こうして戦争は起こる、ということを描いた巻。
みじめに地面を這いずり回るしかなかった人々が空を見上げ始めた時、それは自信に変わり自分自身を外へ膨張させていく。それはやがて他者への優越感へと変わり、指導者によって少し煽てられただけで人々は舞い上がってしまう。
そして大義を差し出されると、その誘惑にはどうしても勝てず、その大義を旗印に新しい秩序を求めて戦争を選択してしまう。
指導者だけでは戦争はできない。やはり国民もそれを望んだときに戦争は起こる。
過去、日本もその道を選んだが、現在は日本の近くにそのような国がいくつか存在する。