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Posted by ブクログ
時代背景と言い、世間から隔絶された豪奢な洋館と言い、僅かに感じる横溝正史風味から、まずはこの謎に吸い込まれて行った。
月原渉氏の著作は先日読んだ「九龍城の殺人」に次いで、これで二作目になるのだが、とても登場人物同士の関わりと、それに伴う感情の動き、そしてその背景の描き方が綿密だなぁ。と言う印象。
鳥が鳥でいられるには、外の世界に向かって飛んでいくしかないんだよ───。
籠の鳥に自由は、手の届かない夢ってことか───。
わたしたちに人権なんてない。出荷される家畜と同じなんだ───。
本能のままに子を為した奔放な父親。そして本来なら恋に友情にと最も輝けるであろう年頃に、潤沢な資産の元とは言え、政略結婚の値踏みをされる為だけに軟禁状態の暮らしを送る娘たち。
正直、この謎のトリック自体は納得し切れて居ないのが本音ではある。纏め方の無理矢理感は少々否めない。が、不遇な彼女たちの悲痛な叫びと、それでも自由を求め羽ばたこうとするその背中にそっと手を添えたくなった。ミステリーとしての面白さは勿論、そこに浮かび上がる人間ドラマが魅力的な満足の一冊。
それにしても、双子が忌み嫌われるという古い日本の思想は理解しかねる。片方を口減らしの為にと容姿に出すやら、座敷牢やら、酷い場合は間引きだとか、正気の沙汰じゃない。そして双子を産んだ母親は畜生腹と揶揄されることもあったと言うんだから尚更驚きである。どうなってるんだ昔の日本人よ。
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