月原渉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
穿った見方をすることに慣れてしまっているということもあり、最終的な結末というか、こう言うことだろう的なものは思ったとおりだったけれど、肝心の序盤からずっとテーマであった謎たちについては、「シズカさん、もう少し頭の悪い私にもわかるように説明してくださいな」と言いたくなるほどにさっぱりで、そう言う部分を含めて、痒いところに手が届かないと言うか、座り心地が悪いと言うか、そう言った心地悪さが常にある内容だった。
時代背景だとか、世界観はあまり読んだことのないもので、想像の範疇でしか描けなかったけれど、雰囲気がとても出ていて良い。
本のボリュームの割に、読み応えのある作品だった。
シリーズ2作目と知ら -
Posted by ブクログ
『使用人探偵シズカ』シリーズの続編に見えますが、実は違う完全新作の長編です。
最初から違うって知っていたけれど、表紙とタイトルで「もしかしたら…!?」と思ってしまいました。
前作などに比べると、ミステリ色はそこまで強くなかった印象です。もしかしたらアクションなどの要素が強かったなど、沢山あるのでそう感じてしまっただけかもしれませんが…:( ;´꒳`;)
80年代の香港が舞台で、かなり闇が深い設定で自分の想像を遥かに超える世界のお話でした。
でも、九龍城の闇を読むのはかなり楽しかったです。
前半は殺人事件が起きるまで、この舞台設定がどうやって関わっていくのかワクワクしながら読めました。
嫌 -
Posted by ブクログ
あくまでも謎解きメインだった「使用人探偵」とは、かなり勝手が違う、アクションも多めのエスピオナージュと言ったところ。もちろんミステリ要素は強めで、今回は不可能犯罪ではなくフーダニットだが、あまりうまくいっている感じはない。ロジックは的確だが、犯人を絞り込む途中で終ってないか。お話の方はヒロインとそのバディの少女が魅力的で、あまり重くならずにサクサクと進むストーリーが楽しい。終盤の展開は手堅い感じ。気になるのは、描写が微妙に荒くて、表層的に感じられること。内容に比べて薄いと感じることは、「使用人探偵」シリーズでもあったから、これは作者さんの個性なのだろうけど、本作はさすがに短すぎるような気がする