倉知淳のレビュー一覧

  • 猫丸先輩の空論

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    ネタバレ

    日常の謎系と呼ばれる,殺人事件が起こらないミステリは,世の中に多数存在する。日常の謎系のミステリは,日常で起こった少し不思議な出来事について,登場人物がいろいろと推理をしたあと,名探偵役の登場人物が真相を語るという構成がセオリーである。しかし,猫丸先輩のシリーズは少し違っている。
    日常に少し不思議な出来事が起き,謎に巻き込まれた主人公が,名探偵役である猫丸先輩に出会い名探偵の推理を聞くところまでは同じである。しかし,猫丸先輩が語っている推理が真相かどうかは分からない。猫丸先輩は真相を語るのではなく,こういう考え方もあるという説を伝えるだけなのだ。
    猫丸先輩シリーズの魅力は,真相を語るのではなく

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    2015年09月05日
  • なぎなた

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    倉知淳のミステリ短編集。二冊同時刊行の片方。
    もう一方より面白い話が多かった。
    ただしテンポは良くない。読み辛いわけではなく、作品自体の雰囲気と合っていないのだと思う。個人的に合わない可能性もあるが。
    話としては、例えば「消えた銃弾」等はとても上手いと思えるので、次回作以降に期待。
    3-

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    2015年06月24日
  • 猫丸先輩の推測

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    ネタバレ

    解決ではない。猫丸先輩の解釈である。
    それが真実かは確かめない。(確かめる話もあるが。)
    納得できればそれで良いのである。

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    2014年09月22日
  • 猫丸先輩の空論

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    久々にシリーズを再開、これで文庫としてまとまっているのはラストです。
    前巻同様、猫丸先輩が日常の謎に対して仮説程度の推理を披露する構成です。やはり推理には多少の物足りなさがありますが、一方で、謎を提起する才能を強く感じる内容でした。毎朝ベランダに置かれていくペットボトルや遠くから近づいてくる電話の着信音など、謎としての魅力に心引かれる訳です。故に推理に対しての期待値も高まってしまうという(苦笑)

    これ以後は短編集やアンソロジーにフラフラ登場する猫丸先輩を追っかけることになるようです。出来ればまた殺人事件に挑む猫丸先輩が見たいところ。

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    2014年08月04日
  • なぎなた

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    「たくらみに満ちたミステリ・ワールド」ということで、短編集「なぎなた」。全七編を収録。お話の一つ一つは確かに短編なんだけど、通して読んでみると結構な文章量がありますね。本短編集の姉妹本「こめぐら」も同時にリリースされています。

    本格ミステリの入門編を書き続ける、という作者の思いもあって、内容としてもそれほど複雑ではなく、アンフェアというものでもないのだけど、ミステリをそこそこ読んでいる人間からすると、少々物足りない。また、ちょっと話が強引かなと思わないでもない。

    個人的には収録されている一編「運命の銀輪」が面白かったですね。倒叙ミステリというもので、「コロンボ」とか「古畑任三郎」というと分

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    2014年04月20日
  • なぎなた

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    “焦れる詩織をよそに、丈史はしたり顔で、
    「これも俺は現物を見てるんです、間違いなくおっさんはサンダル履いてました。で、ここからは蓋然性の問題なんですけどーー」
    「無理して難しい単語使わないでよ」
    「別に無理してませんってーーでね、今日は土曜日でしょう、仕事が休みの人も多いはずです。休日にサンダル履きで洗剤だけを買うーーこういう行動をする人は、近所の住人である可能性高いと思いませんか」
    「そんなの判んないじゃない、休みじゃない人もいるし。普段からデフォルトでサンダル履きの人だっているだろうしさ」
    「この季節にですか?今の時期、サンダル一本槍で通す人はめったにいませんよ、爪先寒すぎです」
    「けど

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    2014年04月11日
  • なぎなた

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    猫が出てくると頷く部分が多いので、気づけば真剣な読書タイム。「眠り猫、眠れ」は胸がキュウッとなった。猫と人間の最期が巧みにリンクしている秀作。
    あとがきの“ねこちやん”には微笑ましいやら可笑しいやら、気持ちが和むw

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    2014年03月18日
  • 猫丸先輩の推測

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    だいぶ間を開けてしまいましたが猫丸先輩シリーズであります。講談社文庫に移り、挿し絵がついております。個人的に雰囲気は創元推理文庫の方がすきですが(苦笑)
    短編は全て日常の謎系。正直、結論にもう一捻り欲しいかな、といった感じです。解説にもありましたが、ゆえに『推測』なんだと。確かにこの発端が全ての日常の謎系の下地にあるようにも思うので、価値あるものだとも思います。

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    2014年02月27日
  • 占い師はお昼寝中

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    インチキぐうたら占い師が客の悩みから推理を働かせ、悩みを解決させる助言を行う。

    ミステリーとはいえ殺人みたいな血なまぐさい話はなく、どちらかというと緩い雰囲気で進む話。
    基本的に主人公が自室で推理する安楽椅子的な話なので動きは少なく、姪の女の子がいいアクセント。

    本格ミステリー好きには物足りないだろうが、気軽に読むにはいい話。
    ちょっと主人公の推理力がエスパーレベルな気もするけど…

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    2013年11月12日
  • 占い師はお昼寝中

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    占い師に持ち込まれる事件を、心理学的に解き明かす安楽椅子探偵ものです。
    全体的に緩い雰囲気で、日常の謎を煙に巻くような推理が楽しいです。それなりの巧さや面白さはあるものの、予定調和な真相ばかりだったのでやや物足りなかったです。

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    2013年10月01日
  • 猫丸先輩の推測

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    短編集
    最後に2作は、何処かで読んだ記憶がある
    何処で読んだのかな
    雑誌にでも連載していたのかな
    思い出せない

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    2013年06月20日
  • 占い師はお昼寝中

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    寝てばかりいるというのは羨ましいけれども
    それが冷房も暖房もない部屋だと言われると
    このごろ、蒸し暑くて眠りが浅くなりがちで
    睡眠不足気味なので
    ちょっと違うような気がする

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    2013年06月11日
  • 壺中の天国 下

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     相変わらずの日常ほのぼの系に見せかけて実はブラック。

     携帯が出ないと、2000年以前の話と特定できる時代なのね。
     うーん。たとえば明治時代の小説を読んで古いというより「この時代の小説なんだ」と思うくらいには昭和は遠い。

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    2013年05月06日
  • 壺中の天国 下

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    のどかな町で起こる連続殺人と謎の怪文書。
    登場人物が皆、個性的で、ミステリーだけれどのほほんとした雰囲気。

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    2013年02月12日
  • 壺中の天国 上

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    ネタバレ

    ラストはある意味裏切られました。結局それで通すのか! と(笑) 「狂った論理」で一本筋を通してしまったのはお見事。

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    2013年01月10日
  • 壺中の天国 下

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    面白かった。個人的にはいつ、猫丸先輩があらわれ「いやぁ、面白い事件じゃないかお前さん、で、あくまで推測だけど、犯人の特徴は・・・」と語ってくれるのを期待してしまいました。
    また、ミステリー好きならすぐ分かる、被害者のもう一つの共通点をあえてトリックに使わないのは流石でした。

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    2012年11月10日
  • 占い師はお昼寝中

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    怪異・偽の在り方について考えさせられた。それを推理で解決していくのは快感。「偽物語」に感銘を受けているだけですけれど、、、。

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    2012年09月17日
  • 壺中の天国 下

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    謎解きには正直「えーーーーっ」と声を上げてしまいたくなった(笑)。
    これで終わり? とも思ったし、本格ではないじゃない、とも思った。

    けれど、読み終えるとすべてがいかにも倉知さんらしい。
    面白くないことを面白く。愉快でないことを愉快に。
    さすが「天然カー」と言われる倉知さんである。

    タイトルの『壺中の天国』のたとえが、この作品をよく表していると思った。
    誰にでも、自分だけの「壺の中」がある。それを倉知さんが描くと、こんなにも愉快だ。

    「面白がる」ということは才能なのだな、とこの作者の本を読むとよくわかります。

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    2012年07月02日
  • 壺中の天国 上

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    読めば読むほど「いったいどうなるんだ?」と首をかしげる角度が深まってくる。

    詳しい感想は下巻にて。

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    2012年07月02日
  • 壺中の天国 上

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    「殺人が起こるたびに撒かれる電波系怪文書!?」

    理由の分からない殺人が起こり始め、のどかな町が一転、出歩くのも恐ろしいゴーストタウンのようになってしまう…と想像するのだけど、この上巻では殺人は起こるものの、主人公達にとってはまだ他人事。それほど緊迫感はありません。

    のどかな町、それに伴う日常といった描写が多いので、あまりミステリを読んでいるという感じがせず、主人公が盆栽好きのシングルマザーということもあって、「人が殺されたんですって。怖いわねえ」という雰囲気の中、話は展開していきます。

    人が殺されるたびに、大変読みにくい怪文書が撒かれます。どうやら犯人はある種の妄想に取り憑かれているよう

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    2012年03月31日