月原渉のレビュー一覧
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ネタバレ舞台は明治の横濱居留地にある異人館!父が遺した謎めいた絵を高額で買い取りたいという金持ちが現れた。条件は所持者の直系の親族が持ってくること。
集められた画家に縁のある人々は怪しさ満載でフラグがたちまくってる状況から始まる連続殺人。
しかも謎めいた絵の下層にはなぜか死んだ人が描かれていた。
明治の横濱異人館、怪しさ満載で金の匂いプンプンの集められた人々、死体の描かれた絵とその死体にそっくりな人、逃げた方がいいという匿名女とやたらと泊まることを進める館の主、フラグたちまくりの中でやっぱり起こった連続殺人!もちろん館は孤立したクローズドサークルに!犯人は?犯人の目的は?事件の真相とは???
今 -
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ネタバレ陶芸の師匠が行方不明になり、弟子達だけとなった山奥にある箱型の館。なぜか弟子達は、「何か」を失っている人達ばかり。後継者は誰か?お互い確執が生じるなか、ある事件が起きた。窯のなかで、バラバラとなった発見された遺体。でも胴体はなかった。疑問が生じるなか、新たに事件が起きる。
館で起きる連続殺人、不可解な点といったミステリーならではの楽しさがありました。ただ、ある部分だけもち去られたり、特殊で閉ざされた空間といった設定などは、既視感があって、特に驚く状況ではありませんでした。
時折、過去の出来事を挟みながら、犯人は誰なのか?興味をそそられます。
事件が起きるたびに繰り返される発言が、横溝正 -
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ネタバレ探偵役のシズカさんがいつものように、メイドとしてお館に雇われているわけではないので、少し雰囲気が違う。このシリーズは紙幅の関係もあるのか、いつも慌ただしい印象がある(わーっと事件が起きて、わーっと解決するみたいな)のだけれど、今作はそれをあまり感じなかった。物語として膨らみがあったように思う。
ただミステリ的にはちょっと苦しい。メイントリックには明らかに既視感がある。最初の殺人の特徴を箇条書きにでもしたら、その時点で真相を看破できるミステリファンは少なくないと思う。終章で明らかにされる犯人の動機は哀しいものだが、そうだとすると、その行動はおかしくないかと疑問が生じるものでもある。
叙述トリック -
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三重になっている密室の一番奥で、人が亡くなった。
現在と過去が交互に出てくるので、一体どちらが今で
どちらが過去なのか、と混乱してきます。
過去の雪の中、今の親戚の中。
変わっていないのは、見届ける側にいる
使用人彼女一人。
過去に何があったのか、今何が起こっているのか。
最後に語られれば、なるほど、とは思うのですが
そこに至るまでがもう混乱です。
そもそも儀式の時点で混乱ですが。
ここまでしてやらなくとも、というのと
これに賛同する時点で興奮状態では? と
疑いが持てます。
奇妙で奇怪で、踏み込めばそれが普通だと
うっかり認識してしまう世界でした。 -
購入済み
静かに進む推理小説
時代背景や、お屋敷に令嬢。
私の好きなテイストがたくさん詰まった作品。
だいぶ早い段階で先が読めてしまったから、推理小説としては楽しめなかったけど、物語としてはとても好きな部類。
同じ作者で館ものが何冊か出てるみたいなので、他の作品も読んでみたい。
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Posted by ブクログ
三重密室の中の凍りついた遺体、怪しげな宗教儀式、ギロチンによる人間鍵、3年前に起きた事件の再来を思わせる類似点。聞くだけで何ともそそられる内容で、相変わらず密室と首切りが好きな作家さんだと感心もする。
舞台は19世紀、多分明治ぐらい?
現代設定ならいまいち入り込めなかったけれど、旧華族とかちょっと浮世離れした世界観なら何とか理解できる範疇か。
現在の事件と3年前の事件が交互に語られる。
怪しげな宗教に心酔するのは、やはり大切なものを喪い傷ついた人々ばかり。
でも、その中心となる鏡花自身が大切なものを喪った当事者であり、喪われたものを取り戻すための手段と本気で思っているのが哀しい。
シリー