塩野誠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルにあるような「力学」についての考察があるかというと疑問だが、平たく言って最近のグローバルアジェンダの多くはテクノロジーおよびテクノロジー企業と国家との葛藤をめぐる話だということが改めて整理されている。
具体的には、テクノロジー企業はどうやって大きくかなったか→それがどうやって敵国へのサイバー攻撃に使われているか→そして自国民のプライバシー管理に使われているか→そしてテクノロジー企業自体が、納税やさらには(仮想)通貨発行を通じてどのように国家に挑戦している(ようにみえる)か。
どれも、この領域に一定の関心のある読者にとっては特段目新しい情報はないかもしれないが、ではこのように網羅的に整理するのが容易かというともちろんそんなことはなく、ある程度まとまった形で勉強したい人にとっての良書であることは間違いない。
終章の、日本こそが疲弊した米国や権威主義的な中国のいずれでもない、穏やかにプライバシーに配慮したテクノロジー立国の道を進みうる、というメッセージは日本人として誇らしいがしかし、敢えていうなら著書自身が本当にそれを信じているか疑わしいというか、やや取ってつけた感があるというか、こういう誇り高いまとめが刺さるんだよね、とクールに構えている様が想像できるというか、ともかくこの本の前の各章において日本の存在感がほぼゼロなことが気にかかる。
ともあれ、デジタルテクノロジーに脅かされる日本、出遅れる日本というイメージばかりが語られ、実際生活していてもそれを痛感することばかりの今日この頃だが、思えばついこの間までデジタルテクノロジーで世界を席巻しすぎて叩かれる日本、だったわけで、その栄光を取り戻すためのあれやこれやに興味のある人にとっては十分手に取る意味があると言えるだろう。 -
Posted by ブクログ
【印象に残った点】
・戦後から復興し、高度経済成長してきた時代では、日系企業を作り上げてきた剛腕の経営者の海外を食いつぶさんとばかりの熱い競争心が日本の成長の原動力となっていた。
・近年そうした経営者が少なくなってしまった要因の一つに、日本が「まったり期」に突入したからである。
・20代のうちにチャレンジと失敗を積み上げておく。
・次の5~10年間が、日本がまだ先進国でいられる最後のチャンス。この間に、リスクの低い国内で積極的にチャレンジしてから、海外への展開へとつなげることを意識して行動すべき。
【所感】
経営者として大成する、グローバルに存在する問題の解決へつながるスキームを開発するといったことは、大多数の人にとってはあまり関係ないのかもしれない。
実際、どんな国でも資本家の方が労働者より圧倒的に少ないのだから。
ただし、少しでも多くの労働者が資本家になるビジョンをもって行動することが、国力を引き上げるように感じる。仮に、最終的に経営者や資本家になることがなくとも、それを目指してチャレンジする経験を積み上げていくことが、労働者の立場から企業や国全体の経済を好転させることにつながるような気もする。
ただ、満ち足りている今の日本でそのようなハングリー精神を持つことが難しいのも事実。僕もそうだけど、チャレンジして失敗するのは怖い。「失敗しても大丈夫」と言う人が責任を取ってくれるわけでもない。そういった不安をうまく払拭できるシステム(たとえばベーシックインカム)があると、より多くの人がチャレンジしやすくなるのかな、と思う。 -
Posted by ブクログ
2017年、新元号が決まる前の対話書き下ろし。
ハングリー&ノーブルであれ。そのための20代、30代、40代のそれぞれの過ごし方について章立てして書かれている。執筆された当時、塩野氏は40代前半、佐々木氏は30代後半で、佐々木氏が塩野氏に、目指す方向性を聞いていくスタイル。
考え方というか目指すべき人物像の指針みたいなもので、今までにいた良いリーダーからの要素抽出であったり、ハングリー&ノーブルという抽象概念であったり、具体的な一般化はされていない印象(されていたらエリートだらけになり、日本はもっとすごい国になれる)。
とにかく、日本人はチャレンジしなさすぎて隙だらけなので、40代でもハングリーで居続けた者勝ち、でもハングリーさに蝕まれちゃダメよ、ということ。推薦されている本も興味をそそられるものが多く、読んでよかったなと思う。
ただ全体的になんとなくふわっとしていて読後感がガツンと来るものではない。佐々木氏の「いいキーワードですね」という発言がやたら多い(細かいことを言うとフレーズだったりすることもある)のと、太字になっている部分を太字にする必要があったのかがやや気になるところ。
私自身は専門職に就いているが、ニッチすぎるのが将来の不安要素。仕事の大半をコンピュータに任せられるようになったり、そもそもなくなってしまったとして、次どんなことをしたいか、何を深化/進化させるか考えることをやめないようにしたい。 -
Posted by ブクログ
ハングリー&ノーブルを目指す、そのために20代、30代、40代の各年代で何をすべきか、といったことについて対談形式で述べられている。
早い時期(20代)にリスクをとって生まれ変わること、30代はリーダー経験をすること、というのは確かになぁという感じ。うまく波に乗れても、全能感に飲み込まれてノーブルを失ってはいけないという部分も納得でした。
個人的には、章末におすすめの本を載せてあるのは、発展的に勉強できるのでいいなと思いました。
個人的には、学歴はあてにならないという文脈での東大批判が目立つことはちょっと残念だったかなと思います。東大出身でも革新的な発想の人はいるし、慶應出身でも保守的な人はいるわけで、あんまりフェアな見方じゃないなぁと思わないでもない。そういうことも含めて「学歴じゃない」ってことなのかな、と思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレローカルの世界で活躍したい人よりも、グローバルの世界で活躍し、「日本を背負って戦うぞ」くらい思ってる人が読むと面白いかと。
学びメモとしては、
⑴日本が地獄に変わる前に、挑戦・失敗をし、プライドを削られ、度胸をつけること。痛みに対しての耐性をつけること
⑵⑴のようなハングリーさだけだと、悪事を働く可能性がある。だから、ノーブルさ。公のために自分の仕事ができるかといった自分の仕事への価値観を忘れないこと。
⑶⑴と⑵を同時にバランスよく育てること。
⑷そして、自分の成し遂げたいことのために、準備を周到に行うこと。他人を気にせず、自分と向き合いじっくり準備すること。
内容とは関係ないが、本の中で対談する二人が、
あの本とかあの映画とかいうだけで、話が通じるのは、
普段から二人のインプット量が凄まじいことを物語っている。