高橋ユキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画「あんのこと」を観て、入江監督と高橋さんの対談記事を読んだことからこの本に辿り着いた。
全編を通して、高橋さんの恐れ知らずの行動力には驚かされる。
村の中では誰もが陰口の対象になっていて、まさに死人に口なし、もはや誰の発言も信じられないような状態である。都会でも毎日噂話をしている人はいるけど、田舎では人口が少ないから煮詰まってしまうのだろうなと感じた。
田舎の人間関係の距離感が合うか合わないか、合わないときに引越しできるか、引っ越しできないときに相談相手がいるか、相談相手がいなかったときに自力で医療・福祉にたどり着けるか…すべてがNoだった故の悲劇に思えた。 -
Posted by ブクログ
独特な風習や小さなコミュニティ内での暗黙の了解は第三者の目線からは異常そのものだが、その異常性に気がつかず当然の摂理かのように振る舞う姿は言いようのない恐ろしさがある。
だが、その小さなコミュニティだけが彼らの世界であり常識であるため悪意などはなく、まさしく住む世界が違うという言葉が当てはまる。
この村ほどではないが、地方や過疎地域では似たような状態なのが実情であり、現代日本が抱える問題を端的に表しているようだった。
また、本作は元々noteで連載していたものを文庫化し、その際に加筆したらしいが明らかに取材不足で行き届いていない部分が多く、後半になるにつれてクオリティが低くなるのが残念。 -
Posted by ブクログ
2013年7月、山口県の限界集落で事件が起きた。
5人が殺害され、家が2軒放火された。
それだけでも大きな事件だったが、犯人と疑われ、事件後、行方不明となっている男の家にあった貼り紙が世間を騒がせた。
つけびして 煙り喜ぶ 田舎者
「つけび」という言葉が放火の犯行予告なのではないかとささやかれたのだ。
本書はこの事件を追うルポである。
著者は元々は裁判の傍聴マニアだった。ブログが書籍化されたことからノンフィクションライターとなり、以後、凶悪犯罪の刑事裁判を傍聴してそれをリポートするようになった。さらには、傍聴に加え、被告人と面会や文通を重ねて、事件を総括する形をとるようになる。
こうした書 -
Posted by ブクログ
偉そうなこと言うようだけど、このルポが事件をどのように書こうとしたのかよく分からなかった。
いや、ちゃんと著者によって、復讐もいじめもないのだが、そうと取れるうわさによって元々あった精神障害が亢進して引き起こされた大量殺人事件だったのだと、書いてはあるのだが…
実際に10人足らずの村で生活していたらどうなるのだろう、こうなることもあるのだろう。
いつかは田舎に移住して、なんて考えたこともあるが、行ったら最後、もう戻れなくなる日常は、やっぱり諦められないな、なんてことを思った。
おそらく、上告棄却され死刑が確定してしまった犯人と、もっと何かをすることで自分の犯した罪を認識し向き合い煩悶する時間を -
Posted by ブクログ
著者の淡々とした文章が好き。冒頭の小説家の方との対話が面白かった。小説家から見たノンフィクションとは、、このルポを読んで、現実のあり得なさに(多分悔しくて?)泣いた、と買いてあって、面白いなあと思った。事実は小説より奇なり、、フィクションだったらありえないだろーって言われるような展開が現実だとあるのが面白い。
こうゆう犯罪もののルポって、ここでこんなもの食べてました、とか急に身近で現実感があるものが登場するのが面白いと思う。犯罪者がどんな心理でその行動を起こしたのか、ということに興味があってノンフィクションを読んでいるので、人間ぽい一面がみれると、その心理が少し分かったような気持ちになる。 -
Posted by ブクログ
著者の取材の過程が綴られてるだけで、何か大きな事実が明らかになるわけではないけど、限界集落の気味悪さがリアルに伝わってくる。多かれ少なかれ、田舎だけではなく限られたコミュニティってこういう気味悪さがあるなあと。こっちの言ってる常識が伝わらない、自分たちの常識の中で生きてるって感じ。一体誰の言っていることが本当なのか、、モヤモヤした気分になりながらも、携帯も繋がらない、夜になると真っ暗になる限界集落に、著者である女性が何度も一人で訪れる描写にゾクゾクしながら読み進めてしまう。
犯罪もののノンフィクションというより、閉鎖された田舎の怖さに関するちょっと特殊なルポって感じ。
あとがきが良かった。「う -
Posted by ブクログ
前半は2018年当時けっこう話題になった今治の開放型刑務所を出て瀬戸内の島に潜み海を渡った例と、富田林署を出て自転車旅を装っていた例が紹介される。これがめっぽう面白い。どちらも飄々と巷を移動していく。つかまりそうでつかまらない強運もあるのか。潜伏先の島の人々や接点をもった人たちが両例の「脱走犯」たちのことを、ある種の親しみをもって語るのも印象的。そして、捕まるときはわりとあっけない。
彼らによれば逃げたのは刑務所での扱いが不満で理不尽なものだったからだという。それはこの両者の例の後に紹介されている昭和の脱獄王・白鳥由栄も同じ。こういう動機によるものか、いやそれが明かされる以前から妙に人々は彼ら -
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ネタバレ2013年7月21日山口県周南市・須金・金峰地区の郷集落で2件の火災が起こり、3名が死亡した。翌日になるとさらに2名が殺害されていることがわかった。合計5名。5名と親しかった女性一人は生存。被害者女性の夫は村外に旅行に出ていて難を逃れた。
村に住む一人の男の行方が知れず、重要参考人として捜索が行われる。山中で発見し逮捕に至る。
当時マスコミは村でのイジメが動機であるとして報道した。実際にイジメがあったのか実際に現地に出向きインタビューと村の歴史から事件の全体像を探ったものである。
20190617最高裁最終弁論
20190711最高裁判決・上告棄却(死刑確定)
夕方から被害者遺族3名の記 -
ネタバレ 無料版購入済み
ルナリア姫が壊れかけていて
うーん、ファザコンっぽいですね。その辺は1話にもちょっと出てきていましたが。
また別の魔術師が来て、こちらはもう少し高級な?魔法も使えるようですが、金食い虫では…………姫がんばって欲しいですね。