川合康三のレビュー一覧
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新編 中国名詩選 下
岩波文庫 赤33-4
著:川合 康三
出版社:岩波書店
上冊 上古、詩経、楚辞、前漢、後漢、魏晋、南朝、北朝
中冊 初唐、盛唐、中唐(柳宗元まで)
下冊 中唐(白居易から)、晩唐、北宋、南宋、元明清
中唐
後半を彩るのは、多作家である、白居易、白楽天から、元稹、李賀等
晩唐
内部の抗争で、唐王朝は力を失っていく
韓愈、李商隠、杜牧ら
北宋
宋代は、国家が文化事業を後押しする、知の時代となる
中国の詩は、古文を標準的な文体とすることで、詩史の転換期となる
梅堯臣、欧陽脩、王安石、蘇軾、黄庭堅がその風を支えた
南宋
1126年北宋は、金によって -
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新編 中国名詩選 上
岩波文庫 赤33-1
著:川合 康三
出版社:岩波書店
上冊 上古、詩経、楚辞、前漢、後漢、魏晋、南朝、北朝
中冊 初唐、盛唐、中唐(柳宗元まで)
下冊 中唐(白居易から)、晩唐、北宋、南宋、元明清
上古の4詩は初めてみました
撃壌歌 十八史略、荘子譲王篇にもあり
采薇歌 史記伯夷列伝
麥秀歌 史記宋微之世家
接與歌 論語微之篇
最古の漢詩集「詩経」よりも上代の詩とされている
詩経は、国風、雅、頌の3部からなるが、本書は、国風と、小雅から
楚辞は、漁夫と、九辨、招隠士の三詩でさみしい
前漢
詩とは歌、飲んでまさに歌う
易水歌 荊軻 刺客列伝 -
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新編 中国名詩選 中
岩波文庫 赤33-2
著:川合 康三
出版社:岩波書店
上冊 上古、詩経、楚辞、前漢、後漢、魏晋、南朝、北朝
中冊 初唐、盛唐、中唐(柳宗元まで)
下冊 中唐(白居易から)、晩唐、北宋、南宋、元明清
漢文唐詩宋詞元曲、唐代を代表する文学が、唐詩である
唐の時代区分を、初唐、盛唐、中唐、晩唐の4つに分ける
中巻は、初唐から、李杜の盛唐、柳宗元の中唐の途中までを扱う
初唐 王勃、楊炯、盧照鄰、駱賓王
陳子昂 「幽州の台に登る歌」 がよい
盛唐 中国の詩史で、李白と杜甫が同時に現れたことの奇跡、両者を李杜と総称す
李白は、それまでの伝統を継承したもの、楽府をはじ -
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精選訳注 文選
著:興膳 宏
著:川合 康三
出版社:講談社
講談社学術文庫 2787
文選とは、唐に先立つ、南北朝時代、梁の昭明太子の編による。
長編の詩である「賦」、長めの「詩」、そして「書」。対象は文章全般である。
無学の劉邦や、勉強嫌いの項羽の詩は短いがそれ以外のものは長編が多い
後の七言律詩や、五言絶句はみられない。詩の集約化はさらに時代を下らなければならない
万葉の長歌、短歌から、俳句へくだるのと似ていると感じていた
本書は、文選の精選として、10%程度の秀歌を収録しているもの
劉邦の大風歌、武帝の秋風の辞、曹操、曹丕、曹植、阮籍の詠懐歌がわかりやすい
諸葛亮孔明が、 -
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ネットでHeveneseのラストトークを見ていて、本書に言及があったので購入。令和の語源である万葉集をほとんど知らなかったので、とても興味深く読んだ。8人の著者の、改元をきっかけに書かれた万葉集に関するエッセイ集。
鈴木大拙は「日本人の霊性」の中で万葉集を「稚拙」だとか「幼稚だ」とか、あまり良い評価をしていなかった。しかしながら本書から万葉集の他の歌集との違いがわかり、納得した。
曰く、万葉集には中近東的な雰囲気がある、とか、万葉集は文字ではなく大和言葉の響きを口にうたうための歌集である、とかなどと言うように書かれていた。また万葉集には代作という表現があるとの事。これについては日本人が原作を -
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文学や編集に携わる8名の手による万葉集エッセイ集、といえばよいか。
出だしから中西進氏による『旧約聖書』と『万葉集』のリンクが展開され、度肝を抜かれる。良き文学とはほかの文学と共鳴するものとはいうが、まさかそんなところと響き合うとは。しかも万葉集の第一人者の一人中西進氏からそんな。おみそれしました。
川合康三氏の「山上憶良と中国の詩」、高橋睦郎氏の「いや重く謎」あたりは若干硬めの印象を受けるかもしれないが、基本的には一流の文化人たちによる平易な万葉集エッセイである。いや平易と言ったが完全に万葉集知りませーん何書いてあるんですかーな人には向かないかもしれない。ちょっとは齧った人向け。だが、ちょっ -
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訳も解説も読みやすくて、楽しかった。
以下、「へえ」と思ったところメモ。
・虹は不吉なもの→何かで虹のことをそういう風に受け取る文化があるって読んだけど古代の中国だったのか……(現代は?気になる)
・「鬱」がニワウメの意味だったりやっぱり憂鬱の鬱だったりする。ニワウメが気になって検索したら可愛い花だし汎用性の高い薬になるみたい。
・「風に舞う塵」という表現がでてきた。平家物語の元ネタこれなのかな?それとも昔はよく使われた言い回しなのか。
・姑にいびられて実家にかえったお嫁さんの詩「あなたの家の嫁となるのはむずかしい」という訳に、胸をギュッと掴まれたよ。一生懸命やったのにな、かわいそうにな。