あらすじ
グローバルにつながった世界を生きるビジネスパーソンの新・基礎教養!
デジタルテクノロジーを理解せずに、世界情勢を理解することは難しい。
そして世界情勢を見ずに、産業の変化やデジタルテクノロジーの今後を占うこともできない時代となった。
・ファーウェイやTikTokはなぜ米国から追放されるのか?
・SNSによって人々の投票を操作できる世界で民主主義はどうなるのか?
・コロナウイルスの時代に人々は監視を受け入れるべきか?
・デジタルプラットフォーマーは政府の代わりになっていくのか?
・米国の衰退、中国の台頭、米中テクノロジー冷戦のなか、日本はどう生きるべきか?
ニュースではわからない、今起きている事件の「本質」を、国際政治×テクノロジー×ビジネスの歴史的視点で読み解く!
著者はフィンランド在住。エストニアやスウェーデン、ロシアなどに投資を行い、各国のテクノロジー・カンファレンスに出席する経営共創基盤・共同経営者/JBIC IG Partners最高投資責任者を務める塩野誠氏。冷戦時代のインターネット誕生から米国ITバブル、日本メーカーの栄枯盛衰、GAFAの勃興、デジタルプラットフォーマーと国家の戦いまで、ゴールドマン・サックスやライブドアなどを経験し、各国の現場に立ってきた著者が国際政治の視点で技術覇権を読み解く、日本ではこれまで語られなかったデジタルテクノロジーの物語。
エストニア電子政府とサイバー攻撃/デジタル・プロパガンダ/デジタル人民元/Facebookのリブラ構想/ディープフェイク/DARPA/VCの起源/5G問題/タックスヘイブン/GAFA v.s. EU委員会/中国2億台の監視カメラと社会信用システム/アラブの春/コロナ時代の民主主義/起業大国イスラエル/そして日本の生存戦略までーー。
国際政治とテクノロジーの点が面でつながり、ニュースが10倍理解できる!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
デジタルテクノロジー環境下における各アクターの主導権争いと、その中での将来の日本のポジショニングの可能性を感じることができた。
国際経験豊かな塩野さんの視点は興味深く、これからもウォッチングしていきたい。
Posted by ブクログ
政治や経済にほとんど興味がなく、工学系への興味関心が強い自分としては、デジタルテクノロジーという切り口で近年の国際政治を語ってくれる本書は素人にも読みやすい1冊だった。
中国の社会信用システム、顔認証によるテロリストの排除を安心と捉えるか隔離ととらえるか、ロシアIRAによる27億円をかけた大統領選挙への干渉など考えさせられるトピックが多かった。
最終章の日本がテクノロジーと民主主義のバランスをうまくやる、という未来に自分も共感するので、日々に溶け込むデジタルテクノロジーともうまくやる、ようにしたい。
Posted by ブクログ
タイトルにあるような「力学」についての考察があるかというと疑問だが、平たく言って最近のグローバルアジェンダの多くはテクノロジーおよびテクノロジー企業と国家との葛藤をめぐる話だということが改めて整理されている。
具体的には、テクノロジー企業はどうやって大きくかなったか→それがどうやって敵国へのサイバー攻撃に使われているか→そして自国民のプライバシー管理に使われているか→そしてテクノロジー企業自体が、納税やさらには(仮想)通貨発行を通じてどのように国家に挑戦している(ようにみえる)か。
どれも、この領域に一定の関心のある読者にとっては特段目新しい情報はないかもしれないが、ではこのように網羅的に整理するのが容易かというともちろんそんなことはなく、ある程度まとまった形で勉強したい人にとっての良書であることは間違いない。
終章の、日本こそが疲弊した米国や権威主義的な中国のいずれでもない、穏やかにプライバシーに配慮したテクノロジー立国の道を進みうる、というメッセージは日本人として誇らしいがしかし、敢えていうなら著書自身が本当にそれを信じているか疑わしいというか、やや取ってつけた感があるというか、こういう誇り高いまとめが刺さるんだよね、とクールに構えている様が想像できるというか、ともかくこの本の前の各章において日本の存在感がほぼゼロなことが気にかかる。
ともあれ、デジタルテクノロジーに脅かされる日本、出遅れる日本というイメージばかりが語られ、実際生活していてもそれを痛感することばかりの今日この頃だが、思えばついこの間までデジタルテクノロジーで世界を席巻しすぎて叩かれる日本、だったわけで、その栄光を取り戻すためのあれやこれやに興味のある人にとっては十分手に取る意味があると言えるだろう。
Posted by ブクログ
テクノロジーの進化と、国際政治そして国際経済の関係及び将来について、わかり易くまとめられている。
ただ読み進めていくほどに、日本の将来に不安を感じざるを得ない。、