森岡正博のレビュー一覧

  • 決定版 感じない男

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    2023/10/08

    二日酔いながら一気見してしまった。
    おかえりアリスに衝撃を受け、そのあとがきからこの本の存在を知った。

    中学生の時に、毛が薄かった自分の足について、友達から「綺麗な足、女みたい」と言われた。そのことがずっと誇りだった。胸筋が無いので胸に脂肪がすぐ付いてしまうが、その僅かなふくらみを見るとき、少しだけ誇らしい、倒錯した感情がある。リナとミサトから、お世辞だとしても、「綺麗な顔立ちをしている」と言われたことをずっと覚えている。本当に嬉しかった。その嬉しさは恐らく、褒め方に性別が関係ない言葉だから。

    女になりたいと思っていた。それは思想の面だけでだと思っていた。女が女と

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    2023年10月09日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    学者である著者本人がまんがを描いている。
    あとがきにもあったが、まんがという伝達手段でこそ伝わることを模索している。
    3年かけて、絵もどんどん上手くなってるし、それだけですごい。
    それだけでなく難しい言葉や専門用語は極力排除されているので予備知識無しでも深い思索まで行ける。
    特定の哲学者の議論を纏めたものでもない。


    後半の「あなたなのです!」は良かった!

    昔、永井均の著作を読んだが、「自分が自分であることにびっくりするタイプの人はいる」といった話があって、確かにこのページで初めてびっくりする人は一定数いると思う。
    そのくらい効果的な伝え方だと思う。


    生きる理由を明確に宣言しているのが

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    2023年04月15日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    夢中で読みました。明確な言葉で論理的に繰り返し確認しながら書いてくれてるので読みやすかった。また読み返します。何回かにわたって講義を受けた気分。手軽なハウツー本ではなくこれからも考えてゆく途上にある哲学です。人間への愛がある。自分の陥ってる状況がわかってきたし行き詰まった感覚から緩やかに解放されていくだろうという希望が見えました。

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    2022年06月17日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    「感じない男」を読んで著者に興味が湧き、読みやすそうなこの本を二冊目に選んでみました。マンガの絵と構図まで森岡先生が書いた、とあとがきで知って驚きました。自分の考えを伝えるためにここまで努力できることが凄いです。
     哲学的な文章だけだと?となる部分も図解でわかりやすく解説されていて、とてもよかったです。全編通して、それでも前を向いて生きていきたいよね、生きている意味を見つけていきたいよね、という希望的な見方が根底に感じられ、でも押しつけがましくなく、とても勇気付けられました。買って手元に置いておきたいなぁと思う本でした。

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    2021年05月06日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    とても平易な文章で読みやすかった。
    ベネターの誕生害悪論から反出生主義の変遷を古代ギリシャまで遡り、西洋から東洋へ、その横断を辿るのも面白かったし各章の論考も充実。最終的には誕生の肯定を目指す本なので、読み終える頃には気持ちが軽くなっていた。

    個人的にはショーペンハウアーと仏教の章が特に面白かったのだけど多分それはショーペンハウアーの哲学をほとんど知らなかったからだと思う。逆にインド哲学が難しくてわかるようなわからんような…そしてこの文脈にニーチェを乗せると彼がいかにぶっ飛んだかが分かって面白かった。人を超えるのだ…

    シリーズもののようだけどこれ一冊でも十分楽しめたかな。けど出産の同意不在

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    2021年02月06日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    「生まれてこなければよかった」という思想の歴史の長さに驚かされる。洋の東西を問わず、様々な時代の様々な歴史家や小説家、哲学者が向き合ってきた思想。個人的にもう少し掘り下げてみたい思想もあり、読んでよかった。

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    2021年02月06日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    この分野の基礎文献。

    反出生主義は文学も含め、多くの分野に根を下ろしていたのか。

    ニーチェを生の肯定の哲学として読む試みは刺激的。かれをさらに乗り越えていこうというのも重ねて刺激的。

    心理的と哲学的なレベルを分けて終盤は論じている。

    本当に多くの論点と難題が横たわっている「世界哲学」のテーマであることがよく分かった。

    著者の切実さに基づいた思索は、論拠を何度も崩しては堅め直し、哲学するとは何かも学べる。

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    2020年12月04日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    著者として「森岡正博+寺田にゃんこふ」って書いてあるから、森岡正博が内容を決めて寺田にゃんこふが漫画を描いてるのかと思ってたら、森岡正博がほとんど漫画を描いて寺田にゃんこふは線とかを整えただけらしい。
     
    「哲学者が描いた漫画だすごい」と思ったけど、漫画家で哲学科を出ている人って割りといる?っぽいから哲学者で漫画を描いてる人って実はそんなに少なくはないのかな?

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    2019年07月06日
  • 救いとは何か

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    救いとは何か、にまつわる対談。宗教学者でもある山折さんに対し、宗教的な言葉を用いず、哲学的に語ろうと苦心する森岡さんの、ぎこちないながらも必死に言葉を探そうとする姿には感銘を受けた。
    議論の内容も、結論がはっきりと出るようなものばかりではないが、倫理を育むのは結論ではなくむしろ過程だろうし、それでいいと思う。

    最終的に森岡さんは「命を大切にしようがしまいが、命自体が尊い」という境地に至り、いつかそのことを哲学の言葉で、論理によって説明できるようになればいいと話す。
    そうなればいいと僕も思うし、僕は僕の言葉でそれを見つけたいとも思った。

    議論の途中、まさにこのことと対称的な森岡さんの言葉とし

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    2017年08月27日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

    購入済み

    一気に読みました

    哲学ってむずかしくてよくわからないという人にオススメ。哲学的な考え方とは何かということについて素人が触れることができる。
    とにかくわかりやすい。

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    2017年04月23日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    哲学概説を、まんがで行っているのではなくて、
    まんがで、哲学しています。
    素晴らしい。
    (2015年07月17日)

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    2015年07月22日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    時間論や存在論などについて、対話形式による議論が展開されている本。

    まんが哲学入門というタイトルのとおり、一応漫画の体裁は保っているのだが、非常に気の抜けるデザインのゆるゆるキャラが跋扈する謎の世界観なので、最初は何故わざわざ漫画の形式にしたのか疑問を感じてしまった。

    しかし、読み進めていくうちに、漫画であることの利点をうまく利用していることに気づかされる。図解をとにかく多用するため、直感的なイメージをつかみやすいし、言語では表現不可能な概念(永井均が言うところの<私>みたいなの)も力技でなんとか?表現してしまっている。著者は漫画と哲学は相性がいいと主張していたが、こういった技法をみると確

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    2015年02月21日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    ハアハア…。
    哲学病再発。

    エッチな本と、哲学書と、宗教書を読む時の、
    あの興奮具合が一緒なのは、なぜ?

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    2014年11月11日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    学者とか引き合いに出さずに平明な言葉とイラストで解説。
    結局難しいけど再読したい内容。
    巻末の解説も親切。

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    2014年07月21日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    うん、これが「哲学」。
    世の中の哲学と呼ばれるものは哲学ではなくて「哲学」学。過去の哲学者がああ言ったこう言ったという解説。本書は「哲」学。
    また、新書の入門書にはときどきすさまじいクオリティのものがあって、入門書でありながら同時に最終奥義の書であるような深みに届いている。本書もそのひとつと言っていい。
    本書は、生徒と先生の対話という形をとっているが、それは知っているものから知らないものへ知識を伝達するためではなく、対話という形式でしか到達できない扉のむこうを目指しているから。そしてさらにマンガという形式をとることで、言葉で(書き言葉だけで)哲学する時のあの厄介な頭痛の種が緩和されている。ゼロ

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    2014年04月17日
  • 救いとは何か

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    宗教では救われない私たち。では生きる救いとは何か。真摯な語り合い。「誕生肯定」という言葉に涙した。大切な本に出会えた。

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    2013年05月29日
  • 生命観を問いなおす ――エコロジーから脳死まで

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    生命学という現代文明を顧みるための新たな学問を提唱するその軸として、エコロジー思想や生命倫理にフォーカスをあてて新しい生命観を模索する意欲作。筆者自身も最後に書いているが、この本はそういった壮大なテーマに立ち向かうための準備体操としての位置付けであるため、繰り返しが若干多い。そのおかげでとてもわかりやすくなっている。読みながらそんな考え方があったのかと驚くと同時に、自分はデカルト哲学に端を発する近代文明に期せずしてどっぷりと浸かってしまっていたことに気づかされる。個人的にディープエコロジーをどうやって自分の中で処理するか苦しんでいたところ、この本と出会い、仏教的に話を展開する刺激的な論調に出会

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    2012年11月09日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    生まれてしまっているという現実を受け入れたところからはじまる、「生まれてこないほうが良かったのではないか」という問いをめぐる古今の思想家の紹介や批評。
    著者は、このような問いを含む「生命の哲学」の構築をめざしているという。

    なんのために生きるのか(生きているのか)、という問いの問題圏で類似する幾つかの問いの形があるが、そのなかでも、この問いの切り口を採用したからこそ浮かび上がる問題とその考察を、心地よく感じた。

    分かりやす答えがあるわけではないが、考えの整理と著者なりの、肯定に向けた(意思ある)見解が示されている。

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    2025年08月04日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    「マンガだから読み易く、面白く読めるだろう」と期待すると、たぶん痛い目にあう。難解で、面白くはないから。

    哲学の入門書としては、恐らく、とても良い本。対話形式で話が進んでいき、かつ、(漫画なので)絵図がふんだん。難解なことを絵図にしてくれてるのがとてもありがたい。著者の考えを理解するために、きっと何度も読み返すことになるのでしょう。

    それと、巻末の「読書案内」がとても魅力的。特に「(1)哲学者の書いた哲学入門」に挙げられた本は全部読みたくなってしまいます(笑)

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    2024年09月13日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    漫画で読みやすいシンプルな絵!
    でも内容は難解で一読では理解できない。

    他人の中に自分では経験できない、想像しても脳をつなげてもすりぬけてしまう別物の体験があると確信を持たないと人を愛せない!の流れが印象的。

    巻末の読書案内の熱量がすごい。

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    2024年08月16日