岡崎久彦のレビュー一覧
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外交、軍事力、地理、日本や海外の国民性、歴史、経済等、幅広い視点からの戦略論。ページ数は少ないが、「戦略的思考とは何か」が濃縮されており、読み応え十分。
中国やロシアの考え方などは、今でも全く当てはまり現代を予見していたかのように感じた。著者の本質を見抜く思考力に驚いた。
軍事、国家戦略、自分たちに根付いた考え方など、積極的に議論される事が避けられるテーマを考える事の重要性も理解できた。軍事的な戦略論だが、著者の深い思考は、ビジネスや人生など幅広い分野で役立つと感じた。
特に最終章の「総合的防衛戦略」では、日本を攻め取るには、という視点から経済的や軍事的に日本の弱点を現実的にとらえ、そこか -
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1983年初版で、40年近く前の冷戦下の時代背景であるが、今をもっても読み応え抜群である。
外交官である著者の個人的認識であり学術書ではないとされているが、語られる戦略論は、軽薄な戦争ごっこではなく、日本の生き残り論であり、帝国主義時代から核時代・冷戦時代までを筋の通った論が展開される。
繰り返し述べられることに「戦略レベルの失敗を戦術レベルで取り返すことはできない」「国際政治は相手がある事象なので国内的にどうしたい的な内向き論には意味がない」「情勢判断を置き去りにした方針や綱領に意味はない」など、内弁慶に流れやすい日本の企業や個人に対する教訓が多く読みとることができる。
個人に置き換えれば、 -
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岡崎さんの論は良い。
特に、「戦後とは何であったかー『村田良平回想録』に思う」は必読だ。このような論者が少しづついなくなるのは寂しい限りです。
また、
真の保守主義は、経済問題ではなく、外交、安保、教育などの面で真価が発揮されるべきものである。
は、なる程と頷かされる。
国家、民族、家庭を守るのが保守主義という定義に異論はない。
政治家に謙虚さがないのは致命的である。
偏向とは
日本から物質的だけでなく精神的にも報復能力を奪おうとした初期のアメリカの占領政策。
憲法しかり、左翼的偏向教育と報道しかり。
これらを克服することが、真の保守主義である。 -
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外交官として、「外交官とその時代」シリーズ(陸奥宗光、小村寿太郎、幣原喜重郎、重光・東郷、吉田茂)の第五巻目の著作である。歴史は、その善悪・好悪によって、判断されるべきモノではなく、歴史観の対立、或いは、違いがあることを認識しつつ、冷静且つ客観的に、検証されるべきであり、何々史観というもので、断罪されるものであってはならないと、、、、、、。著者によれば、我々のような戦後すぐに生まれた団塊の世代、全共闘世代は、戦後の占領軍による過激なニューディーラーの行き過ぎと日教組等の教育偏向によって、影響され、生み出された世代で、未だに、日本の言論や、世論形成に、一定の悪影響を及ぼしていると、、、、、、、。
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明治維新前後に活躍した偉人陸奥…かと思いきや、外務大臣として名を成すまでには藩閥政治の中での苦労も耐えなかったようだ。
徹底した功利主義・合理的手段を重んじた陸奥は、一般的には冷たいエリートとして認識されているが、自分にはなんといわれようとも信念を貫く一貫性が見えた。当時はやっていた自由民権運動やコミュニズムについても「国民の幸福や国益という第一の目的を見失い、本来は手段であるはずの政治体制のありかたを第一の目的に摩り替えてしまっている」と批判。
こうした冷静な見方が逆に敵もつくったんだろうな。自分は陸奥のような人間にはなれないが、一本筋の通った姿は尊敬できると感じた。
坂本竜馬というカ -
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●朝鮮半島の人々が経験したことに比べて日本が一度も異民族の支配を受けたことがないという事実は国際政治の厳しさに対する日本人の考えの甘さや楽天主義の元になっている。
●平和は、戦後のように圧倒的戦力差がある時にのみ生まれる。
●韓国が他国を攻めたこと歴史上は一度もない。
対外侵略の意図も能力もなく、他方で、北からの脅威には敢然と抵抗する意思のある国が大陸本土と日本との間に介在している
これほど日本の安全にとって有難い条件はない
●極東の歴史で、中国大陸の勢力が朝鮮半島南端にまで及んだのは前にも後にもこのとき一度だけである
結局は朝鮮半島南部の戦力的重要性ということに帰結する
日露戦争の前 -
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「この本っていう書かれたものだろう」と思いながら読み進みて最後のページを見ると、昭和58年(たしか)初版との文字が。なるほど、確かに古い!その時とは世界情勢も大きく変わっているし、この40年弱であったことをいちいち挙げていたらそれこそキリがない。だからこの本も意味がない!と切り捨てるのもまたナンセンス。世界情勢は変わっても本質的な部分はやはり普遍なのかも。そうした普遍的なところを取り出せばこの本はずいぶん有益なのでは。それは日本が関わる過去の様々な戦争を題材にしていることからも明らかだ。
かなり長編なので論点は様々だが、要するに国家には戦略が大事だ、ということに尽きる。特に情報戦略。これが日本 -
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日本は明治維新時以外はずっと戦略的な面で疎く、現在もそうである。それは歴史的に、地理的環境に恵まれて攻められた経験に乏しいからである。戦略というのは、周りとのパワーバランスで決まるものであり、日本の大戦略としてはアングロサクソンとの協調が絶対の基軸となる。情報軽視をして、誤った戦略で戦えば、どんなに良く戦っても悪い結果につながる。アメリカがかつて程圧倒的な力ではないので、攻められないという幻想を持たずに防衛戦略を民主的に練るべきである。
日本の外交戦略はアングロサクソンとの協調は絶対の基軸になることがわかった。国際情勢的に日本は戦略的に価値があり、その分敵対国から攻撃の対象になりうる。韓