、本格的執筆活動に入る。91年「ダック・コール」で山本周五郎賞を受賞。他著に「男は旗」「ダブルオー・バック」「ソー・ザップ」など。94年逝去。

    稲見一良は10年生きた。何度も手術を繰返しながら、最後のほうの「鳥」などは原稿用紙一枚、ほとんど「詩」である。それでも男として生き切った。その足跡に痺れたのだと思う。最初の頃は正調ハードボイルドで、

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    2011年09月17日
  • 遺作集 花見川のハック

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    絶版。稲見さんは大阪出身でドキュメンタリーの監督などを経て、その傍ら、作家活動。千葉市花見川区を舞台(実名でないときもあるが、モデルであることは確か)に多くの短編小説を中心に書き、94年2月にガンの闘病の末、亡くなった。

    その名前すら知らなかったのだけど、ネット検索すると、「もっと知られてもいい作家」とみなさんが書いている。その通りだと思う。死後10年過ぎただけで、絶版がいくつもあるのは寂しい。そんな風に思ったのは僕だけじゃないようで、光文社文庫からは復刊もされている。

    稲見さんの小説を単純に言えば、ハードボイルド・ファンタジー。銃、狩猟、焚火といった男くさい世界の中に、メローな世界が溶け

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    2010年08月15日
  • ソー・ザップ!

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    ハンティング・ハードボイルド。
    戦うときは正々堂々1対1。
    男の、男による、男のための小説。
    とにかく、カッコいい。

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    2009年10月04日
  • ソー・ザップ!

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    濃いい、濃いい男の小説。かなり突拍子もない話だけど、いつの間にか読まされてる。 かなり濃いい描写も、いつ間にか読まされてる。 ハードヴォイルド満開。

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    2011年09月04日
  • セント・メリーのリボン

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    ハードボイルドの短編集は初めて読むな…と少々構えたけれど、いつのまにか飲み込まれていました。とってもクール!!かっこいいとか渋いという表現よりもこっちの方があってる。他の本にある緊迫した事態や動きの激しいシーンは殆どなくて、静けさの中にある主人公の物語、みたいな文章に思えました。でも凄く魅力的。先が気になる所で終わっていたりするから、「ああ畜生、これからどうなるんだよ!!」ってな悶絶をすること数回。そんな物語も素敵です。

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    2009年10月04日
  • 猟犬探偵

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     いなくなった猟犬探しを専門に扱う「竜門猟犬探偵社」。だが、依頼のあるのは猟犬よりも飼い犬(大型犬)の失踪が多い。自分の理想とは少し違うが、依頼を受けたからにはしっかりと仕事をこなす。アウトローという言葉がしっくりくる探偵・竜門と相棒の猟犬・ジョーの活躍を描いた連作短編集。

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    2025年06月01日
  • ダック・コール

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    1991年第4回山本周五郎賞
    小説も稲見さんも初読

    いなみいつらさんとお読みする
    1994年に癌のため亡くなっている

    趣味が猟銃だったそうで
    6話の短編からなる一冊ですが
    各短編に野鳥が象徴的に登場する
    “まれに見る美しさを持った小説”と評されていた

    私は全く予備知識なしで読み始めたので
    小説の流れがわからなくて、途中で解説を探した
    もう古い作品ですから ネタバレと言っても
    構成の部分を覚書程度に

    プロローグで ちょっと仕事に疲れた青年が
    川のほとりで雨にあい、近くにいた男性も
    自分の車に誘う
    その男は不思議な佇まいで石に野鳥を描いていた
    青年はその絵の見事さに心打たれる
    で、ここで多

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    2025年02月08日
  • ダック・コール

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    ハードボイルドであり冒険小説であり奇妙な小説でもある本書。ただ統一されているのは「鳥」にまつわる話で固められた物語であるということだ。著者の稲見一良さんがそうだったためか狩猟や自然にまつわる描写が丁寧で丹念。ある青年が出会った不思議な石を書く男性。彼の描いた石(鳥の絵)から物語が飛ばされていく。鳥という生態を通して生と死をまざまざと見せつけてくる。良かったのは「ホイッパーウィル」脱獄囚の狩りを頼まれた主人公をハードタッチで描く。これがたっぷりと読ませられた。

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    2024年01月06日
  • ダック・コール

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    著者は草木にも野鳥にも詳しくないらしい。それでも本著に登場する野鳥は珍しいものもあり、物語に効果を与える重要な役割を担う。短編集である。キャンピングカーをベースに、子供と猟をする話が非常に良かった。キャンピングカーというだけで胸踊るが、そこで仕留めた鴨を料理する。非日常のワイルドさを疑似体験した。

    何かに詳しくない、というのは、その分野や世界が自分自身から抜け落ちているような感覚だ。鳥の名前を知らないと正確で色彩豊かな文章は書けないし、読み手ならば、名前が知らないと脳内イメージが名もなき野鳥一匹になる。小説で想起するイメージは、自らが体験した過去のデータベースとその組み合わせに限られる。それ

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    2023年12月07日
  • ダック・コール

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    ちょっと文体(〜た。の連続)と作風が自分の好みに合わず、途中から流し読みになってしまいました。

    東西ミステリーベスト100ランクインの本作なんだけど謎解きと言うよりハードボイルドです。

    妻と言うか女性の扱いがちょっとカワイソウかな。
    描写に鮮やかさを感じさせる部分はあると思います。

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    2023年10月01日
  • ソー・ザップ!

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    内容(「BOOK」データベースより)
    人を撃てる、こんな機会を誰が断わるか―。「パブ・パピヨン」の広い店内で、自分の命に三千万円もの賞金をかけたレッドムーン・シバと名乗る謎の男。挑戦をうけたのは、素手の格闘では無敵の元レスラーのベアキル、手裏剣と小太刀の名人ハヤ、大型獣のハンターのブル、元警察官の金久木。そして、五人の男は、舞台として指定されたK山脈系の山野に分け入り、最も危険なゲーム“マンハント”がはじまった。男の散りぎわのダンディズム、武器への思い…。男の中の眠るものがうっすらと目をあける。

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    2020年07月03日
  • セント・メリーのリボン 新装版

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    古風なハードボイルド小説です。
    映画の1シーンだけを切り取ったような話が何個かあり、消化不良な気がしてしまいますが、オチを期待してしまう現代人の悪い癖でしょうか。でもそんなに昔の小説でも無いのですが古典の趣きが有ります。
    表題の「セント・メリーのリボン」が一番長くて一番胸に残る話です。猟犬失踪専門の探偵という設定自体が非常にファンタジーな感じしますが、しっかり地に足着いた商売に感じてくるのは書き方の説得力によるものでしょうか。
    他の作品も外国の古典の翻訳を読んでいるような魅力があります。古臭い骨董品のブーツのようなかっこよさです。

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    2019年06月19日