あらすじ
一見もっともらしいニュースや論評には、フェイク(虚偽の情報)が大量に含まれている。真偽を見抜くには何をすべきか。「オピニオンは捨てよ」「主語のない文章は疑え」「空間軸と時間軸を拡げて見よ」「ステレオタイプの物語は要警戒」「アマゾンの有効な活用法」「妄想癖・虚言癖の特徴とは」――新聞、雑誌、ネットとあらゆるフィールドの第一線で記者として活躍してきた著者が、具体的かつ実践的なノウハウを伝授する。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
良書。
CIA情報の95%は公開情報
池上彰氏も似たようなことをおっしゃっていた
公開情報を徹底して調べているからこそ5%の非公開情報を得られるし、その質が高まる。
本書はその公開情報の見極め方のノウハウを具体的に解説されていて興味深い。
オピニオンは捨てろ
フォロワー数は信用とは無関係
ビックピクチャーをあてはめよ
などなど、普段、ぼんやり感じていたことが言語化され体系化されていて頭がスッキリした。
加えて、
主語のない文章を疑え
など、知らなかったノウハウも学べた。
今まで読んだ同種の書籍の中で
最も興味深かった。
この本に出会えてよかった
この本を読んでから新聞や週刊誌を読むと、それまでとは全く違う目線で読むことができます。
メディアに惑わされず、自分が求める情報を知るには、この本の内容を実践することが近道だと思います。
Posted by ブクログ
ある情報が信頼に足るかどうかを見分けるために、どのような視点が必要かを豊富な実例と共に紹介している。東日本大震災や少年Aの話など最新のトピックが多く扱われており、解説もわかりやすい。
Posted by ブクログ
正しい情報、信憑性の高い情報を得るためのポイントについては、これまで読んだ他の本と共通していて尖ってはいないが、一つ一つのポイントを解説するにあたって、具体的な事例を出してくれるため、どう読むか、即ちどこを疑い、どのように考えるかという道筋がとてもよくわかる。
SNSなど、ネット上の情報は素人がなんの裏付けもなしに好き勝手発言・拡散できてしまうため、信憑性がない。一方、新聞や出版社から出る書籍には、会社としてのチェック機能、お墨付きの機能がある。これは自明なことではあるが、一ブログで文章を書いている者としては、自分の不甲斐なさとメディア企業への畏敬の念を改めて痛感させられる。
Posted by ブクログ
朝日新聞の元記者である著者が朝日新聞を含めて様々なメディア側の嘘を指摘する本作は経験に基づく具体的かつ痛烈な書き方が面白かった。
はじめはネットにはびこるフェイクニュースの見分け方について書かれたのかと思ったが、内容は地上波・新聞にもおよび、具体的に書かれた事例まで出して指摘している内容はわかりやすかった。
Posted by ブクログ
各章のまとめは、時々読み返そう。
公開情報を十分に分析しているか確認。Gサーチ使ってみる。匿名情報には最低限の信頼を与える。反論再反論は自自が何かを読者が判断する材料を提供する。強い修飾言葉に注意。主語がない時注意。検証には、時間軸、空間軸を広げる。メディアはわからないといいたがらない。嘘でも本当でもないこともある。アキュラシーでなく真実性。なぜ誤ったのかを考えるために、間違った主張もなされる必要がある。編集者や校閲者を置いている媒体には一日の長あり。この人は精度の高い事実に基づいて発言する、という人を分野ごとに見つけておく。日本ではステマは法規制されていない。発問のゴールを動かさない。
Posted by ブクログ
ネット、SNSの時代になり、旧メディア媒体が衰退して久しい。いや、根拠なき流布が蔓延するネット社会が急躍している。
3.11以降、SNSによるフェイクニュースがより急拡大したように感じる。
報道と権力はいつの世も変わらないが、昨今では真実を掴む洞察力、分析力、調査力が重要な時代だ。
本書には常日頃思っていたことを、正しく代弁していてくれて気持ちが良い。
書籍を読んでいても、〜らしい、〜と思われる、〜と語られる、など丸々一冊伝聞系で書かれ、引用元もなければ、参考文献もない、著者の主観だらけの作文じゃねーかという、よくも編集者、校閲、校正を通して出版にこぎつけたなと思う、低俗なものに出会う。
久しぶりに、胸が晴れる痛快な一冊でした。
Posted by ブクログ
SNSで流されているフェイクを判断する基準が示されている。一番いい方法は匿名の情報は信用しない。定義がはっきりしているか確かめる。言葉の定義を疑う。主語のない文書は疑だ。例文もたくさん載っている。なるほど詐欺師とはこんな風に騙すのかと参考になった。
Posted by ブクログ
メディアリテラシー。
長く現場記者をされていた経験から、ファクトの重視を主張。
なるほどだな。
なんとなく読んでいると、何気に誘導されて行くのを防ぐ、いくつかのポイントを実例を挙げて論じてくれる。
こう言う読み方だけが常に必要というわけではないだろうが、重要な観点であることに間違いはない。
Posted by ブクログ
僕を含め一般の人は、報道されるニュースについて、違和感を持ったとしても、深く調べようとはしません。『そんな出来事があったんだー』くらいにしか思わないので、フェイクニュースをそうだとは思わずに、報道通りに受け取ってしまいます。
だからこそ報道陣には公平性や正確性を求めます。信じられる情報をしてくれないと、『このニュースは怪しい。自分で調べなくてはならない』となれば、もう報道の意味が無くなるし、二度手間です。
その意味で、前読した『統計数字を疑う』もそうですが、統計の定義と実体が離れていては無意味です。平均貯蓄額が一般感覚とズレているのと同じで、これって結局鵜呑みにはできなくて、参考になりません。
で、信頼できるニュースとは一体何なのかというのを紹介しているのが本書ですが、総じてその通りだと思いますし、大事なことだとは思いますけど、逆に言えば、ニュースに対してここまで敏感に反応しながら見るなり聞くなりしないといけない、ってのは大変な作業だなぁと……。
本書には無かったのですが、『お金の動き』と『利益を受ける人物』を考えると事実が見えてくる、という考え方があって、これは鋭い指摘だと思います。企業にしても個人にしても、基本的には利益になる行動しか取りませんから(自分が不利になることはしない)、その点に注目してニュースを見るのも、著者の言う『真実に近付く』ことになると思います。
僕の評価はA-にします。
Posted by ブクログ
一見もっともらしいニュースや論評には、フェイク(虚偽の情報)が大量に含まれている。新聞、ネットなどあらゆるフィールドの第一線で記者として活躍してきた著者が、正しい情報を選別するためのノウハウを伝授する。
フェイクニュースの見分け方ということでしたが,あらゆることにその考え方を当てはめるといいのではと思った。
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 インテリジェンスが必要だ
第2章 オピニオンは捨てよ
第3章 発信者が不明の情報は捨てよ
第4章 ビッグ・ピクチャーをあてはめよ
第5章 フェアネスチャックの視点を持つ
第6章 発信者を疑うための作法
第7章 情報を健全に疑うためのヒント集
<内容>
元朝日新聞記者(「AERA」記者)の情報の見分け方の本。インターネット、SNSが広がった結果、誰でも情報を出すことができるようになった。しかし「誰でも」が曲者で、本人の単なる感想、意見、意図的な虚偽情報などが入り混じり、「フェイクニュース」がどんどん広がっている状況。著者は、3.11の原発事故情報などを中心に具体例を挙げながら、この状況の中で、「正しい」情報を見分けるテクニックを開示している。目次の通りであるが、文章がわかりやすいのですらすら読むことができる。高校生でも問題意識を持っていれば十分理解できるだろう。
Posted by ブクログ
情報化社会でデマに騙されないために読んでみた。
趣旨としては、時間軸と空間軸で類似の情報を収集し、俯瞰して比較することでフェイクかどうかの判断ができるというもの。分かってはいたが、他人の言葉で聞かされると頭に腹落ちしやすい。
<アンダーライン>
★★★
もし発言者が他者を説得したいなら、「なぜ聞き手である私はあなたを信じなくてはならないのか」の理由を提示しなくてはならない。
★★★
一般に、根拠となる事実が弱いと、修飾語が過剰に強く、大げさになる傾向がある。
★★★★
「記者が何を書いたか」ではなく、むしろ「何を書かなかったのか」に注意を向ける習慣を身につける
★★★★
メディアは「わからない」と言いたがらない
★★★★★
「ファクト」ではなく「オピニオン」
★★★★★
フォロワー数は信用を保証しない
★★★★★
「何か分からないが、重要な要素がまだ発見されていないと仮定するとすべてに合理的な説明がつく」という要素を英語で「the X factor」という。
Posted by ブクログ
ファクトの裏付けは自分で確認しないと信じられないかもね、という話。正しいとは思いますが、そもそも意見や主張や思惑が全く含まれてない報道は一つもないと考えるべき。日本人は騙されやすいので注意!
Posted by ブクログ
具体例も多くて参考になるところが多かった。個人的には弘中さんのあたりがいちばん興味深かったかな。あともう一個,終盤で参考になって引用したかったところがあった気がするのだけど,思い出せない。
Posted by ブクログ
【本書の概要】
世の中にはフェイクニュースがあふれている。
以前は新聞・テレビなどの旧メディアが発信者であったが、SNSの台頭により、誰もが気軽に発信できてしまうようになった。そうした世の中では、フェイクニュースを見分ける目を持つことが何よりも大切である。
フェイクニュースの見分け方の基本は、「ファクトを信じること」である。本書ではこれに沿って、具体的な事例を交えながら見分け方の詳細を解説していく。
【本書の詳細】
①ただの主張しかない記事は捨てる
・証拠となる事実の記載がない主張(オピニオン)は全部無視する。
→記事中に主張を補完する根拠(バックデータ、いつ誰が発言したか、等)の無いもの。
・代理話者(コラム、識者、コメンテーターなど)の発言が掲載されているものも無視する
代理話者の話が載っているということは、「裏付けとなる事実の取材ができなかった」という敗北宣言に等しい。新聞社はたいてい、自分たちの主張に沿った内容を発言してくれそうな代理話者を抱えており、自分達がしたい主張の方向に誘導した記事を書かせている。
言論の根拠である事実だけに注意を払う習慣を持とう。
②実名で発信しているかに注意を向ける
匿名者が発信した情報は捨てる。
その人が情報の主体とどのような距離にいるか分からない。中には又聞き情報や空想を喋っている可能性もあり、情報の精度が落ちるからである。同様に、主語がはっきりしない情報も信じないほうがよい。ネットの発言が最たる例である。
ex.) 「事実」は何かをジャッジするためには、反論→再反論(対論という)を続けることで、真実の輪郭をクリアにしていくことが必要である。対論を「正誤、善悪、勝負を決める」ための目的としてはいけない。公に開かれた対論は本来、読者が「何が真実なのか」を考える判断材料を提供するプロセスである。
日本の新聞は筆者の著名が排されているが、これは「新聞社」が記事に対して責任を取るというスタンスであり、読者の反論の相手方は「組織」として担保されている。
③書き手の価値判断が混じった言葉を使った文章には疑いの目を向ける
意気込む、決意を語る、胸を張る、反旗を翻す、反発するといった言葉は、「喋る」ことに対して書き手のニュアンスを加えた言葉であるから、注意して読んだほうがいい。
このような言葉を使いがちなのは、新聞やテレビに限らず、根拠となる事実が弱いと、修飾語を過剰に強く大げさにする傾向が人間にあるからだ。
④ビッグ・ピクチャー(視野)を当てはめる
ある報道がされたときに、その問題を取り巻く背景を調べたりその問題が属する時間軸を拡大することで、異なった視野から情報を見つめ直すのがよい。ビッグ・ピクチャーを当てはめるのは難しい作業であるため、まずは「記者が何を書いたか」ではなく、「何を書かなかったか」に注目する習慣を身につけよう。新聞、テレビ、ネット記事は、「たしかにその記事にウソは書いていないが、本当のことも書かれていない」のである。
⑤フェアネスチェックを持つ
人間は完全なる善人や悪人などいない。大抵、過去の行いと今の言動が矛盾する生き物である。現実の人間を「善人」「悪人」「英雄」など一面的な記述をする情報ほど疑ったほうがいい。
人々は、マスメディアに「現実と反対の、単純化あるいは理想化された物語」を求める。発信する側も「その方が人気が取れる」と、価値判断がそちらに傾斜する。するとどんどん論説が二項対立に寄っていく。これを防ぐために、正反対の立場の記事、書籍に目を通すことで、フェアネスな視点を持つことを心がけよう。
⑥SNSで信頼できる発信者を見分けよう
旧メディア時代、マスメディアで情報を発信できる人の数は限られていた。マスメディア企業自身が、「この人の言うことは、事実という前提で信用していいですよ」という価値を担保し、責任を請け負っていた。
しかし、インターネットの台頭で誰しもが発信できる世の中となり、信用を担保する組織やゲートキーパーがいなくなった。
そんな時代にあって、SNSで信用できる発言者を見分けるコツは以下の通りだ。
・正確に引用をしているか
・言葉の定義が明確か
・専門の著作はあるか
・具体的になんの専門家なのか
コツは、「ニュースが載っている媒体」よりも「発信者は誰か」に注目して情報を信用することだ。また、専門家が事実に正確あるいは中立とは限らないため、なんの専門家かを意識するのがよいだろう。
【感想】
筆者の烏賀陽弘道氏はもともと朝日新聞社の記者であったため、新聞の裏側に熟知した視点から「このように書かれている記事はこうした意図がある」ということを詳細に解説しており、とても参考になる一冊だ。
私自身がなるほどと思ったのは「代理話者」の部分だ。
「代理話者の話が載っているということは、『裏付けとなる事実の取材ができなかった』という敗北宣言に等しい。」と筆者は述べている。
確かに、東京新聞と日経新聞を読んでいると、同じニュースでも扱われ方が全く違う。新聞社によって右か左かの違いがあるので当然ではあるが、右左以前に、記事の方向性が、データ主軸と代理話者主軸(「〇〇で働く△△氏はこう語る」という形式)で真っ二つに分かれている。
結局のところ、「新聞社」というニュースの信頼性が一定程度保障されているメディアであっても、会社の色に沿った言論に誘導されていることが分かる。しかも代理話者形式の記事は、実際に取材を行った上で掲載しているため、厳密には「フェイク」ニュースではなく偏向報道だ。だからなおさらタチが悪い。
(ちなみに、東京新聞は読んでて気持ちがいいぐらい言論の誘導を行っている)
では、旧メディアを無視してネットのニュースだけを信頼するべきかというと、こちらは新聞社以上のウソと偏向報道である。いつの日も真実に続く道は嘘によって舗装されている。
嘘かホントか分からないながらも、より多くの視点から情報に触れ、「真実の輪郭をクリアにしていくこと」が大切であるとあらためて意識したものの、同時に、時間の無い現代人にとっては何ともハードルが高い話であると実感した。
Posted by ブクログ
ニュース記事のどこに注目すべきかという点を解説している。聞いたことがある話もあれば、新鮮で勉強になった話もある。が、伝えたいことを説明するのにこの文章量が必要だったのかは疑問。前半は、著者が意図せずとも政権を養護したり個人のバッシング(そういう意味ではないという説明の記載があっても)に受け取られやすい印象。後半の方が、より面白い文章に感じられた。5W1Hと誰が何を根拠にした発言かということには今まで以上に注意してニュースに向き合いたいと思いました。
Posted by ブクログ
さっと読める本で、且つ
教養としての必要度⭐️⭐️⭐️⭐️なので、
読んでおくべき本。
1.ファクトとオピニオンを分けて書いてあるか。
2.オピニオン部分は捨てる。
3.発信者はだれか。不明なら捨てる。
また発信者のキャリアを確認する。その分野について発言する資格はあるか。
4.大きな絵との矛盾を探す。
5.フェアネスをチェックする。
6.引用は正確か。
7.宣伝ではないか。
8.ロジックの逆、裏、対偶を立ててみる。
9.ないものがある、と仮定してみる。
スラップ訴訟(相手を黙らせるための訴訟)
Posted by ブクログ
・タイトルは「フェイクニュースの見分け方」だが、どちらかといえば既存マスメディアのニュースの信用度をはかる話ばかりで、フェイクニュースの話題は出てこない。これは「ニュースリテラシーの身につけ方」である
・ここに書いてること全部守りつつ、完全に嘘っぱちなフェイクニュース作られれば対処は難しそう
・ニュースリテラシーに関する本としては誠実だし良い感じだが、看板には偽りがある
・お、6章で発信者の話題になった。ここからはいよいよフェイクニュース特有の話題になるか?
・…が、結局、マスメディア上などで発言する人の信用性の話題にシフトしていった…うーん