三浦裕子のレビュー一覧

  • 海風クラブ

    Posted by ブクログ

    “ある場所は、いったん人が踏み込んでしまったら、もう無傷ではいられない”
    山に擬した伝説の巨人の身体に足を踏み入れた少年と少女は成長し、様々な人々と出会う。
    丁寧に一人ひとりのストーリーを追いながら、台湾の先住民族に対する負の歴史へ、更に日本による占領統治時代へと物語は奥行きを増してゆく。

    同時に、原住民であるタロコ族(トゥルク)の村が国策と企業の利権を伴う大規模な開発により押し潰されてゆく様が描かれる。
    ここでも無慈悲で大きな力の前で揺れ動く一人ひとりの心情に寄り添い、掬いあげてゆく。

    鋭く現実の社会問題に斬り込みながら、ウー・ミンイーはファンタジーと融合することを恐れない。それは決して

    0
    2025年06月28日
  • 海風クラブ

    Posted by ブクログ

    自然と開発、神話と現代、貧富や人種とさまざまな対比を描きつつ、主要人物それぞれの過去と現在、全てを抱え込んだ呉明益渾身の小説世界。

    とても私なんかがこの本の良さを表現できないが、最後、振り返って小さな2人が入れ替わった意味を考えてしまった。

    しかし実家の山も巨人だったのかな。3本足の小動物は見かけなかったが、コウモリはいたしな。

    いやー、讃!!

    0
    2025年05月24日
  • 台湾はだか湯めぐり 北部篇

    Posted by ブクログ

    台湾の何ヶ所かの温泉地に行ったことがあり、
    台湾はだか湯めぐりに登場する施設にも、
    偶然行ったことがあったので、
    とても身近に感じ、より楽しく読むことができました。

    ただ、
    知らない場所、知らないことが多すぎて、
    紹介されている施設に行ってみたくなりました。

    次回台湾訪問の際には実際にいくつかの施設を
    体験してきたいと思える、とても楽しい本でした。

    0
    2024年07月16日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    購入済み

    鉄道旅行、美食、百合をキーワードにした少女たちの物語。
    日本の植民地化にある台湾を舞台に、日本人の女流作家千鶴子と台湾人の千鶴が関係を深めていきます。
    台湾の美食、美しい景観はもちろんですが、二人の関係が最も美しいです。支配者、被支配者の関係であるのにもかかわらず、対等だと無神経な発言を繰り返す千鶴子と、柔らかな笑顔の下に頑固で冷ややかな心を隠す千鶴の対照が面白かったです。友達以上の関係性が特別で切なく思いました。
    小説内小説では日本も台湾も変わらず封建的な社会で女性の権利が抑圧されていますが、小説内後書き(後世)では女性の社会進出が進んでいることが表現されていて印象的でした。

    0
    2023年05月24日
  • 四維街一号に暮らす五人

    Posted by ブクログ

    Google Mapで「四維街日式招待所」を検索して見てしまいました。

    訳者あとがきに取り上げられている、渡邉義孝氏の『台湾日式建築紀行』(KADOKAWA)はすごい本です。

    0
    2026年08月05日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    1938年、五月の台湾。作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。
    現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。
    しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせるー。すごく良い本に出会えました!女2人の珍道中かと思いきや、出てくる食べ物がどれも美味しそう。対等であろうと思う気持ちがすでにエゴなのかも。いろいろ考えさせられるなぁ。

    0
    2026年08月01日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    楊双子さんの経歴を見て、このお二人(あえてお二人と書かせていただきます)でないと書けない本だと思いました。
    読んで良かったけれど、読んだ事を後悔はしないけれど、でも読んでいてとても胸が痛かったです。

    0
    2026年07月27日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    著者あとがきまで読み、「だまされた!」と思った作品。ストーリーが面白いのはもちろんだけど、本の作りも面白い。

    一向に心を開かない千鶴ちゃんにもどかしさを感じながらも、民族の輪を超えて近づく青山さんに同情した。

    時折、出てくる民族の差(違い)が痛い。

    小説だってことを忘れさせてくれるほど、世界観に入り込める作品でした。

    人生初の外国(かつアジア)文学でした。

    0
    2026年07月27日
  • 四維街一号に暮らす五人

    Posted by ブクログ

    登場人物に嫌な人がいない、読んでいてとても気持ちがいい
    全員芯がありつつ迷いもあり、そこがとてもチャーミング
    大好きな映画、かもめ食堂を感じた。
    謎解き要素あり、なかなかの大掛かりなストーリー
    台湾の中の日本や中国文化、歴史との関わりと現代に生きておる女性がどう感じているかが垣間見れてすごく面白かった。
    みなさん当たり前の前提としてそれを受け入れて、うまく利用して飄々と生きている感じ。そこに芯を感じた。
    大事な時に必ず出てくる料理描写が凄く良い。美味しいものを作り、一緒に食べることで共有して消化して次のステージに行く感じ、女性の生き方として共感できる。
    台湾で日本建築を探して美味しいものを食べ

    0
    2026年07月15日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    昭和13年、日本統治下の台湾が舞台。

    女流作家・青山千鶴子は、講演旅行に招かれて台湾人通訳・王千鶴と出会い、彼女と共に台湾各地を旅して、美味しい料理を堪能する。

    中盤までは、台湾を食べ尽くす!といった勢いのある味に魅了された千鶴子の食べっぷりが全開である。
    食の美味しさの表現が美しくて、その描写が完璧だと感じるのは、目の前に料理が出されている錯覚に陥るからである。

    押し気味の千鶴子に対していつまでも心の奥を見せず、次第に言葉少なになる千鶴が、台湾の宴席料理十二品のコース後に通訳を辞めると言いだす。

    自分の言動の何が千鶴をそうさせたのか…と思い悩むのだが…。
    友情を求める千鶴子に対して距

    0
    2026年07月10日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    青山さんが愉快でいいキャラだなと思ってて、千鶴はなんで青山さんの提案には乗らずにずっと能面のままなのかが青山さん同様に分からなかったし、理由を知ってハッとした。日本統治時代のことは無知だったので読んで知ることが出来て良かった。こんなことが実際にあったのかもなと思えた。
    台湾のご飯がとても美味しそうで食べてみたいものがたくさん。面白くてスルスル読めた。

    0
    2026年07月10日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    海外文学なのに読みやすかったーー!
    こんなに食べ物が出てくる本初めて読んだし、百合&台湾文学も初めて!
    お腹すきながら読んでた。
    私も日常の中で千鶴子みたいに無意識の差別というか、配慮が足りてないところがあると思うし、もっと歴史について勉強しようと思った。
    とりあえず台湾行きたくなった

    0
    2026年07月05日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    台湾人作家による今年(2026年)の国際ブッカー賞受賞作品。
    主人公は日本人作家の女性とその人に同行する台湾人女性通訳。
    日本人作家は旺盛な食欲の持ち主である。台湾に作家として招かれ、台湾で一年以上過ごすこととなる。初め、作家先生として下にも置かないおもてなしを受けるが、そういうものに作家は興味が無く、台湾人が食べるものを台湾人と同じように食べたいと言う思いを持っている。その日本人作家の思いに応えるべく通訳である女性は東奔西走し、通訳の期待に応える。
     その通訳の奉仕ぶりに感銘を受ける様になった作家は通訳と友人関係を築きたいと思う様になる。しかし作家が通訳に友愛の情を示せば示すほど通訳は逃げて

    0
    2026年07月01日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    ブッカー賞受賞作品。
    時代は台湾が日本に統治されていた昭和13年。日本人作家の青山千鶴子が、講演旅行で台湾を訪れ約1年滞在する。台湾人の通訳・王千鶴とともに、台湾の様々な料理を堪能していく。

    中盤ちょっとくどくなって飽きかけたけど、読みながら千鶴子に対して感じていた違和感が前景化され、後半はかなり読み応えがありました。植民地に対する無意識の差別やマイクロアグレッションが実は1番厄介。なぜなら本人は悪気がないので。日本人は読むべき、読まなければならない作品だと思います。

    あと1年間も滞在してるくせに全然台湾語を覚えようとしない姿勢にも違和感を覚えました。再会の場面の「本当に変わらないんですね

    0
    2026年06月28日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    作家の青山千鶴子は台湾人の通訳の王千鶴に出会った。そして台湾島を一周する鉄道に乗って台湾料理を食べまくる旅に出た。台湾料理には簡単な説明があるが、繫体字の料理名だし、どんな料理か分からないものが多い。でも青山千鶴子は大食漢で千鶴と一緒に食べまくる。日本人と本島人。どんなに優しくとも上から目線になってしまう千鶴子。それに耐えられなくなる千鶴。

    0
    2026年06月21日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    これから読む人にひとつ言いたいことがあるとすれば、あとがきを読む前に本を一度閉じ、千鶴子と千鶴の物語の余韻に浸る時間を設けた方が良い、ということです。

    あとがきには物語の仔細が語られています。
    そしてそのパートは案外長いです。
    読み終わる頃には静かな余韻があとがきに喰われる程の分量があります。

    ボリューミーで嬉しい反面、少し時間をおいて自分の中で咀嚼した、その後で読んでも良かったなと思いました。

    0
    2026年06月19日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    台湾作家楊双子による小説。
    全米図書賞翻訳文学部門、日本翻訳大賞、国際ブッカー賞受賞作。

    1938年の日本統治下の台湾に招かれた日本人女性作家と台湾人女性通訳との1年間に亘る交流を描く。

    主人公の1人青山千鶴子は長崎出身の小説家。著作「青春記」か映画化され台湾でも上映されたことを機に、台湾での講演旅行に招かれる。
    もう1人は千鶴子に通訳として同行する王千鶴。本島人の有力な一族の出だが、妾腹ゆえに複雑な出自の秘密を持つ。

    本書は青山が書いた(架空の)小説を千鶴が翻訳したという体で、(本物のあとがき以外に)架空のあとがきが3つついている。

    訳者によれば「美食+鉄道旅+百合」とのことだが、「

    0
    2026年06月15日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

    Posted by ブクログ

    千鶴子、地雷踏みすぎ。でもずっと千鶴子目線だから、それ許されてるんや、そう思っていいんやって日本人として楽な方に解釈してしまう。歴史小説なのに現在の自分にグサっと刺さるのすごいわ。千鶴ちゃんあんな賢いのになんで昭和の日本人おじさんの妻で生涯を終えたの?っていうのだけ納得いかない。

    0
    2026年06月07日
  • 四維街一号に暮らす五人

    Posted by ブクログ

    台中にある日本式のレトロ建築でシェアハウスをする女子学生4人と大家さんの話。食卓に展開される台湾ならではの美食と軽快な会話に手が止まらない。
    何気ない日常の中で、食卓は文化を凝縮し空間は記憶を留める。誰もが抱える葛藤や揺らぎからふっと心が解放される一作だった。

    0
    2026年05月09日
  • 四維街一号に暮らす五人

    Posted by ブクログ

    人と人が交流の末にお互いを大切に思いあうところがステキな話だった。
    しかし、台湾について考えるとその歴史を考えてしまう。

    0
    2026年04月19日