あらすじ
欧米の議会政治の本質を学び帰国した宗光は、第二次伊藤内閣の外務大臣となり、懸案であった英国との条約改正を成功させる。その9日後、日本は日清戦争に突入。宗光は英・米の干渉を排した開戦外交を展開、さらに、三国干渉をすばやく収拾し、見事な外交手腕を発揮する。国内における国際主義と国権主義の相克の中で、常に世界に視点を置き、日本の行く末を見据え続けた政治家・陸奥宗光。本書はその後半生を描きあげた大作評伝の完結編である。
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Posted by ブクログ
明治維新前後に活躍した偉人陸奥…かと思いきや、外務大臣として名を成すまでには藩閥政治の中での苦労も耐えなかったようだ。
徹底した功利主義・合理的手段を重んじた陸奥は、一般的には冷たいエリートとして認識されているが、自分にはなんといわれようとも信念を貫く一貫性が見えた。当時はやっていた自由民権運動やコミュニズムについても「国民の幸福や国益という第一の目的を見失い、本来は手段であるはずの政治体制のありかたを第一の目的に摩り替えてしまっている」と批判。
こうした冷静な見方が逆に敵もつくったんだろうな。自分は陸奥のような人間にはなれないが、一本筋の通った姿は尊敬できると感じた。
坂本竜馬というカリスマを失った後の日本を、政治家たちはどう動かしていったのか?筆者が外交の専門家ということで、現代的観点からの解釈、現代の政治との比較などが満載。陸奥の人生録というだけでなく、政治論としても楽しめる。