森岡正博のレビュー一覧

  • 33個めの石 傷ついた現代のための哲学

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    人は規律正しく生きていくことができるのか。否、時折私たちは間違いを犯す。自省し謝り改心していこうと努める。そして周囲はその過ちを許すことが大切であると筆者森岡正博は述べる。そこに宗教は介在しなくてもよい、怒りや苛立ち、憎しみがもたらす排除や復讐には平穏は訪れない、負の感情がエスカレートして分断や衝突といった人びとの摩擦による疲弊が繰り返される惨状でしかない。本当に人を慈しむ行為は他者から偽善と罵られても一向に構わず、その偽善をとどのつまり自身の為に行動しよう。情けは人の為ならず。

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    2023年10月09日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    まんが部分は簡単な絵だけど読みやすくて良い。巻末の読書案内がとても充実していて、さまざまな哲学書が紹介されている。全部読みたくなる。

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    2023年09月06日
  • 決定版 感じない男

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    男の身体が汚いと思う意識。
    Vチューバーの綺麗な女の身体を得る。脱毛、化粧。男性的なものが汚く感じる。それによる女性性への憧れ?
    また読み返さないといけない。

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    2023年07月18日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    存在することと生成することの違いに基づく議論は難しかったが、反出生の考え方が古代にまで遡り、常に存在し続けてきたことに驚き。
    本題とは逸れるがニーチェの永遠回帰という考え方は初めて知り、刺激的だった。

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    2023年06月26日
  • 決定版 感じない男

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    衝撃を受けた一冊。性癖や性欲の起源を知る事が、押し付けられた性欲から距離を取り、自分自身の欲や嗜好を取り戻す機会になるのではないかと思えた。

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    2023年01月02日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    面白かった!
    誕生肯定とニーチェの運命愛の概念が特に好きで、自分の人生観を変えてくれたと言っても過言では無い。

    ブッダやショーペンハウアーの考え方も分かる。
    (数年前まではうつ病もあり他者には強要しない反出生主義の立場だったので、辛い時人間はこうなっていたかもしれない平行世界の存在を考えてしまうというのも嫌という程当時は実感した。)
    そして歴史的に苦悩を抱える人間達が存在したこと自体も自分にとっては凄く救いになったので反出生主義の人達も存在はしていて欲しい。

    だがやはり何が実現可能かを考え続けない限り無駄に苦しむだけという事も理解しているので今の精神状態でこの本が読めて良かったと思う。

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    2022年11月20日
  • 草食系男子の恋愛学

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    「草食系男子」と言う言葉が流行ったのは、もう随分前の事だ。

    今の若い世代には通じるのだろうか?

    この言葉が生まれた当初、自分のことじゃ無いか!と衝撃を憶えつつ、同じ様な人が沢山いるんだと安心した記憶がある。

    それに甘えるかのように、もう歳を取り、彼女いない歴=年齢のどうしようもない人間になってしまった。

    あの時、こんな言葉に甘えずに、安心せずに行動していたら今と違った未来もあったんだろうと。

    と、これだけ草食系男子の話をしたが、内容はそれほど草食系男子とは関係がない。

    あとがきに書かれているように、本書は草食系男子という言葉か出る前に書き出され、その言葉が流行り始めた時期に刊行され

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    2022年06月02日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    初めて反出生主義に触れた時、「感覚的にわかる気がする」と思った。現代の病理、はしかみたいなもの、誰もが生きてりゃ思うことをそれっぽく言ってみた露悪的なもの、と「見做したい」欲望を感じた。
    が、反出生主義こそ逆説的に生を考える契機となっていることを評価しなければならない。優生思想然り、わたしたちは克服できるのか、人生にYESと言える言えるのか。
    著者が指摘するまでもなく、原始仏教やユダヤ、キリスト教のように現世を超えた世界に理想を見る考え方は広義の反出生主義だ。
    この意味で言えば、反出生主義は決して現代思想ではない。ただ、科学技術が進歩して人間が生命の在り方に介入できる余地がどんどん膨らんできた

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    2022年04月16日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    哲学史の紹介ではなく、「いま(時間)」「ある(存在)」「わたし(自分)」「生きる(生命)」とは何かについての問いを、”まんが”を用いた対話形式により分かりやすく哲学した本。

    ”まんが”を用いた分かりやすい図解のおかげで、哲学の根底にある考えをイメージすることができ、哲学をするとはどういうことかについての理解に繋がりました。作者が言う『「生まれてきて本当に良かった」と心の底から思えるようになるために生きる』人生を歩みたいと思いました。

    巻末の読書案内を今後の哲学に関する読書の参考にしたいと思います。

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    2022年04月10日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    哲学の導入書としてちょうどよい気がする。一読しただけでは腹落ちしない内容も多かったが、本質的な内容がマンガ形式で読めるので、ふとした機会に読み直しながら理解を深められる。

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    2022年01月02日
  • 33個めの石 傷ついた現代のための哲学

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    哲学とありますが、エッセイのような文章がテーマごとにまとめられてあり、読みやすかったです。

    題名の33個目の石の話は知りませんでした。アメリカの銃乱射事件(被害者32人)の犯人(自殺)の分も追悼の石を置こうとする人、それは認められないとして排除する公的機関。何だか考えさせられました。許すとはどういうことだろうか。。。

    森岡先生はすごく誠実で素直な方なんだろうなぁ。自分より年上の男性でこういう思考をしている方はほとんどいない気がします。

    最後の方の章で書かれてましたが、先生が哲学的思考をするとき、それは言葉で練り上げるというより色や形などのイメージを組み上げるらしいです。予想外でした。哲学

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    2021年09月07日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    反出生主義本が新聞で特集されていたので気になって。

    生まれてこなければよかったと考えるのは確かにそうで、ベネターの著作によって反出生主義が注目されていることに対する考察本。

    単に「生まれてこなければよかった」一言で片付けられてしまいがちだが、その思考をヨーロッパ哲学や仏教を紐解きながら整理していく。7章で言及されているように、「生まれてこなければよかった」という思想は綿密に紐解けるものであり、そもそも比較不能なものであり議論としては不完全なものである。(ここが肝なのだがちょっとその辺りの議論を理解するのに骨が折れて流し読みしてしまった…)

    作者も述べているように、「生まれてこなければよ

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    2021年05月09日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    ショーペンハウアー、デイヴィッドベネター、ウパニシャッドの本も読みたくなりますね。「人間の生命はなんの意味もない」「人類は計画的に絶滅するべきである」そして自殺反対論。地球上に一番いらなかったのは○○だったのか、と感心しました。でも、このような考えを人間が考えることができたのなら、そこだけは人間が必要だったのかもしれないね。とても考えることが楽しくなる本でした。

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    2021年04月08日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    「私が存在していないこと」という反実仮想はありえるとしても「私が生まれてこなかったこと」という反実仮想は不可能だ(p.285)、というのは面白い論点。
    しかしそうすると、結論は宗教性を脱色した予定説のようなものに落ち着いてしまいそうな気もする。
    続刊を待ちたい。

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    2021年03月06日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    初めての本格的な哲学書だと思う。嫌われる勇気はちょっと違うと判断して。
    難解そうだったので勉強するつもりでノートに書き出したりしながら読んだ。
    心理学、精神医学的な「生きていたくない」話はたくさん目にしたけど、哲学的に考えるやり方は新鮮だった。
    そして大変明快で最後には腑に落ちた。
    高卒の40代発達障害の脳で何とか浅く、ではあろうが理解ができた。
    物心ついてよりまとわりついていた「希死念慮」が薄らいでいる。
    この先も著作がある予定なので楽しみ。

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    2021年01月10日
  • 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!

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    ニーチェに関する内田樹先生の批判を読んだ後だったので、とても面白かった。ニーチェ、わりと神秘学的な傾向をもってたのね。
    吉野弘さんの「I was born」を読んで腑に落ちなかった人は、読んでみるといいかもしれない。併せ読みでシェリー・ケーガン先生の『DEATH』も。
    あと、男性側からの考察だけでは手落ちにすぎる感が拭えないので、ぜひ、女性、出来れば出産や育児を経験した論客からの考察が読みたい。

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    2020年12月29日
  • 決定版 感じない男

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    ネタバレ

     男の「不感症」「制服フェチ」「ロリコン」がテーマであり、これらを著者の実際と照らし合わせて考察する。したがい、答えではなくひとつの仮説である。
     男の射精そのものは快感を感じずに空虚感を感じる(男は自らの射精を語りたがらない)。感じる女への復讐がポルノに反映される(実際には女もそれほど感じているわけではない)。ポルノでよく制服が用いられるのは、背後に学校(=洗脳)を感じるため。男の自分勝手な論理で女を内面的に支配し、セクシャリティの自閉世界を作り上げることに帰結する。精液はその架け橋である。
     ロリコンというと一般的に初潮前後の少女を対象としたものであり、社会全体がロリコン化しつつある。感じ

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    2019年07月31日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    先生自らが基本図を描いて、テキストも書いているのでわかりよい。哲学の文章というと、一節一節が結構大切で、それがズラッと連なっていて迷宮に迷い込むような感じになることが多い。その点、この本は、漫画として描かれているのでコマで切られていて、そこにイラストがあり、ただの図解ではなく流れがある。漫画でありながらコマ割りされることで立ち止まる契機になっている。広く薦めることができる一冊だと思う。

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    2017年12月18日
  • まんが 哲学入門 生きるって何だろう?

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    いやー、これはなかなかに名著なのではなかろうか。
    絵柄や著者の思想になじまない人はいるだろう、というか、むしろそういう人の方が多そうなんだけど、きわめて平易な語り口の中に深く考えさせられる箇所が何か所もあって、座右の書にしたいくらい。

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    2017年12月09日
  • 決定版 感じない男

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    著者はうちの大学の元教員(今は早稲田の教員)
    男の性について赤裸々に堂々と述べているところが凄い。ロリコン・制服フェチなどの詳細の分析の後に、「男の不感症」に繋げている。

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    2017年10月07日