烏賀陽弘道のレビュー一覧
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<目次>
はじめに
第1章 インテリジェンスが必要だ
第2章 オピニオンは捨てよ
第3章 発信者が不明の情報は捨てよ
第4章 ビッグ・ピクチャーをあてはめよ
第5章 フェアネスチャックの視点を持つ
第6章 発信者を疑うための作法
第7章 情報を健全に疑うためのヒント集
<内容>
元朝日新聞記者(「AERA」記者)の情報の見分け方の本。インターネット、SNSが広がった結果、誰でも情報を出すことができるようになった。しかし「誰でも」が曲者で、本人の単なる感想、意見、意図的な虚偽情報などが入り混じり、「フェイクニュース」がどんどん広がっている状況。著者は、3.11の原発事故情報などを -
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ネタバレ本書に朝日系メディアの論調に対する批判を期待すると裏切られる。そうではなく、いま日本のマスコミ企業が犯されている病理的体質に対する批判、いやもっと敷衍するなら大企業病に犯された組織に立ち向かう若手改革派社員=著者の奮闘記、という風に読むことが出来る本だ。
著者が出会う様々な同僚・上司の、普段自社の社説で批判しているような官僚的言動に唖然とさせられる一方、著者のような社員が組織を変革することができずにたどる退社という顛末にもやむを得ないという気がした。これは硬直した大組織を擁護しているのではなく、改革とは誰かが正論を吐き、それが通れば成し遂げられるというものでは(残念ながら)無いから、である。
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・日本のメディアは報道ではなく、広報。
・日本の記者は、記者ではなくサラリーマン。
・記者クラブでは皆が情報共有し、示し合せそのまま流すかどうかも上が決め、現場が決められない
・過ち(誤報)を検証しない。
・デマをデマと思っていないか、取り繕うように隠すように考えて修正してしまう。
これらの事が読んでいて、目からウロコでした。。。
たしかに、報道でなくてみんな時事通信などのように速報のような流しでしかも、政府や企業の出した情報をとりあえず検証しないで載せるだけなら広報だな~。
そして、サラリーマンならば、やはり企業の歯車になるし、その企業体だって人がそうなように過ちを犯すに決ま -
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マスメディア、特に新聞が抱える、ジャーナリズムの無さ。
その実態を実例を上げつつ批判していく。
特に、朝日読売毎日が、同じ日に同じテーマで同じ写真を使って同じ論調の記事を載せる、そしてその頻度があまりにも多いというのは薄ら寒さすら感じた。
受け身な取材甘んじて、権力の監視が成り立っていないなど。
インターネットも未だジャーナリズムとしては発展途上であり、「死にかけの老人とよちよち歩きの天才児の2つしか選べない」という言い方は的を得ていると思った。
もちろん新聞にも一定の価値はあると思うけど、せっかくツイッターやyoutubeなど多様なメディアがあるから、幅広くアンテナを張っておきたい。 -
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ジャーナリズムのあるべき姿、現実とのギャップを、新聞の実例などもまじえながら論じている。
上杉氏とはちがい、独りよがりの印象を受けない、読みやすい文章。
広告費が減り、経費削減が求められる中、記者らは時間や金のかかる「問い」を追求するような記事ではなく、なるべく近場でプレスリリースなどに頼った記事しか書かない。
結果、どの紙も似たような内容になるのみならず、権力の監視を放棄し逆におもねる形となってしまっている。
しかしこの現状を打破するシナリオを、筆者も持ち合わせていない。
3.11あってもなお変わらない御上とメディア。
せめて、私たちだけでも「おかしい」という認識を持っていなけ -
Posted by ブクログ
今年の三月から六月くらいにかけて、本屋の棚は活気がなかった。読みたい本が並んでいなかった。何の本かというと、言うまでもなく原発関連の本である。
3.11から約一ヶ月、すべての国民が情報を欲していたと思う。もちろん、テレビは24時間震災と原発の番組をしていた。けれども、テレビは、そして新聞も、政府と東電の広告塔となっていたかのごとく、記者会見発表を鸚鵡返しのごとく、繰返していた。その後、後出しジャンケンのように、次々と前の発表が覆されていく。そのことを批判しながら報道した大手テレビと新聞はほとんどなかった。
だからまとまった原発の情報が欲しかった。そしてメディアの嘘を暴く本も欲しかった。
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ネタバレ日本の報道終わってるとは思ってたけたどこんなに終わっていたとは…というのが、その実情と何故そうなったのかその理由をフリージャーナリストの二人の対談形式で明らかにしています。
内容的には、日本のジャーナリズムの問題の根本は記者クラブ制度にあること、大手メディアは政府・東電など権力者の「広報」と化しており、この「報道(広報)」を通じて国民の生命や財産に危機が及ぶいわゆる「報道災害」が今もなおリアルタイムで起きていることを、今回の原発問題を通じて厳しく糾弾しています。
対談形式なので同じ話の繰り返しがやたらと多いものの、メディアリテラシーをつけ報道災害にあわないよう、日本人必読の書だと思われます