田中文のレビュー一覧
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ネタバレ後半は喫煙やアスベストなど、公衆衛生学上の知見によるがん予防、バップテストなどによる早期発見など、本格化するがんとの戦いが描かれる。
HBVなどのウイルスやピロリ菌などの細菌による、環境因など、様々な要因によってがんが起こる原因として、細胞の分裂をつかさどる遺伝子の変異(がん遺伝子)や、暴走を制御する遺伝子(がん抑制遺伝子)の変異が明らかになり、これらは数百も見つかる。がんを起こすのは通常、こうした遺伝子一つのみの異常ではなく、複数の遺伝子が障害されることによる。一つの遺伝子異常を抱えたまま静かに増殖する細胞群の中に、2つ目の異常が起き、3つ目がおき、、、がんになる。
タモキシフェン、ハー -
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ネタバレ現役の腫瘍内科医によるがんの解説書。副題の「人類4000年の苦闘」はちょっと盛りすぎで、ここ100年のがん研究の歩みが語られる。
著者の背景を反映してか、化学療法の話がメインで手術はちょっぴり、放射線の話はほとんど出てこない。また、普通はあまり触れられないが、経済も重要なトピックとして出てくる。寄付金を集めたり、政府の資金を振り向けさせたり、研究資金を集めることも重要だ。
・ホジキンはリンパ腫について初めての発表を行ったが、その発見は全くといっていいほど相手にされず、研究からも身を引いて静かに亡くなった
・がんを一緒くたに扱う考え方こそが、がんは多様な疾患ではなく単一の疾患なのだというゆ -
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癌と人間の壮大な歴史。上下700㌻と大部だが様々なエピソードを織り交ぜて退屈しないし,しっかりした通史として学べるので時間をつくっても読む価値がある。
下巻では癌の予防の発見,癌のメカニズムの解明,そして分子生物学の進展による分子標的薬の獲得を扱う。
医療といっても科学や技術一辺倒でないのは,人々の高い関心やどろどろした既得権益を反映していて,上巻同様政治運動の側面も見逃せない。強い発癌性が発覚した煙草をめぐる論争や,新薬を切望する末期患者たちによる「悠長な」臨床試験への批判,目覚ましい効果を挙げた化学療法が幻と消えた論文捏造事件などが読みどころ。
高齢化が進みより癌への関心が深まる中で,これ -
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癌の伝記。特に医療の近代化(19世紀)以降の癌と人間の闘争の歴史が詳しく明快に語られる。
麻酔と消毒で外科手術が行えるようになり,染料研究から薬剤の合成が派生し,放射線が発見され,癌治療のお膳立てが揃って迎えた20世紀。しかし患者にとっても医者にとってもそこからが苦難の連続だった。
転移を警戒して乳房を根こそぎ切除する乳癌の手術。強力な細胞毒を何種類も大量投与する化学療法。それらがどのように発展してきたのか,このような苛酷な治療に代わるものはないのか,アメリカを中心にその模索の様子が描かれていく。
近代化を経て,癌治療は科学になったが,研究の進展には政治も欠かせない。小児癌患者を使ったお涙頂戴 -
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プロローグから、著者に関わるかなりショッキングな事情が語られる。著者の伯父2人と従兄が精神疾患の病にかかっていて、祖母はその一生を通して彼らを守り続け、父は身近に彼らの姿を見て苦しんできた。そのため、遺伝、病気、正常、家族、アイデンティティといったテーマが、著者の家族の会話の中に繰り返されていたという。そのような個人的事情をも抱えた著者が、「遺伝子」の誕生と、成長、そして未来について、物語ったのが本書である。
上巻の第一部から第二部では、メンデルのエンドウ実験による遺伝法則の発見とダーウィン進化論との交差、ゴールトンによる優生学の提唱、アメリカにおける断種手術、そしてナチスによる民族浄化 -
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ネタバレ
上・下、読みました。遺伝子の歴史の本です。
過去、遺伝子とはこう考えられていて、だんだん色々分かってきて、現在はここまでできる。将来はこうなっていくだろう。まで、記されています。
個人的には「ある遺伝子があると、ストレスに弱いが、同時に支援を受けた時に花開く。」のような、知識を求めていたので、冗長に感じました。ただ、それでも内容は面白いですし、読んで損はないでしょう。
遺伝子について学べば学ぶほど、現在の社会で言われている「優秀」というのは、狭義な意味なのだと痛感しています。教育者の一人として、自閉症や多動症と言われる発達障害は、個性の一部として認められる社会になって欲しいなぁと。 -
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