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三千年の歴史を有する中国の詩──そこには、道への志、政治批判、友情、望郷、恋愛、山水、仙界への希求など、自然と人間の万象が鮮やかにうたわれてきた。理と情の限りを尽くした膨大な詩から選りすぐった上古から清末までの五百首。精確で核心を鋭く射貫いた解釈が、漢詩本来の芳醇繊細で躍動する息吹を甦らせる。(全3冊)
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Posted by ブクログ
新編 中国名詩選 上 岩波文庫 赤33-1 著:川合 康三 出版社:岩波書店 上冊 上古、詩経、楚辞、前漢、後漢、魏晋、南朝、北朝 中冊 初唐、盛唐、中唐(柳宗元まで) 下冊 中唐(白居易から)、晩唐、北宋、南宋、元明清 上古の4詩は初めてみました 撃壌歌 十八史略、荘子譲王篇にもあり 采...続きを読む薇歌 史記伯夷列伝 麥秀歌 史記宋微之世家 接與歌 論語微之篇 最古の漢詩集「詩経」よりも上代の詩とされている 詩経は、国風、雅、頌の3部からなるが、本書は、国風と、小雅から 楚辞は、漁夫と、九辨、招隠士の三詩でさみしい 前漢 詩とは歌、飲んでまさに歌う 易水歌 荊軻 刺客列伝より 風 蕭蕭として 易水寒く , 壯士 一たび去りて 復た還らず 項羽 垓下歌 劉邦 大風歌 武帝 秋風辞 まさに、英雄たちの息遣いが聞こえてくるようだ。 唐代の花鳥風月を愛でる詩とはまた違った、素朴な趣があってよい 後漢 班固 両都の賦、張衡 西京の賦、東京の賦、南都の賦 辞賦とは長歌のことであり、民歌を思わせる恋の歌である 楽府として、詩として、歌として、人生の無常、男女の愛情と悲しみを詠う 魏晋 曹操、曹丕、曹植の三曹、阮籍、嵆康の竹林の七賢、詩の中に、老荘の風が入ってくる そして、酒。 南朝 晋王朝の南渡によって、中原が中心であった中華の文化が南へと移っていく 謝霊運、陶淵明、謝朓、沈約らが、古詩を形式化して、唐代の律詩、絶句の準備を行う時代である 北朝 モンゴル系部族の興亡が繰り返され、鮮卑による北魏、さらに東魏、文化の中原への回帰が起こり、 やがて、隋に統一していく 庾信、顔之推、盧思道が出て、骨太な文人として詩を詠う 詩としては、魏晋以後は 文選の古詩十九首 短歌行 曹操 七哀詩 曹植 詠懐詩十七首 阮籍 詠史八首 左思 飲酒二十首 陶淵明 帰去来の辞 陶淵明 地上の楼に登る 謝霊運 玉階怨 謝朓 等々 目次 はしがき 上古 『詩経』 『楚辞』 前漢 後漢 魏晋 南朝 北朝 年表1 地図1.2 ISBN:9784003700013 出版社:岩波書店 判型:文庫 ページ数:512ページ 定価:1300円(本体) 2015年01月16日第1刷発行 2023年05月15日第7刷発行
旧版に続き、新版のほうも最初から読んでみることに。 旧版に比べると、知っておくべき作品、有名な作品をこまめに集めているような感じがします。
訳も解説も読みやすくて、楽しかった。 以下、「へえ」と思ったところメモ。 ・虹は不吉なもの→何かで虹のことをそういう風に受け取る文化があるって読んだけど古代の中国だったのか……(現代は?気になる) ・「鬱」がニワウメの意味だったりやっぱり憂鬱の鬱だったりする。ニワウメが気になって検索したら可愛い花...続きを読むだし汎用性の高い薬になるみたい。 ・「風に舞う塵」という表現がでてきた。平家物語の元ネタこれなのかな?それとも昔はよく使われた言い回しなのか。 ・姑にいびられて実家にかえったお嫁さんの詩「あなたの家の嫁となるのはむずかしい」という訳に、胸をギュッと掴まれたよ。一生懸命やったのにな、かわいそうにな。 ・「七哀の詩」その一の解説、面白かった。名作映画の解説でも読んでいるのかと思った。 ・「髣髴」って「彷彿とさせる」の「髣髴」かな。簡単な字になっただけで。だとしたら魏晋の時代から残って、今も使われている言葉なのか。 ・陶淵明の「責子」好き。「阿舒はもう十六になるが、怠けぶりにかけては並ぶ者なし。(懶惰 故より匹無し)」のくだりが最高。揃いも揃って勉強嫌いな息子たちに「もー!」って思いつつ、でも可愛いがってそうな感じ、微笑ましい。 ・「やんぬるかな」ってどう言う意味だっけ?と思いながら毎回、調べずにここまで人生を送ってきたけど、これで覚えた。どうするすべもないと言う絶望の感嘆詞らしい。でも現代に生きる日本人が絶対絶命で諦めるしかない時に「やんぬるかな!」って叫んだら、仰々しすぎてまだ余裕ありそうに思える。 ・「木蘭の詩」これ、ムーランの話だよね。昔、ディズニー映画で観たぞ。伝承文芸・歌謡文芸で語られ続けてきたけど、記録された最も古い文献がこの北魏の『木蘭詩』ってことかな(ウィキペディア調べ)
岩波の新編が出たとTwitterで知り、在宅勤務中暇だったので読んでみた。なんだかんだで漢字文化圏に住む身として、中国の古典を日本語で味わえるのは幸福に思える。川合先生の現代語訳と解説も軽快で分かりやすい。個人的には赤壁賦が漏れてたのが少し残念。
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川合康三
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