岡崎久彦のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
靖国問題で中国に譲歩してはいけない。
将来的に日本経済が受ける損害、日本人の安全と繁栄に残す禍根、東アジアの平和に及ぼす影響に計り知れないものがあるからだ。
そのことは、台湾の戦略的地位を考えてみればわかる。
楽観論をとって国益を損なっては何にもならない―。
二〇〇三年春の米国によるイラク攻撃に始まり、小泉総理の第二次訪朝、台湾の陳水扁再選、北朝鮮の核武装宣言、中国の反日暴動、靖国問題に至る激動の時代を、国際情勢分析・情報判断の第一人者が長期的視点から読み解く。
[ 目次 ]
第1章 アジアの安全保障(中国‐靖国;台湾総統選;朝鮮半島危機;歴史教科書問題)
第2章 アメリカ、イ -
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ネタバレ[ 内容 ]
アメリカ、イラク、北朝鮮、韓国、そして中国。
激しく揺れ動く世界情勢下で、日本が生き残ることはできるのか?
「靖国問題に終止符を打つには」「遊就館展示修正の真意」「台湾海峡危機は来るのか」「政権維持の秘訣とは」「日米同盟のあり方」「核武装は必要か」―すべての答えは明白である。
中国に譲歩はせず、日米同盟を維持せよと著者はいう。
国家と国民の安全と繁栄を守るために、いま日本に求められる外交とは―国際情勢分析における第一人者の知的品位に満ちた論が冴える。
[ 目次 ]
第1章 対中関係の打開と和解(政治と経済の接点とは 台湾危機後の軍拡中国 ほか)
第2章 靖国問題の解決と終結(中 -
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ネタバレ[ 内容 ]
北朝鮮問題、イラク攻撃、さらにアジアのパワーバランスはどうなるのか。
二十一世紀、日本が生き延びるためには情報戦略の整備が不可欠である。
具体策として、米国に倣い国家情報官(NIO)の設置を提言。
わずか数億円でCIAと並ぶ組織が作れるのだ。
かつて日本外交の失敗は、日英同盟の廃棄、真珠湾攻撃にあった。
それは情報分析力の欠如により、アメリカの本質を読み違えたことにある。
いまその歴史の教訓を生かせるか―。
煮え切らない外交政策を排し、確かな道を示す。
[ 目次 ]
第1章 戦略的思考とは何か
第2章 「国家情報官」設置のすすめ
第3章 イラク問題を考える
第4章 アメリカとど -
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外交と軍事、歴史的考察が長くしんどい。戦略とは何かを直接語らずに、筆者の歴史に対する評価や現状分析を通じて読み取らなくてはならず、やや高度な一冊である。
それでも、戦略のベースとなる考え方や要素を学ぶことはできる。
経営戦略を先に学んでいると、どうしてもポーターの競争戦略につなげたくなるが、原典である国家・軍事(≒防衛)戦略を知るには最適なる一冊であり、共通して学べる部分も多い。
■情報収集、現状把握、情勢判断が肝
日本は歴史的かつ地理的要因で弱い
だから戦略的思考が育たない
■情勢判断と共に常に戦略をアップデートする
決めごとを教典にして現状維持に固執してはNG
■闘わずして戦うこ -
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表紙(蓬田やすひろ 画)のインパクトが強く購入。内容は西郷隆盛 の通史を「情」と「死の願望」から整理。
著者は 勝海舟の著作も多く、勝海舟と西郷隆盛の親好の記述を期待したが、記述は少なかった
著者の西郷像は 江藤淳や内村鑑三の西郷像(英雄性、国家観)より 引き下げられている
*西郷は 情にもろいため、情で滅んだ
*西南戦争は 西郷と大久保の私闘にすぎない
本筋以外で面白かった点
*江戸時代の豪商が先祖伝来の のれん を持ちこたえたのは 養子制度を取り入れたから
*河井継之助の「地下百尺の心」
人間は いったん死んで地下百尺のところに埋められてから 現生を観察しないと 本当の仕事はできな -
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靖国、台湾・中国、北朝鮮、イラク・アメリカ、というような問題を論じたものです。かなり広く、また少しテーマに一貫性がないのは、この本が新聞・雑誌の論考を集めて編集したものだからだと思います。タイトルは靖国問題だけ取り上げているように書かれていますが、そうではありません。
さて、靖国に関しては、歴史問題を外交問題にすることはナンセンスだ、ということで著者の見解をまとめることができるでしょう。その通りだと思います。もっとも、既に外交問題になってしまっているわけですが、どのように解決するかについては「時間の解決を待つ」ということにあるようです。ま、それももっともというところですね。
個人的に興味