森岡正博のレビュー一覧

  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

    Posted by ブクログ

    生きるって何だろう、自分はなぜ生きているのだろう、なんのために生きているのだろう。
    今まで哲学は敷居が高いと思っていたが、根源的な問いが漫画で分かりやすく書かれている。もっと早くに出会っていたかった。巻末についている初学者のための西洋哲学文献案内の中にも興味深いテーマがたくさん。自分の中の指針ができれば、生きる目的や行動の優先順位がより明確になるかなと思った。

    0
    2016年04月03日
  • 生命観を問いなおす ――エコロジーから脳死まで

    Posted by ブクログ

    鬼頭秀一によると、著者森岡は「日本に恐らく初めて環境倫理の考え方を持ち込んだ人」。よって、少々身構えて本書を手に取ったが、読みやすくて、主張もストレートでよい。

    一部に「環境倫理学批判」のような記述もみられ、かつ生命倫理学との絡みでものを語ろうとしているので、興味深い。環境倫理のような話にしばらく傾倒しかけていた私の、関心領域(スコープ)を本格的に生命側まで広げてくれた一冊。

    0
    2015年01月06日
  • 自分と向き合う「知」の方法

    Posted by ブクログ

     幅広い発言を続けている思想家、森岡先生のエッセイ。「あとがき」で触れられているが、著者の研究テーマである「生命学」の入門書ともいえる。「生命学」ときくと理系の自然科学分野の学問のような響きがあるが、その内容は実践哲学ともいえるもの。最近の特に若手の哲学研究者からは、哲学や思想を日常生活に活用しようという提唱がよく聞かれるが「生命学」もそうした試みの一つのように思う。

     「自分を棚上げにしない」というある意味厳しい「教え」が頻繁に出てくるが、確かにこれを実践できれば「より良く」生きることに希望が垣間見えるような気がする。こうした考え方はともすると一時的なキャッチフレーズだけで終わってしまうよ

    0
    2014年10月26日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

    Posted by ブクログ

    1から4章までで構成されている。
    時間論
    存在論
    私とは
    生存論

    いまという土俵
    あるということの偶然的必然
    他我はわからない。
    いきているという偶然的必然
    いまを経験しかできない必然
    偶然我重なって存在している

    哲学を少し勉強できたと思う。
    結局、いまをいきることしかできない。
    いろんなかんがえかたがあるのでは。
    疑問を哲学にぶつけていい。
    存在が確かでないものも規定してその上で生きていける。
    あるものも信じる。

    0
    2014年07月15日
  • 決定版 感じない男

    Posted by ブクログ

    男性の(というか著者の)セクシャリティについて深く考察した本。私にも共感できる部分が多々あり、男女平等を考えるに新しい視点を見いだせました。

    0
    2014年07月12日
  • 決定版 感じない男

    Posted by ブクログ

    男の不感症、つまり「p51射精はそれほどの快感ではないかもしれない」ということは実感として分かる。射精後の空虚感を味わいたくない故に射精を先延ばしにしたことすらあるほどだ。ただ、それが「p71感じる能力をもった女に復讐しようとしたり、女よりも優位に立とうとする」ことに繋がるという部分はちょっと説得力に欠ける(制服フェチやロリコンのくだりも)。でも、男の性の様々な問題の出発点は森岡氏の言う「男の不感症」ではないか、確かにそんな風に思う。だって性行為が身体的に満足できるのであれば、敢えて制服なり少女なりに物語性を見出す必要もないのではないか?男はそもそも感じることができない(できても一瞬)であるか

    0
    2013年11月05日
  • 生命観を問いなおす ――エコロジーから脳死まで

    Posted by ブクログ

    「第六章 反脳死論を解読する」で展開されている梅原猛批判が刺激的だった。
    梅原は90年論文において、デカルトの心身二元論とアメリカのプラグマティズム思想に根ざした西洋文明によって脳死と臓器移植が推し進められているということを指摘する。とりわけデカルト哲学は、「思惟」が人間の存在根拠となっているが、本来は人間というのは地球の発展の結果であり、「生命」の一派成形態でしかない。デカルト哲学には「生命」が無い。こう主張する。
    これに森岡は一定程度の理解と含蓄を認めるが、一方で梅原が臓器移植には賛同している点に疑問を投げかける。
    梅原の臓器移植肯定論のポイントは、臓器移植が菩薩行であるという点にある。し

    0
    2013年01月25日
  • 生命観を問いなおす ――エコロジーから脳死まで

    Posted by ブクログ

    ディープエコロジーやニューサイエンスなどを含めた生命観の変遷や、その問題点などが述べられ、最後には脳死に関して述べられている。
    全体を通じて非常に分かりやすく、生命倫理を知るための最初の一冊としては良いのではないだろうか。

    ただ、幅広く論じられているため、一つ一つの項目に対する記述が若干浅いようにも思われた。

    0
    2012年09月11日
  • 救いとは何か

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    P25
    宗教を全面に打ち出せない現代社会の中で、「生きる意味」をどこに見出せばいいのか、「人を殺してはいけない理由」をどう説明すればいいのか。この対談では、こうした難問中の難問に、神や仏に頼らずに、どこまで追っていけるかを考えたいと思います。

    目次
    はじめに

    第1章 「殺すな」の思想を問う
    ある少年の問い/「殺すな」の思想と近代/「三種還元の方法」の限界/誰もが加害者でもある/少年の問いにどう答えるか/「比較地獄」の時代/「無常」の三原則/ロゴスの力

    第2章 魂、そして死について
    「一人」という問題/親鸞の「一人」/デカルトのコギト論/ヨーロッパ的人間観との違い/集団主義による「いじめ」

    0
    2012年08月18日
  • 草食系男子の恋愛学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文庫版にも書いてあるが、タイトルの「草食系」が
    独り歩きしている感じはあります。

    しかし、内容としてはとても良かったと感じました。
    顔が良くない、太っているとかコンプレックスを抱えていても
    そんなことは関係ないということがある章では
    強く主張されているところに勇気をもらえた。

    0
    2012年05月04日
  • 草食系男子の恋愛学

    Posted by ブクログ

    文庫版あとがきにも書かれているが、流行語になった「草食系男子」の後追いで出されたものではない。
    流行語としての「草食系男子」は反吐が出る程嫌いであるが、本書全体にまたがるテーマとしての「草食系男子」(と称される恋愛に対し奥手な人間)に対する著者のメッセージは非常に良かったと思うし、個人的にも参考になる箇所がたくさんあった。
    今すぐ必要になる予定は無いが、また困ったときに読もうと思う。

    0
    2011年03月28日
  • 生命観を問いなおす ――エコロジーから脳死まで

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    環境破壊から脳死問題まで、現代社会はきわめて深刻な事態に直面している。
    このような現代の危機を生み出したのは、近代テクロジーと高度資本主義のシステムであり、我々の外部に敵があるのだという主張がある。
    生命と自然にかかわる諸問題に鋭いメスを入れ、あくなき欲望の充足を追求する現代システムに生きる私たち自身の内部の生命観を問いなおす。
    生命と現代文明を考える読者のためのやさしいガイドブック。

    [ 目次 ]
    序章 環境倫理と生命倫理
    第1章 生命テクノロジーの甘い罠
    第2章 エコ・ナショナリズムの誘惑
    第3章 リサイクル文明の逆説
    第4章 ディープエコロジーと生命主義
    第5章 専門の囲

    0
    2014年10月28日
  • 自分と向き合う「知」の方法

    Posted by ブクログ

    「アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ ヨクミキキシワカ」るだけではなく、敢えて「自分を勘定に入れ」、自分との関わりに於いて考えようと提案する書。「欲望」「性愛」「生命」をキーワードとして、自分と世界との関わりを模索する。人間を欲望する存在として捉える「欲望論」が面白い。「吾欲望す、故に吾在り」、しかし欲望の完全充足は自分を自由から疎外する。制限されることが「欲望する自分」には不可欠なのだ。

    0
    2010年05月18日
  • 生命観を問いなおす ――エコロジーから脳死まで

    Posted by ブクログ

    「現代の危機を引き起こした最大の原因は我々の内に潜む生命の欲望なのだ」
    著者のこの主張はシンプルでとても分かり易い。
    今日の技術の進歩を鑑みれば少し古い本になるが、問題の本質がよく書かれていて参考になる。
    生命倫理を学ぶならば読んでおいて損はない。

    0
    2009年10月04日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

    Posted by ブクログ

    私は哲学の面からじゃなく生物学的な面から反出生主義を見たかったんだなと、読み始めてから気付いた。が、「生きようとしているのは個体ではなく種属」、「人間が生き続けようとするのは生への愛着からではなく死への恐怖があるから」、「親が産むのはこの私でなくてもよかったのでは?」など、いくつか「そうそう〜」と頷きたくなる考えも見つかった。
    要するにこの本が言いたいのは、「生まれてこない方がよかったって、生まれてきてない世界を生まれてるあなたが想像できるわけないよね?もう生まれてるんだからこれからの人生のことを考えようぜ」ってことかな。

    0
    2025年12月04日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

    Posted by ブクログ

    反出生主義的な思想について、古代ギリシャの詩人テオグニスから仏教、ショーペンハウアー、ニーチェ、ベネターと続く背景を知れる前半部分は面白かった。

    特にショーペンハウアーのペシミズム的な思想から始まり、ニーチェは永劫回帰や運命愛という真逆な発想に辿り着いた箇所は面白かった。

    ただし、ベネターの思想を否定する後半箇所は、そんなに面白くなかった。私自身、ベネターの反出生主義や人類を絶滅させるべきといった極端の思想には賛成しない。しかし著者による誕生肯定の論理には、どうにも結論ありきの欺瞞のようなものを感じて、あまり納得できなかった。

    著者自身も生まれてこなければ良かったと思うことがあると述べて

    0
    2025年04月02日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

    Posted by ブクログ

    時間がかかった。子を産むことに対する疑問が出てきて読み始めたものの、自分がどういうマインドで生きていきたいかが分かった。
    「生まれてこないほうがよかった」は実現不可能。それならば未来に向けてその思いを解体する道筋を探していく。

    0
    2024年10月02日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

    Posted by ブクログ

    「生まれてこなければよかったのか?」という問いは、宗教的な背景を持つ身として幾度となく考えてきたテーマです。
    著者の森岡氏は、自身もそんな問いを抱えつつ、哲学的な視点から反出生主義に理解を示しつつ、それを超克するための「誕生肯定の哲学」を模索します。
    読んでいくと、哲学的な理解を前提とするかなりハードな内容で、半分も理解できたかどうか…というところです。
    ただ、森岡氏のような「誕生肯定の哲学」は待ち望んでいたところでもあったので、この後出版されるものにも期待しつつ、己の哲学としても深めていきたいところです。

    0
    2024年06月29日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

    Posted by ブクログ

    時間の捉え方や私の捉え方、人生の捉え方という普遍的問いをまんがで普遍的に知らしめようとしてくれる意欲的な傑作。読み返したくなるような自己啓発本としても一級品。

    0
    2023年08月18日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

    Posted by ブクログ

    漫画だからといって侮ることなかれ。かなり難解な内容も詰まっています。結論は、生きていることを肯定しようということ。

    0
    2023年02月17日