内田かずひろのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ子どものための、と冠しているけど、大人でもなるほどなと思える部分が多くて、面白かった。
ぼくと、猫のペネトレの、対話形式の哲学書。
個人的に面白かったのは、ネクラとネアカの話。
「根が明るいっていうのはね、なぜだか、根本的に、自分自身で満ち足りているってことなんだ。なんにも意味のあることをしていなくても、ほかのだれに認めてもらわなくても、ただ存在してちるだけで満ち足りているってことなんだよ。根が暗いっていうのはその逆でね、なにか意味のあることをしたり、ほかのだれかに認めてもらわなくては、満たされない人のことなんだ。それが下品ってことさ。」
自分と夫の違いは、こういうことなんだと腑に落ちた。ちなみに、夫がネアカ。
それから、右翼と左翼の話が面白かった。
「そもそも対立っていうのは、ほとんど前提を共有しているもののあいだでしか、起こらないんだよ」「対立っていうのは、つねになかまうちの対立なのさ」
真逆だと思っていたものが、同じ土台の上で別の方向を向いているだけっていうの、考えたことなかったけど、言われてみればそうだなと納得した。 -
Posted by ブクログ
三年前、ぼくが小学五年生の時から家に住み着くようになったペネトレという猫はとても不思議な猫なんだ。
名前もへんだけど、なによりおかしいのは人間の言葉を話すってこと。
でも普通の人が言うようなことは絶対言わない。ペネトレは人間はなんのために生きているのか」とか「学校には行かなくちゃいけないのか」そういう問題について話すんだ。
ペネトレのいうことは普通の人とは全然違う。でもよく考えてみると、ひょっとしたらペネトレの考えが正しいんじゃないかって思えてくる。
そんなぼくとペネトレの対話の記録
前半はとても読みやすく、うーんなるほどな〜と思わず考えてしまいような内容で、子どもが物事の考え方を学ぶ本としてとてもいいと思った。
けれど、後半に進むにつれ難しくなってきて、大人の私でも理解できない部分があったり、言い分が断定的、固定的でちょっと怖いなとすら思えてきたりした。
こういう考え方もありますよという提示までであればぜひ薦めたい一冊だと思えたけれど、こうだ!と言い切られてしまうと、それを多感な時期の子どもには薦めにくいなと思った(自ら手にする分にはまた違うと思うが)。 -
Posted by ブクログ
中学二年生の男の子とペネトレという名前の猫の哲学対話です。
空想を用いた思考実験を平易な言葉で伝えるもののようでもあります。
なかなか面白いトピックを2ページだとか3ページだとかで語り合い、
答えを出していく形式。
この、猫のペネトレがやっかい者で、ときに難癖のように、
常識から外れたことを平然とのたまったりしますが、
それが、この本の醍醐味であり、大体、常識ってなんだろう、
そんなものは正しいのかどうか、みたいな問答の連続なのです。
まず、「人間とは何のために生きているのか」という
問いから始まります。
宗教的ではなくて、哲学的な答えがさらりと述べられ、
それは「遊ぶため」だという。
遊ぶっていったって、ひまつぶしだとかぶらぶらするとか、
そういう意味ではないんですよね。
自分のしたいことをして、それに夢中になることが遊ぶということだそうです。
そして、その後はよくわからない、言葉自体は簡単なのにその論理がつかめない
言葉でけむに巻かれるようにその章は終わっていきます。
そういう、とっかかりまで作者が連れていってくれて、
あとは自分で考えましょう、というようなのが多かったような気がします。
与えてくれる知識もあるんだけれども、それよりか、
考えるようになるための導火線に火をつけられる感じがします。
これ、子どものための、って銘打たれていますけれど、
まじめな子どもだったら、勉強そっちのけで考えてしまって、
成績が落ちかねません。そこらへん、利口さも兼ね備える気持ちで、
本書を読む若い子にはいてほしいですね。
僕としては、「青い鳥」の話と、「社会契約」の話がなかでもよかったかなぁ。
とくに「青い鳥」は僕の第二作目の小説のネタとして小さくながらも扱ったような
感じもしていたりします(幸せを求めていなくなる女の子の名前がミチルでしたし)。
あと、上品と下品という概念が紹介されていましたが、
僕としてはもうなんでもいいやみたいな感じで読んでしまいました。
最終章によると、
__________
こういうはなしは、どれも、たまたまある場所に立った人にだけ、
意味を持つんだ。別の場所に立っている人には、無意味で、
ただ、ごちゃごちゃしているだけなんだ。
__________
ということだそうで、
つまり、僕が読んでいてすごくごちゃごちゃしているなと思った部分はけっこう
ありましたが、それを違う人が読むと、全く違う印象を持ちうるということですね。
人によっては、そのトピックに触れるのが、はやいとかおそいとかもあると
書いてありましたし、たまたまその分野のその問いの周辺を考えていた人には、
響くものだということだそうです。
最後、解説とあとがきは、大人の僕が読んでも、
ごちゃごちゃしていてわかりませんでした。
まぁ、室内の暑さのせいで頭を使いたくなかったのもあるかもしれませんが、
それはそれとしても、僕もまだまだ頭がかたいということなんですかね。
精進します。 -
Posted by ブクログ
あとがきこそ本編の、リアル離婚調停自伝小説。
もともと南Q太が好きで、元旦那の視点を読んでみたくなり
手に取ったのだが、本書は思った以上に主観だらけで根っこの部分がよくわからなかった
他人がわかる必要がないのか?とも思うが読む限りはもう少し、わかりたかった。
著者の枡野さんは、よくもわるくも自分に正直なんですね。
離婚は、だれが悪いとか、明確にする必要はないんだと思う。
ただ、お互い全く違う人間なので
わかりあえなくなったら
わかりあえていたことが夢か幻のようになってしまうんだなあ
その原因は すくなくとも 片方ではない。
町山さんの解説は、ほんとうに「解説」です。 -
Posted by ブクログ
枡野さんの描く小説が好きで、
短歌は、買って読もうと思う自分ではないので読まないだけで、
何かの拍子に目にするものはおもしろいな、と思っていて、
そういうわけで枡野さんの本を漁っていたときにこの本の存在を知った。
うわ、そんなこと書いちゃうんだーと、読んでみたくなったのは、興味本位というか、噂好きのおばちゃんの域を出ない感じだった。
短歌はもともと感情をストレートに表すものだけれど、
書評部分と言い、解説といい、興味本位で覗いちゃいかん世界だった。濃いいです。
いや読んでみて良かったよ、でも。
そこに人が居る、という感じがした。
男の人と、女の人では、感想が違いそう。