【感想・ネタバレ】新編 中国名詩選 (下)のレビュー

あらすじ

中国の詩の転換は、中唐に始まり、宋代に定着する。日常のなかに生の意味を見出す白居易、苦難を越えて生きる意志をうたう蘇軾。視線は雄大な風景から身近な自然へ、内面は情念の燃焼から理性の輝きへ。さらには、新時代の予感を新たな感性で捉える元・明・清の詩。長い歴史のなかでの成熟と展開を、選りすぐった名詩を通して読む。[全3冊完結]

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Posted by ブクログ

新編 中国名詩選 下
岩波文庫 赤33-4
著:川合 康三
出版社:岩波書店

上冊 上古、詩経、楚辞、前漢、後漢、魏晋、南朝、北朝
中冊 初唐、盛唐、中唐(柳宗元まで)
下冊 中唐(白居易から)、晩唐、北宋、南宋、元明清

中唐

 後半を彩るのは、多作家である、白居易、白楽天から、元稹、李賀等

晩唐

 内部の抗争で、唐王朝は力を失っていく
 韓愈、李商隠、杜牧ら

北宋

 宋代は、国家が文化事業を後押しする、知の時代となる
 中国の詩は、古文を標準的な文体とすることで、詩史の転換期となる
 梅堯臣、欧陽脩、王安石、蘇軾、黄庭堅がその風を支えた

南宋

 1126年北宋は、金によって滅ぼされ、その金を倒した元によって、南宋も1279年に滅んだ
 宋代は杜甫の見直しを含めて、詩の見直しが勧められる。
 愛国運動の一環であり、祖国を憂い金元への対抗という意味である。
 しかし、その中心をまとめることはできず、さまざまな詩の流派に分れていく
 文天祥、楊万里、陸游、范成大、元好問ら

元・明・清

 元明清の時代は小説、戯曲といった俗文学への盛行が目立ち、詩文はすたれていく
 その中でも詩人として、名を残したのは、高啓、王士禛、袁枚等である

有名な詩としては

 長恨歌 白居易
 夜雪 白居易
 琵琶行 白居易
 行宮 元稹
 将進酒 李賀
 赤壁 杜牧
 秦淮に泊す 杜牧
 清明 杜牧
 曲江 李商隠
 初夏即事 王安石
 望海楼の晩景五絶 蘇軾
 東坡八首 蘇軾
 雨中 岳陽楼に登り、君山を望む二首 黄庭堅
 春雨三首 陸游
 胡隠君を尋ぬ 高啓 等

目次

はしがき

中唐2
晩 唐
北 宋
南 宋
元・明・清

解説──中国の詩
年表3
地図4・5
あとがき
詩人・詩題索引

ISBN:9784003700037
出版社:岩波書店
判型:文庫
ページ数:512ページ
定価:1300円(本体)
2015年03月17日第1刷発行
2023年07月14日第6刷発行

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2025年05月07日

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