【感想・ネタバレ】つけびの村のレビュー

ユーザーレビュー

購入済み

一気に読んでしまった

hokuro 2020年01月09日

お正月に帰省先の限界集落で
一気に読みました。
おどろおどろしさの漂う事件のことを書きながら、
淡々と事実を述べていき時々心情を漏らす、
著者のバランス感覚がとても好きでした。
サブカル中年のふりをして
ある場所に取材に行くシーンや、
取材の中で村人と心を通わせる瞬間など
全体的に緊...続きを読む迫感がみなぎっているものの
そのムードに溺れない著者の強さが感じられ
読んでいるうちに「この人は信頼できる」と
思えました。


このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年05月18日

最後まであっという間に読んでいた。これは本当にフィクションなのだろうか、実際の事件を元にした、よくできたノンフィクションでは?と何度か思ってしまった。この取材が、たくさんの人の「うわさ話」や「世間話」で構成されているからなのかな?
「事件がどうだったのか」以上に、「なぜこの場所でこのような事件が起こ...続きを読むってしまったのか」ということへ取材が広がっていき、最後はどんな結論になるのだろうか、と興味深く読んだ。取材が進めば進むほど、今まで見えていた面とは違う面へ光が当たり、何が正しいのか訳が分からなくなってくる。なかなか複雑な感情が渦巻いて、読後もうまく飲みくだせないまま、まだ考えている。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月29日

記憶の中にある事件の真相とはいかに

《事件》はおこった時にニュースやワイドショーで
連日 目にするが 犯人と直接話せるわけでもないのでコメンテーターが憶測でものを言う
真相はわからないまま
今日は昨日とは違う事件がテレビを賑わせている
世間に注目されていたものは
しばらく経って 判決が出ましたと報...続きを読む道するが
本当のところ こちらが知りたい犯人の心の内までは
やってくれるテレビ番組もない

どちらにしてもわからないことばかりだけれど
立ち話なんて普通にするし
いない人の悪口を言ってるなどと
思われても 弁解のしようもない

つけびの村では 昔ながらの因縁のようなものが
あったのかもしれないが
狭い集落だからからこそ起きてしまった気がしてならない

ネットのない生活なんて考えられない
娯楽がないと考えは凝り固まってしまうのかもしれない

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年04月23日

2013年7月山口県周南市の集落で起きた放火殺人事件。わずか12名の暮らす山村で5名殺害。犯人の住人、不可解な事件を法廷マニアのフリーライターが追ったルポ。

殺人事件と動機。この事件についても不可解なままの死刑判決。妄想障害もあっただろうが真相はわからない。

日本のムラ社会におけるウワサ話と悪口...続きを読むの負の部分が象徴的に現われた事件なのだろうか。

結局、謎は謎のまま終わる。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年03月23日

書店で並んでいるのを見かけ、気になったもの。十数人しか人口がいない山間の村では、人間関係が極端に重要な意味を持つという、理解は出来ても実感は出来ないそんな事実が、迫真のものとして突き付けられてくる。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年03月12日

多くの人が今も覚えているであろう某殺人事件が起きた限界集落を取材したノンフィクション。事件の真相に迫る!っていう感じではなくて、主人公はあくまで村。住民数名のその村の、都会とは違う常識がはびこる様子と、独特なうわさ文化。やっぱり小説より現実の方がよっぽど怖いし、理解に苦しむことなんか山ほどある!と実...続きを読む感した。あと地方の村だけでなく、日本のノンフィクションそのものも衰退しつつあるという嘆きも書かれていて、そこにも危機感。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年02月24日

犯人の妄想から5人を殺害したという。妄想なので、丹念な取材がないと一見根拠が分かりづらい。当初は短絡にいじめという報道もあったようだが、噂話なんてどこにでもある。社会的に孤立した中で些細な事からも妄想を膨らませ続け、経済的な困窮も相まってある日その糸が切れてしまったのだろう。ワタルの脈絡のない捏造疑...続きを読む惑や、たっぷり溜めた村人が語る事件の真相が祟りだというところは肩透かしがあったが、脚色のないノンフィクションだということだろう。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年01月23日

高橋ユキさんの『つけびの村』再読。
2013年、山口県周南市の山あいの集落で起きた連続殺人放火事件。ライターである著者は事件がどのようにして起きたのかを追い求め、限界集落と呼ばれる閉鎖空間に住む人たちに話を聞き、容疑者とも何度も面会し、事実と、事実と異なるうわさとを丹念に切り分けていく。
起きてしま...続きを読むった凄惨な事件だけを取り上げるならば、都会からUターンしてきた若者(といってもその時すでに40歳を超えていたようだが)が閉鎖的な集落になじめずに孤立し、取り返しのつかない道を選んだ結果起きた事件ともいえるが、高橋さんの取材により、時代や地域性を含めた複雑な背景によって引き起こされたことはわかる。
この事件の恐ろしいところは、容疑者が集落の人々のうわさを発端として行動にうつしていることだけではなく、事件を知った世間があることないことをうわさとして拡散し、事実が見えにくくなっていることだ。舞台は単なる山あいの小さな集落なのではなく、広く世間一般なのだ。一度流れたうわさは、それが真実かどうかが見極められることなく拡散されていく。
容疑者が選択した結末には行かないにしろ、玉石混交の情報がつぶさに取れる現代は、同様のことがいつ起きるともわからないのだ。末恐ろしい。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年01月20日

覚えていますか?6年前に周南市の山奥で起こった5人連続殺害放火事件のことを。「つけ火して…」の俳句のような貼り紙もあり「平成の八墓村」などといわれた事件。著者は限界集落の現地へ繰り返し訪問して生き残った村人たちに聞き取りを繰り返す。村に渦巻く噂の数々や犯人の生い立ちを調べる。
丹念な聞き取りの結果に...続きを読むよるレポートは、とても読み応えがある。事件の現場となった山奥の限界集落も、昔は華やかな祭りがあり、多くの子供たちで賑やかだった。そんな歴史を掘りおこして書いてくれことも、山口県人としては嬉しい。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月20日

ノンフィクション好きだが、これだけ足を動かして取材した本は久しぶり。作者の熱意がよく伝わる。つけ火して〜が気になる人はぜひ。この文章の意味だけでなく、ほかの俳句?もすごい。精神障害とはなんぞやと考えさせられる。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年12月13日

noteで購入して読んではいたが、追加取材による加筆部分もあり、パラパラとめくってみて読みたいと思ったので改めて購入。

内容は…背筋が凍ります。事件そのものというより、閉鎖的な集落の〈うわさ話〉に。それがものすごく気持ち悪い。
都会の人にはピンとこないかもしれないが、田舎のうわさ話の広がる早さった...続きを読むら想像以上だ。ネットより早いかもしれない。百歩譲って真実ならいいが、そうじゃないことの方が多いから始末が悪い。皆が皆、味方であり敵。目立ったことをすればすぐヤられる。よそ者や成功者は恰好のマト。だから「上手いこと」やらないといけないのだ。妄想性障害を発症していたワタルには、その辺のやりくりが困難だっただろうと推測する。

読んでいて諸星大二郎の『黒石島殺人事件』というマンガを思い出してしまった。村人たちの共同幻想や、殺人事件だというのにどこか他人事で曖昧な感想しか口にしない点など。刃物で人を刺しても、酔った席でのことじゃけんで済ませちゃうような?

小さい子供さんがいたのに遠くまで足を運び渾身のルポを完成させた著者に敬意を表します。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年12月11日

3.5
山口連続殺人放火事件の真相を追うお話。
事件に関しては大きな真相でもなく、でも田舎の孤立した集落の独特の雰囲気が非常に怖い。

精神疾病がからむ判決についてやっぱりおかしなところがあるなと私も思っている。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年12月01日

村で起きた凄惨な殺人放火事件。
具に取材を重ねると、また違った顔が見えてくる。
ここで描かれる村の、村人の姿は決して特殊なものでは無い。
社会は、特に閉鎖性の高いコミュニティは、潤滑油として残酷さを孕む。
この本は、その遣る瀬無い実態を詳らかにしている。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年12月15日

『赤旗』日曜版で紹介されてて、興味を持って読んだ。某ショップサイトのレビューでもけっこう辛口評が見られるが、自分はそれなりに面白く読んだ。著者が言うようにノンフィクションのスタイルとしての試行錯誤も、本書の欠点にはなっていないとと思う。「古老の巻」(この章が実に興味深く、引き込まれた)が、実は複数人...続きを読むへの聞き取りを架空の1人の人物に仕立てて書かれているのも斬新だし、足を使ったフィールドワーク(村の歴史や祭りの考察)、丁寧な聴き取りはルポルタージュの真骨頂だと思う。星マイナス1は、やはり若干文章に些末な箇所があるのと、(気が早いですが)次回作に期待を込めて。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年05月25日


2013年、山口県の小さな集落で起きた連続殺人放火事件のルポ。

都会から故郷へと戻った男は、なぜ5人もの住民を殺したのか?

結論から言うと目新しい事実は出てこない。しかし、田舎特有の排他的で、少しのはみ出し者が孤立を深めていく様子がありありと想像できた。

事件のあった金峰地区は当時、8世帯1...続きを読む4人しかいない。すぐに噂話は真実かのように広まる規模だ。
井戸端会議のような雑談でも、マジョリティ=大きな声となり集落の中ではスタンダード化していく。

住民と馴染めずにいた男は、そうした周囲の声に不安を覚え、自分への敵意であると妄想を強めていったようだ。
救いの手を差し伸べてくれる仲間は1人もいない。どれだけ孤独だったことか。

死刑囚となった男は“妄想性障害”を患っていたと推定されている。事件が起きる前に救える手立てはなかったのか、考えさせられた。

残念だったのは著者の取材姿勢。取材に応じてくれた瞳の大きな遺族男性を「出目金のよう」、事件と関係がない住宅の外観を「不気味」、と表現するなど失礼な書きぶりが目立った。

傍聴マニアとして重ねてきた経験から、刑法39条「心神喪失者と心神耗弱者の責任能力の規定」に関して問題提起するなど、高い倫理観を備えている方だと思っていた。それだけに余計、残念だ。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年05月05日

田舎に限らず噂話の怖さは、それが真実かどうかなんて大した問題ではないということにある。
そこに精神を患った人が、真実かどうか聞く耳持たずに思い込みで妄想を膨らましていったことで悲劇が起こった。取材によると噂はあったらしいが、きっと娯楽ぐらいの感覚だったのだろう。ただ空気が読めない男が孤独感を募らせ、...続きを読む他人のせいにしないとやっていけなかったのか、妄想の世界にいる人物が真相を話すことはない。何とも言えない気持ちになった。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年04月15日

下世話だけど、まずタイトルが秀逸。報道を覚えているものならば、「あぁ」とつい気になってしまう。
いわゆる事件の真相が明確に明かされるわけではない。とはいえ、聞き取り調査をもとに一つずつ事実が積み上げられていく様に、先に先にと頁を繰ってしまった。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年04月08日

「平成の八墓村」と騒がれたこの事件。「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」の張り紙が不気味で、本当に横溝正史の小説みたいやなぁと思ったのを覚えている。もう7年前の事件なのかぁ。
村八分にされた犯人が復讐のために5人を殺した事件だと記憶していたけど、著者が村で地道な取材を続けていくうちに、村八分の事実はなか...続きを読むったことがわかってくる。代わりに、次から次へと出てくるうわさうわさうわさ……。そのうわさが犯人の妄想性障害に拍車をかけ、凶行へと走らせた。5人の命を奪ったことは許されることではないけど、人のうわさ話(悪口)しか娯楽がないような閉鎖的な村で、都会から帰ってきた犯人はさぞ生きづらかったことだろうと思う。精神が病んでしまう気持ちはわかる。
事件の話とあわせて、村の歴史や、限界集落の現在なども語られていて、なかなかおもしろいルポルタージュだった。
グーグルストリートで、まだこのつけびの張り紙を見ることができる。ゾッとした。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年03月21日

事件当時から不気味な印象がありました。
「うわさ」をきっかけに取材した本書。
本当の「うわさ」は事実であった。

この集落だけではない「風習」が各地で
あるんやなあと思う。都会、田舎関係なく。

面会を重ねるうち、被告の「妄想」に辟易
していき、途中で止めてしまう。
なのに、死刑判決が決まりそうにな...続きを読むると
被告の立場を気にする。
最後まで事件と向き合うなら、逃げては
あかんやろ、と思った。

蛇足
ストリートビューで集落の様子が見れます。
被告宅の「つけびの貼り紙」も残ってるのには
驚きました。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月07日

正直、一冊の書籍にまとめるほどの内容ではなかったように思う。

男が持っていた妄想性障害が人々の噂によって悪化し、起きた事件。ノンフィクションの難しさだが、当初筆者が思い描いていた「村人のいじめに耐えかねた男の復讐劇」という筋がネットに流布するデマに過ぎなかった時点でスケールはだいぶ小さくなってしま...続きを読むった。

背景である寒村の閉鎖社会の有り様を丹念に描いていて薄寒さは感じるが、本筋に関係ない祭りの描写などは頁稼ぎにしか思えなかった。事実に誠実に向き合おうとする姿勢は好感が持てる。

このレビューは参考になりましたか?