稲見一良のレビュー一覧

  • 男は旗

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    稲見さんの小説はどれも好きだが、この「男は旗」に出てくる文章の端々がとてもいい。
    クリスマスシーズンに読むなら「セント・メリーのリボン」が最高。

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    2009年10月04日
  • セント・メリーのリボン

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    妻がデパートの冊子の紹介か何かで興味を持ち入手した本。
    私も読んでみた。短編が数編。
    メインはタイトルの「セント・メリーのリボン」
    ハードボイルドヒューマン小説?だった。
    山を半分相続した、猟犬専門の捜索家が主人公。
    やくざの奥様?の依頼は、盗まれた盲導犬を探してと。
    あっさり見つけるが、犯人の背景を知った主人公は、、、
    盲導犬にふさわしい、あったかい小説になっている。
    短編だけに、かなり強引なストーリー仕立てだけど。

    盲導犬といえば、先日一緒に旅ランしたラン友は、
    盲導犬をサポートするお仕事もしている。
    寄付とボランティアで成り立っていると。
    この小説からもその一端がちょこっとうかがえる。

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    2025年12月13日
  • ダック・コール

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    ネタバレ

    ダックコール
    自然の中に生きる。

    蔦屋書店の鳥コーナーで発見。ジャケ買い。蔦屋書店に住みたい。

    短編集だと思わずに読み進めたから、最初は構成がわからなかった。
    もう少しポップな物語(ペットとしての鳥と人間の愛の物語的な、、)を想像していたけど、全然違った。
    自然の中で生きる鳥と、そこにまつわる人間の物語。

    ・望遠
    おちゃめすぎるよ!
    若造一人に重大任務を任せる上司たちも上司たちだけど。
    映像作品の目玉のシーン。一発撮りでチャンスは一回。森の中で迎える朝日を撮る重大任務。
    その緊迫感と、珍しい鳥を見つけた驚きや嬉しさのようなものが対照的に際立っていて面白い。
    鳥を見つけたことの純粋な驚きや

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    2025年02月11日
  • ダック・コール

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    その目には誇りのごとき鳥がいる/これは男性の琴線に触れるタイプなんではないかという気がする/プロローグの石に描かれた鳥のエピソードで引き込まれた/この早朝しかないという写真を撮ろうとするカメラマン助手の前にめったに見られないシベリヤ・オオハシシギが現れる/猟師のサムは美しいハトの大群と出会い大変な目に遭う/密猟に憧れつつも失敗し続ける男の前に密猟の上手い少年ヒロが現れ弟子入りさせてもらうことになった/ケンは保安官の依頼で三人の脱獄囚を追跡することになった。オーキィとの邂逅がとろけるようにカッコいい/デコイの「俺」と少年ブン。

    【一行目】川の流れに手を入れた時だった。ああ、この夏も終るな、とぼ

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    2024年11月05日
  • ダック・コール

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    男が心に古郷を作るみたいな(解説で「原風景を獲得する」って書かれていた。そっちの方が言葉のチョイスとして良いね)、そんな感じの短編集。
    野鳥の描写が素晴らしくて、特にコガモの着水など風景としての美しさとコミカルさがこんなに少ない言葉で表し切れるのかと驚いた。リョコウバトの話が青い鳥要素もあって物悲しくて特に良かった

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    2024年09月19日
  • セント・メリーのリボン

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    ネタバレ

    惜しくも亡くなられた稲見一良氏の'93年の作品。
    よくこの人の作品は“男のメルヘン”と云われるが本作もまさにそう。大学の頃に読んだ『ダック・コール』の煌きが蘇る。

    今回収められた作品は5編。

    駆け落ちした女との逃亡途中の男と束の間の休息と食事と癒しをもたらす老人との出逢いの一時を描いた「焚き火」。

    雑誌のカメラマンが作家のエッセイを飾る写真を撮りに訪れた花見川で遭遇する軍用鉄道の幻を描く「花見川の要塞」。

    ミッションで空撃を受け、車輪が出なくなった爆撃機ジーン・ハロー。胴体着陸をすれば機体下部の銃座にいる仲間が死んでしまう中での奇抜な着陸の顛末を語る「麦畑のミッション」。

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    2022年05月26日
  • ダック・コール

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    全てに鳥が絡む短編集で面白かったが、これが歴代のミステリランキングの上位に入る作品として評価されている点については、それほどかなぁという気がする。

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    2022年03月30日
  • ダック・コール

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    男のお伽話という趣きの短編集です。一人の男が夢を見ているような設定ですが、短編自体に鳥以外の接点はありません。どれもこれも雰囲気の違う話で全く飽きません。
    ハードボイルドな雰囲気のものもあれば、ジュブナイルっぽいものもあります。
    途中何故か僕の敬愛する野田知佑さんの本の引用も有ったりして、とてもとてもわくわくしました。
    そういう副産物を省いたとしても、皆味わい深い短編となっているので、是非皆様に手に取って頂きたい佳作となっています。
    狩猟というものが持つ残酷な部分というのは、必ず誰かが処理してくれている血なまぐささを無視する傲慢さとつながっていると思います。自然を破壊するのは自然から命を間引い

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    2020年06月06日
  • ダック・コール

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    人からオススメされて読みました。
    鳥をテーマにした連作短編集。

    透明な文体というのか、読んでいてスッと入ってくる。
    美しい文章でした。
    天才的な狩りのセンスを持つ子供と一緒に狩りをする話がお気に入り。

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    2019年01月13日
  • 猟犬探偵

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    内容(「BOOK」データベースより)

    “竜門猟犬探偵舎”に奇妙な依頼が舞いこんだ。動物プロダクションから傷ついた一頭のトナカイとともに一人の少年が失踪、その行方を追ってほしいというものだった。竜門卓は相棒の猟犬ジョーを連れ、その臭跡を辿りながら有馬の山中へと分け入るが…(「トカチン、カラチン」)。心優しきアウトローたち。自らの信念に従い行動する男の美学。感動の連作短編集。

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    2019年01月11日
  • セント・メリーのリボン 新装版

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    内容(「BOOK」データベースより)

    失踪した猟犬探しを生業とする探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方を突き止めてほしいという仕事が舞い込んだ。依頼者は資産家の令嬢。相棒の猟犬ジョーとともに調査を進めるうちに、薄幸な、ひとりの目の不自由な少女のもとに行きつくが…。胸を打つラストシーンが待つ表題作を始め、限りなく優しく誇り高い男たちの人間模様を描き出す永遠の感動作!

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    2018年11月22日
  • ダック・コール

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    ネタバレ

    石を拾い集めてそこに鳥の絵を描いている男性と出会った青年が、男性の描いた絵をひとつひとつ見ながら
    その石に書かれた鳥にまつわる6つの夢を見る、という体で、
    6話の短編が展開されていきます。

    短いながらもそれぞれに趣深く美しいお話です。
    淡々とした静かな文体の中に生命の美しさと切なさが溢れています。
    一般的な所謂『ハードボイルド』のイメージとは異なる、
    綺麗で儚く、それでいて男らしい不思議な魅力のあるお話ばかりです。

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    2017年10月13日
  • ダック・コール

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    日本のハードボイルドの中では
    伝説的な作品と言われているこの小説。
    実はハードボイルドというよりも大人のメルヘンという感じの
    優しくてhappyな気分にさせてくれる短編集です。この小説は文体的にはハードボイルドだし
    狩猟とかマンハントなんかがモチーフになってるんですが
    実は思い切りメロウな大人のメルヘンなんですね。
    そしてファンタジー。
    魔法使いとかが出て来るわけではないんですが、
    苦境に立たされる主人公を救うことになるアイデア
    つまり筆者である、稲見一良さんの描く奇跡がなんとも良いんですよ。
    暖かくて優しい奇跡を物語の中で描いてくれるんですね。

    どんな奇跡なのか?という事を書いてしまうと

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    2017年09月04日
  • ダック・コール

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    点数は3.5にしたいのだけど、どちらかといえば4寄りといったところ。ハードボイルドの嫌なところが結構出ている。それは、童心とか男の夢といった、男の甘えのようなもの、そもそも童話のようなものをハードボイルドの文体で描くという試みは、そのような甘えを感傷や哀傷であると勘違いしており根本的にまちがっているとしか思えない。その意味で、マンハントの話や子どもとの交流の話は全く受け付けない。
    反面、海で遭難していたら亀と鳥がいたという話はとぼけた味わいがあって楽しい。生と死のはざまの厳しさというものも、トビウオを食べるシーンで印象的に表現されている。とぼけた味わいと厳しさのバランスが、実にリアル、
    最後の

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    2017年08月03日
  • ソー・ザップ!

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    これも長らく絶版の憂き目に遭っていたが、一度復刊された稲見氏の数少ない長編。

    夜な夜な歴戦の猛者たちが集うパブ「パピヨン」。そこに現れたレッドムーン・シバと名乗る男がその中の4人の男に勝負を持ちかける。自分と戦って勝てば三千万円を支払うと。
    その男達は己の強さと賞金のために勝負に乗り、シバの待つ山へと向かう。

    本書はギャビン・ライアルの長編『もっとも危険なゲーム』の本歌取り作品。
    勝負に挑む男達はそれぞれ手裏剣の名人、射撃の名手、怪力を誇る元レスラーと、実に戯画化された人物たち。
    ブルース・リーの映画にもなっていそうな設定で、この手の内容に荒唐無稽さを感じ、のめり込めない人には全くお勧めで

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    2017年06月15日
  • ダック・コール

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    ネタバレ

    全編鳥が何らかの形で関係しています。
    最初はなんかピンときませんでしたが、ヒロと密漁を企てる密漁志願のワクワク感がよく、その次のホイッパーウイルのハードボイルドも格好良かった。波の枕、デコイの話は美しいファンタジーな感じで、読後感が非常に爽やかでした。

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    2016年11月08日
  • ダック・コール

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    タイトルとか表紙からして、鳥がかなり関与してくるものであろうとの想像は難くない。とすると、自分的にはあまり興味も持てず、イマイチ好きになれないかも…みたいな予感とともに挑戦。前半(というか最初の2話)が結構辛くて、正直匙を投げかけました。あまりそそられるものがないというか…でも後半にかけて盛り上がった感あり、マンハントの物語をピークに、最後2話も短いながら味わい深い物語でした。爽やかな余韻を残すタイプの。という訳で、手放しに好きではないけど、それなりに楽しませて頂きました。

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    2015年05月29日
  • ダック・コール

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    渋くて精謐な小説。
    時代も立場も、主人公のキャラクターも違うが、ストイックで誇り高い感じが一貫した連作短編。
    書き口や布石からなんとなく予想される通りに進む話は好きではないが、本作はストーリーに頼らず色合いを鉄幹していたので、楽しめた。
    話としては「密猟志願」が、人物と雰囲気は「ホッパーウィル」が好き。
    4

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    2015年04月28日
  • 猟犬探偵

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    ネタバレ

    【本の内容】
    “竜門猟犬探偵舎”に奇妙な依頼が舞いこんだ。

    動物プロダクションから傷ついた一頭のトナカイとともに一人の少年が失踪、その行方を追ってほしいというものだった。

    竜門卓は相棒の猟犬ジョーを連れ、その臭跡を辿りながら有馬の山中へと分け入るが…(「トカチン、カラチン」)。

    心優しきアウトローたち。

    自らの信念に従い行動する男の美学。

    感動の連作短編集。

    [ 目次 ]


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    2014年11月06日
  • 猟犬探偵 2 サイド・キック

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    馬も探すよう依頼されるくだりはメシの種かプライドかのせめぎ合いである。そんななか自分の生き様を通すところがハードボイルド。

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    2014年05月14日