稲見一良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレいいわけではないが書いておこう。
私は鳥が嫌いだ。
というわけで、私は鳥が嫌いだから、鳥の話も嫌い。
それだけ?
うん。それだけ。
確かに鳥の話ってわけでもない。
野鳥を愛でる友の会の話ってわけでもない。
どちらかと言えば、バードウォッチャーに喧嘩を売っているような話もある。
それでもあまり好きになれないんだよね。
面白いことは面白いんだ。
豪邸に忍び込んで密漁をしようと言う話。
成功するのか、失敗するのか、捕まって牢屋にぶち込まれるのか、逃げおおせるのか。
ドキドキしながら読み進めていたのも事実。それでも、どうしても好きだ。とか良かったとか言えないんだよね。
ま、バイアスで★ -
Posted by ブクログ
93年に初版。2008年に再版。それだけ出て埋もれてしまっている癌で亡くなった稲見さんの第二作である。初期の作品は正統ハードボイルドだったと聞いていたが、まさしくビターな味付けだった。
命を賭けた戦いをしないか。
荒くれ者の集まるパブでそう切り出された四人の男たちが、
「死ぬ気なんだな。撃ち殺されても文句ないんだな。人を撃てる、こんな機会を誰が断るか。」と即決で受ける。
稲見さんの得意な狩猟の智識、サバイバル、ガン、そして「男の理屈」が満杯の作品である。もっとウェットなラストかと思っていたが、最後まで命のやり取りは本物だった。
「遊びはな、真剣にやるもんだ」
たぶん、女には絶対にわから -
Posted by ブクログ
続編です。楽しみに読みました~
のっけからトナカイの話、ちょっと異色のクリスマス話だな~とおもって読みました。そういえばちょうどこの頃でしょうか。子猫物語なんて映画が公開されて、主役の子猫は何匹か犠牲になった、なんて話を聞いたことがあります。作者が映像業界にいらした、と言う事もあり、CMに使われて疲弊し、死んでしまった猫の話なんて背筋が寒くなりました。そりゃあ、人間と動物が同じように演技できるわけではないですしね。
稲見さんの小説に出てくる人物は男性も女性も老いも若きも颯爽としている人が多いですね。毅然とした態度で、自分の道を選択していく。その生き様がかっこいい。
読み終わった後に -
Posted by ブクログ
再販したんですね!!
とりあえず喜び勇んで本屋に行きました。
自分は狩猟とか争いとかは作り物の世界でも見るのはあまり好きではない人間です。でも自分が普段口にしている魚や肉、野菜はそれを収穫し、殺傷してくれている人たちが居るからこそ食生活が成り立っていると言う事を忘れてはいけないとは思ってはおります。(普段はあまり考えませんが)食うために狩る。本当はそれが原点なんだよなあ、なんて思いました。
この話は人狩りの話だし、男と男のぶつかりあいが(精神的・肉体的に)一番のお話の本筋だとは思います。が、自然に対する敬意や他者から押し付けられたルールではなく、自分のルールとモラルを持って世界と向き -
Posted by ブクログ
宝島社の2006年版「この文庫がすごい」で堂々の第2位となった中短篇集『セント・メリーのリボン』。その表題作『セント・メリーのリボン』で登場した「猟犬探偵」竜門卓と狼のような風貌をした相棒の犬ジョーの仕事ぶりを描く連作集。「竜門猟犬探偵舎」が請け負う仕事は、何らかの理由で失踪した猟犬を探し出すこと。祖父の死により相続した大阪府能瀬の3万5千坪の山の中で貧乏暮らしをしながら、自身も猟を嗜む。寡黙で、タフで、弱い者に優しく、長いものには巻かれない。体を鍛え、自らに課した規範に則って、プロの仕事に徹するが、自分の矜持を守り、他人の誠実さに応えるためには、時にビジネスを超えて行動する・・・。竜門はくた