府川由美恵のレビュー一覧
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購入済み
わかりやすく、面白い。
小説の中では全て登場人物たちの感情が先にあり、その結果、行動や出来事があるということが、とてもわかりやすく解説されていて参考になった。読者は『なぜ?』『なにが起きた』のかを知りたいわけで、このことから、時系列を事細かに追って書く必要は無い、ということに気づいた。
それと、途中で映画『羅生門』を引き合いに出していた部分があるのだが、内容が芥川の『藪の中』のようだったため、疑問に思って調べたら、初めて黒澤明監督の『羅生門』は『藪の中』と『羅生門』をかけ合わせた内容であることを知った。
また、感情が存在しなければ全てが中立となり、取捨選択が出来ない、というのは興味深かった。 -
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Posted by ブクログ
この本を読み始めてから007を観直したくなり 他のスパイ映画に手を出してみたいと思った
翻訳小説を読むのが初めてで読み始めは抵抗があったものの簡潔な文章に次第に魅力を感じた
長い間主人公("おれ")のスパイであることへの葛藤やスパイを辞めれば訪れるであろう"普通の"生活への憧れや一種の侮蔑が語られ そういった中で仕事を進めていく
だが最終章一歩手前からそれまでジワジワだったのが一気に核心に迫り、黒幕が薄々予想できそうになっての ある種潔い終わりで非常に没頭して読めたし楽しかった
ワインを飲んで浮いた頭で最後をぐわーっと読んだのは少々もったいなかったかもし -
Posted by ブクログ
『アイスウィンド・サーガ ―暗黒竜の冥宮』 からの続編
前作で、ブルーノーの故郷ミスリルホールを探し出したドリッズト一行。
しかしミスリルホールは邪悪なドワーフ種族デュエルガーとブラックドラゴンの住処となっていた。
からくもミスリルホールから脱出を果たした一行であったが、戦いのなかでブルーノーはブラックドラゴンとともに燃え落ち、ハーフリングのレギスは盗賊ギルドの暗殺者アルテミス・エントレリに連れ去られてしまう。
レギスを助け出すため、バーバリアンのウルフガーとドロウのドリッズトは、ブルーノーを失った悲しみにくれながらエントレリのあとを追いかけるのだった。
ドリッズトとエントレリ、好対照な二 -
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Posted by ブクログ
ロシアのプロップがおとぎ話の構造を分析したツールの紹介や、物語の細部を豊かにする環境的事実のツールを紹介。最後のチェックリストのところに予算の話が出て来て、確かにと思う。どんなに素晴らしい物語でも作る費用と想定される収益が見合わないと作れないしな。物語作家もそう言うそう言う観点を最終的に持たないと辛いよな。しかしロシア人もそうだが、こう言う構造的な理解や分析を示して一般化するのは欧米人は上手だよなと思う。ロシアを欧米に入れていいのかと言うのもあるが。ロシアは文学の巨大国家だし、蓄積もあるのかな。物語りを良くするために適切な問いを投げかけて行くのが大事だと言うようなくだりもなるほどと思った。こう
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Posted by ブクログ
2022年2月刊(2013年9月に邦訳が出版された『物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』を改題・一部再編集の上、二分冊化)。ハリウッドで、映画会社に持ち込まれた映画脚本の査読、映画のストーリー開発、映画脚本の執筆などを手がけてきた二人が、面白いストーリーとは何か? を解き明かしていく一冊。この筆者たちの本は初読み。
現在、某創作講座を受講中なので、参考になると思い、取り寄せ。全12章からなり、「テーマの大切さ」「登場人物に持たせるべき、"求めるものリスト"」「観客との契約」「ドラマに両極の対立を持ち込め」「英雄の内面的な旅路について」「キャラクターが -
Posted by ブクログ
上巻に続き、読みました。下巻はこの本で言うところの、「環境的事実」について。舞台設定についての分類がなされてます。
あえてこの本の難点を言いますと(いや、気にならない程度なのですが。。)翻訳の言葉が、ハリウッドやエンタメぽくなく、頭にスっと入ってこない、腹落ちしない気がします。。
上巻に、映画の配役には「相互アクション」が大事、みたいな章があるのですが、おそらく(原文を見たわけではありません。。。)「インタラクション(interaction)」でいいのでは??? この「環境的事実」と言う言葉も、なんなんすかね。。原文がわからないのですが、もうちょいわかりやすい言葉にした方がいいんではないか。。