私の恩師が、世の中で一番カッコ悪い職業は、サラリーマンだと言いました。
そして、一番、競争が激しく、大変なのも、サラリーマンだと言いました。
なぜ、こんなに、大変な職業を多くの学生が選ぶのか、理解に苦しむと言いました。
この著作を読んで、朝日新聞という組織は、こんなに終わっているのか!
という感想
...続きを読むは、全くなく、
著者が経験した「理不尽」な仕打ちは、
会社員ならば、少なくない人が経験することです。
じゃあ、辞めるか?
しかし、辞めても、また同じような問題にぶつかります。
組織の不正、腐敗、そして働く人の規律のなさ、
自分が「何を見るか」で、印象が全く違います。
この世に完璧な人がいないように、完璧な組織はありません。
既得権益を持っている組織が腐敗するのは、
歴史を見ればすぐにわかります。
また、それを正すものも必然と出てきます。
もちろん利用するという意味ですが。
今は、ドックイヤーです。
時代の流れが速い。
その既得権益を維持しようとすればするほど、
組織が破滅に向かいます。
この本を読むと、組織にどうやって立ち向かうかというよりも、
より、自分らしく生きるにはどうすればいいのか?という問いが生まれます。
組織人ならば、そんな問いが甘っちょろい戯言だと、判断されますが、
やはり、この自分らしくというは、より重要にになると思います。
自分ができること、やりたいことと、社会が求めること、他者が求めることに、
接点を求める。そして、その中で、自分の食い扶持を見つける努力をする。
今、日本のかなりの組織が末期的な状況です。
ただ、日本的な力学では、
組織の存続に力が働き、個人の権利と存在というのは、
ないがしろにされます。
著者は、組織を捨てたことで、得るものがあったと思います。
また、やはり、自分がいた組織に愛着と、そこに働いている人に敬意があるからこそ、
ぶっちゃけたんだと思います。
もちろん朝日新聞は、今も存続しています。
ただ、内部組織は、ガン末期の症状をていしているでしょう。
多くの良心的な人が、理不尽と、矛盾に、憤りを感じていると思います。
日本は、今までも、これからも、経済的には、恐らく衰退していきます。
戦後40年で4000万の労働生産人口が増えましたが、
今後40年で、今度は3000万人減ります。
どう考えても、人材活用により、生産性の向上が急務ですが、
現状は、人材を殺しています(もちろん比喩的にですが)。
多くの人が、将来への不安を感じていると思います。
組織人としては、選択肢としては、二つしかありません。
組織から出るか、出ないです。
出ないならば、これから、あらゆる消費市場がシュリンクしていく中で、
組織にしがみつく哲学を持たないといけません。
出るのならが、ぺんぺん草も生えていないような荒野で、
まずは、生きていかなくてはいけません。
今の時代、確実に、ベターな生き方などないですから。
この著作は、朝日ともあろものが!こんな終わってます的な「情報」の他に、
結局、これから、個人は、覚悟を持って生きていかなければいけないんだと、
はっきりわかったことに、非常に高い価値を感じました。
どういうスタンスで生きていくか、
それは、誰かに頼ろうが、組織に依存しようが、独立しようが、
個人が、この時代で壊れないための一つの重要な問いとだと思います。