烏賀陽弘道のレビュー一覧
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一読して、悔しくて、口惜しくて、本当に情けなくて、涙が出た。
震災後の政府、東京電力の対応や、マスメディアの姿勢に対する憤り、それについて、多くを知らず深く考えることもしなかった自分への驚き、怒り、いろいろな感情が渦巻いた。
小説以外の本を読んで、こんな気持ちになったのは久しぶり。
日本のジャーナリズムの現状、問題点を、対談形式で詳らかにした内容。
著者らの経験、見方から「日本の報道機関」を知ることができ、貴重。
インターネットも利用して情報収集すると、最近のテレビや新聞などのマスメディアによる情報は、どこまで信用していいのか、なにを信用すればいいのか分からない、と感じていたので、この本に -
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Posted by ブクログ
正しい情報、信憑性の高い情報を得るためのポイントについては、これまで読んだ他の本と共通していて尖ってはいないが、一つ一つのポイントを解説するにあたって、具体的な事例を出してくれるため、どう読むか、即ちどこを疑い、どのように考えるかという道筋がとてもよくわかる。
SNSなど、ネット上の情報は素人がなんの裏付けもなしに好き勝手発言・拡散できてしまうため、信憑性がない。一方、新聞や出版社から出る書籍には、会社としてのチェック機能、お墨付きの機能がある。これは自明なことではあるが、一ブログで文章を書いている者としては、自分の不甲斐なさとメディア企業への畏敬の念を改めて痛感させられる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ各章のまとめは、時々読み返そう。
公開情報を十分に分析しているか確認。Gサーチ使ってみる。匿名情報には最低限の信頼を与える。反論再反論は自自が何かを読者が判断する材料を提供する。強い修飾言葉に注意。主語がない時注意。検証には、時間軸、空間軸を広げる。メディアはわからないといいたがらない。嘘でも本当でもないこともある。アキュラシーでなく真実性。なぜ誤ったのかを考えるために、間違った主張もなされる必要がある。編集者や校閲者を置いている媒体には一日の長あり。この人は精度の高い事実に基づいて発言する、という人を分野ごとに見つけておく。日本ではステマは法規制されていない。発問のゴールを動かさない。 -
Posted by ブクログ
ネット、SNSの時代になり、旧メディア媒体が衰退して久しい。いや、根拠なき流布が蔓延するネット社会が急躍している。
3.11以降、SNSによるフェイクニュースがより急拡大したように感じる。
報道と権力はいつの世も変わらないが、昨今では真実を掴む洞察力、分析力、調査力が重要な時代だ。
本書には常日頃思っていたことを、正しく代弁していてくれて気持ちが良い。
書籍を読んでいても、〜らしい、〜と思われる、〜と語られる、など丸々一冊伝聞系で書かれ、引用元もなければ、参考文献もない、著者の主観だらけの作文じゃねーかという、よくも編集者、校閲、校正を通して出版にこぎつけたなと思う、低俗なものに出会う。 -
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Posted by ブクログ
僕を含め一般の人は、報道されるニュースについて、違和感を持ったとしても、深く調べようとはしません。『そんな出来事があったんだー』くらいにしか思わないので、フェイクニュースをそうだとは思わずに、報道通りに受け取ってしまいます。
だからこそ報道陣には公平性や正確性を求めます。信じられる情報をしてくれないと、『このニュースは怪しい。自分で調べなくてはならない』となれば、もう報道の意味が無くなるし、二度手間です。
その意味で、前読した『統計数字を疑う』もそうですが、統計の定義と実体が離れていては無意味です。平均貯蓄額が一般感覚とズレているのと同じで、これって結局鵜呑みにはできなくて、参考になりません。