川上量生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
川上さんだからジブリ側も許可したんだろうな、と感じた。ガチガチの理詰め人間が場の空気読むことなくクリエイターを質問攻めにして煙たがられる光景が目に浮かぶ。その質問の切り込み方がクリエイターとして絶望的にセンスないんだけど、2年間ジブリの現場に滞在して咀嚼した後の言葉がうまいと言うか、説得力ある落とし込みになっているので読む価値はあった。
<優れたクリエイターは理論か?感性か?>
・結論は両方。優れたクリエイターは皆、理論武装もスゴいが、最後は感性で判断している。
↑当たり前だよね。料理人はレシピや調理器具というマニュアルをマスターしているが、最終的には味の微調整も盛り付けも感性が問われる。
<天才とは>
宮崎吾朗さんと米国の制作現場を見学した時に出した結論としては、
天才は「自分のヴィジョンを表現してコンテンツを作る時に、どんなものが実際にできるのかをシミュレーションする能力を持っているヒト」とのこと。
米国ではこれをスタッフ全員でボトムアップ式にお金と手間暇をかけてやるが、予算の乏しい日本ではひとりの天才がやるので結果的に安上がりであると。これができるから日本のアニメは米国に対抗できている、とも言えるが、優秀なクリエイターが安い人件費のアニメ業界にそもそも集まらなくなっているという。天才を安く買い叩いていたからこそ日本のアニメ界が世界と戦えてた、だなんて悲しすぎる現実。手塚治虫さんらのレジェンドらが安く請け負ってしまってたのが始まりだろうけど、こんな状態だから若い才能が他の産業に行ってしまったり、テンセントなどのITジャイアントのエコシステムに引っ越したりするんだ。
<オリジナリティとは>
・脳のヴィジョンを再現する時に偶然できたもの
・デタラメ要素入れて意図的に生み出したもの
・自分だと生み出せない要素をパッチワークで”奇跡”的にできたもの
・既知パターンを分解して再構築した新しい組み合わせ
<コンテンツとは>
・コンテンツとは「双方向性のない遊び」をメディアに焼き付けたもの
・コンピュータの登場で、ゲームやウェブサービスでは双方向性が加わり、「遊びをメディアに焼き付けたもの」と言える
↑これについてもゲーム、ウェブサービスもゲーミフィケーションをベースにしたUXをどこも重点置いてるよね。 -
Posted by ブクログ
ジブリの映画制作の裏側に迫った内容です。
宮崎駿や鈴木敏夫といった製作者本人ではなく、現場を知っている第三者の視点で語られているのが良かったです。
本書で語られている「コンテンツ=現実の模倣」とは考えたことがなかったですし、導入部ではちょっとした違和感もありましたが、詳しく聞いていくと「なるほど」と思いました。
「大衆受けするもの=癖がないもの」「万人受けする美男美女の顔=特徴がない顔」というのも、現実の世界を思い返してみれば、ものすごく納得できました。
特に共感したのは、宮崎駿や鈴木敏夫が映像重視で作品を観たり、作ったりしていることです。
何を隠そう、私自身も映像作品は映像重視なので非常に共感できました。映像作家の中には、ストーリーが大事だという人(大根仁)もいれば、世界観が大事だという人(押尾守)、音にこだわる人(庵野秀明)もいて、どの監督の話もおもしろかったです。 -
Posted by ブクログ
KADOKAWA・DWANGO代表取締役会長でスタジオジブリ見習いプロデューサーの
川上量生氏によるインターネット解説本です。
分かりやすいことは分かりやすいのですが、難しいことは難しいという感じ。
ネットを利用する人と、ネットに住んでいる人(ネット住民)という分け方は
なかなかしっくりきました。
完全に言い得ているわけでじゃないとは思うけど、それありますな、という感じ。
さらに、最近ではデジタルネイティブなる第三の種類の人がいるわけでした。
また、
優れたリーダーがコントロールするシステムと
各部分がばらばらに自分の判断で動くけど
なぜかうまくいくシステムとがあるという解説のところがよかったです。
後者は自律分散システムと呼ばれていて、
これこそ、今の自分の職場で強いリーダーがいないがため採用すべき方式のように思った。
優れたリーダーが統治するシステムと自律分散システムは、
三国志でたとえるなら、前者は魏(曹操)であり、後者は蜀(劉備)というイメージです。
ネット世界のビジネスのこれからにおいて「プラットフォーム」と「独占」がカギです。
これは先日読んだ『ZERO to ONE』でピーター・ティールも同じことを言ってましたし、
僕がこれまで読んできた中では、『ITビジネスの原理』だとか、
佐々木俊尚さんの著作ですとかで同じような解説がありましたねえ。
というか、それらを読んでいたからこそ、
今回この本の内容にもなんとかついていけたような気がします。
ネットでの無料化の是非や、コンテンツの大事さについての論考、
さらにビットコインの説明
(これは読んでいてもなぜ投機対象になるのかはっきりわからなかった)、
オープンかクローズドかその趨勢、などなど
興味深いネット世界のこれからの見通しが詰まっています。
川上氏ならではのITビジネスなどの細かい部分での情報もありそこも面白いのですが、
全体を通して振り返ってみると、
インターネットの知識の底上げにいいかもしれないなあと思える本でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレカドカワドワンゴの川上さんとケイクスの加藤さんの対談本。
川上さんはもちろんだけど、加藤さんも相当頭良いオタクだなという印象。とにかく二人の思考の切り口とバックグラウンドにある知識の量が面白くて笑けてくる。
とにかくアタマが刺激される良質な一冊でした。
・ニコニコ超会議はあとから振り返ると意味があった。mixiは終った感でたけど、ニコニコはやってる感出せた。
・カドカワドワンゴの経営統合に関して、任天堂を引き合いに出して、プラットフォーム自身がコンテンツを作るべき。コンテンツを作らないプラットフォームはコンテンツが安くなる。地獄になる。
・論理が多くなればなるほど現実を正確にエミュレーションしやすくなる。その過程で何とか論理を成立させようと無理矢理考える。詭弁になったらだめなのでビジネス的にも成立させようと頑張る。
ストーリー戦略のストーリーはこじつけ。
・クリエイターが増えれば増えるほど多様性は失われる。ラノベのストーリーの話。
・才能とは希少性
・インターネットは多様性を失わさせる
・オタクって「敵にまわすと恐ろしいが味方にすると頼りない」
・孤独は形質じゃなくて状況。なので希少性にはならない。
・論理の後付けの事例:ヨーロッパのスコラ哲学。神は存在するという前提で理屈を考えた。
・文系の論客は言葉は道具だと捉え、論理を手段として扱う。理系の研究者は論理的に正しいことは何なのかということに興味がある。理系は論理を使って世の中の一般法則とか真理を探している。
・説明の量を増やせばだいたいは説明が付く。フーリエ解析みたいなもん。
・イデオロギーの本質は知識の体型なんだと。世界をエミュレーションするための膨大な論理というものは力を持つ。ある程度世界を正しく論述できてしまうから。これがイデオロギーの本質。共産主義とかね。 -
Posted by ブクログ
誰かがオススメしていて、ジブリも好きだしと思って読んでみた一冊。クリエイティブな現場の仕事に関わった経験もなく、もっぱら映画やアニメを楽しむだけのユーザー目線しか持ち合わせてなかったから「コンテンツ」って聞いてもイメージも曖昧だったけれど、この本の中で少しずつ秘密に迫っていく段階を追いながら「なるほどなるほど」と思いながら読んでいました。実写とアニメの違いとか、ジブリが大切にしている方向性や裏話ももちろん数多く掲載されていて、読んでいておもしろかったです。これから見る映画やアニメの見え方が変わってくる一冊。そしてジブリの映画も改めて見返したくなる一冊でした。
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Posted by ブクログ
著者の本は初めて読んだが、冒頭はその冷静かつ論理的な説明でネット界隈のあらゆる事柄がとてもわかりやすく解説されてあり、とてつもなく頭の良い人だなぁと感じた。
特にネットコンテンツの無料化の話やネットビジネスの部分に興味があって読んだが、巷で妄信的に「コンテンツやビジネスはこうなる!」って煽りまくってる胡散臭そうな輩を徹底的に叩き潰すような、冷静かつドライな分析・主張は非常に説得力がありわかりやすく、勉強になった。
ただ中盤からネットのグローバル化や仮想通貨の話に及ぶ章では、かなり専門的な言葉も飛び交いわかりにくい部分も。そもそもこの本の中で語られる領域が広すぎるため、若干ついていくのが大変なところもあった。 -
Posted by ブクログ
ネットを使ってどう稼ぐかを考えるヒントになればと思い読んでみた。だが、ネットでのビジネスモデルが難しいのは日本だけではく世界的な現象のようだ。
様々なテーマについて著者の知見が述べられている。
興味深い内容であった。
☆電子書籍の未来
紙の本が電子書籍に置き換えられるのは避けられない未来
そしてどのような未来になるか
・テキストや画像だけでなく、音声や動画などのいろいろなデータを取り込んでマルチメディアのパッケージ媒体となる
・自動的に内容が更新、追加、されるようになる
・検索、引用、メモ、読書記録の自動保存なの、読書体験の進化
・他人と読書体験を共有できるようになる
・自分の持っている本は、ネットワークに繋がっていらばどこでも様々なデバイスで読めるようになる。
☆ビットコインについて
著者の意見は懐疑的なようだ。野口悠紀雄氏は可能性について絶賛していたが。どちらが正しいのか。 -
Posted by ブクログ
ネット=ツール派とネット=住処派がある
住処派(ネット住民[ネット原住民含む])にも世代間差はある
コンテンツの価格は人間が持つそのコンテンツへの依存度で決まる
任天堂のビジネスモデルは最終形
かならずオープンからクローズになる
それでないと利益が確保出来ないから
ネットの国境設立への動きは出るだろう
規制の少ないことが世界で戦える武器になる
HFTはアルゴリズム取引の主流
人間に機械が勝っている分野
RTBはオークション取引を機械でするもの
ビットコインは最終的には取引所次第になりそう
ビジネスとネット原住民とデジタルネイティブの三つの要素からなる力学で考えないと、ネットの世界は正しく理解出来ない