三浦裕子のレビュー一覧
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前半は、主人公・千鶴子のズケズケとした物言いや振る舞いに強い違和感があり、なかなか読み進めることができなかった。
しかし、ふたりの関係に決定的な亀裂が入って以降は一気に引き込まれ、夢中で読み進めた。
物語を通して見えてきたのは、ふたりの関係が本質的には対等ではあり得ないという構造である。
それにもかかわらず、千鶴子の開けっぴろげで率直な性格、そして後半に見せる反省と真っ直ぐな気持ちによって、一瞬ではあっても確かな絆が生まれたことが印象に残った。
前半の読みにくさは、単なる性格の問題ではなく、支配階級に属する者としての無意識の傲慢さが滲んでいたためだと、読み終えてから納得できた。
また、こ -
Posted by ブクログ
同時期に読んだダガー賞受賞作のシスターフッドものがあまりにピンと来なかったことも影響しているのか、翻って、本作はものすごく良かった。ヤクザの世界を通して男性性をことさら強く意識付け、メインキャストの性を相対化させる件の作を評価した英国ミステリー界を全く理解できない我が身としては、多様性を一個性として認めながら人間同士の魂の交流、成長のあゆみをつぶさに描き出す本作、大衆百合文学こそを激推ししたい。メシもうまそうだし言うことない。肝はやはり「舞台裏」。政治的に無気力な自分は本作者のような熱量を物語にこめることは、不可能、なのだろうか。自らのアイデンティティを見つめ続ける姿勢に何よりの敬意を覚えた。
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Posted by ブクログ
ネタバレなんとなく『海街diary』を思い出した。(ただしこちらの5人はまったくの他人であるが)ただ、なんとなく。
自分は何者なのか?(エスニック・グループであったり性的志向であったり……)が、シェアハウスの店子4人と大家、それぞれの(時間的なズレはあるものの)意識の表面に(自然と、あるいは他からの刺激によって)顕れてくる。登場人物全員が女性なので「百合もの」の色合いは帯びるものの、それがテーマではない。
登場人物ごとに章を割いて描いていくが、人数が多いせいか、『台湾漫遊鉄道のふたり』ほどの彫り込みには至っていない印象。
作中にでてくる1914年出版のレシピ本、実在するそうなので(解説文)、翻 -
Posted by ブクログ
ネタバレ国際ブッカー賞受賞。国際ブッカー賞が何かも知らず…勝手なイメージで表紙や挿絵が賞を取ったのかな?位な気持ちで手に取った本。元はイギリスのブッカー社がスポンサーの文学賞で英語翻訳が評価されたらしい。
台湾も食べ物も好きなので紀行と友情を交えた爽やかな物語になるかなと思っていたが…
植民地、家、性差なども 関係性や真逆な性格もあり、なかなか。。。
食べ物の名前や読み方が難しくなかなかすっと入ってこなかったのと、何度も千鶴子の友達になろうと口頭で確認したり、それに対して千鶴の頑なに態度が硬化するやり取りに読んでいて疲れてしまった。。。
モキュメンタリーの手法も表紙に著者と訳者の記載があるので