水沢あきとのレビュー一覧
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東京の大学への進学を果たした梓は親戚の厄介になることに。親戚はベンチャー企業の社長であり、在学中の衣食住を保証してくれるのだという、まさに夢のような話だがうまい話には当然裏があるようで……。
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昔から隠世からにじみ出る悪い気を黒い靄として視認できていた梓。大学進学を機に上京を果たした彼女は一切の衣食住を東京に住む親戚に保証してもらえるという破格の条件で東京に降り立っていた。これから始まる輝かしい東京での大学生活に胸を躍らせていた梓であるが、その親戚と合流した瞬間から、彼女の想像していた生活とはかけ離れた方向へと事態は進んでいく。なんと彼女の得意な能力を利用して、親戚は隠世が原因で巻 -
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ネタバレ「きさらぎ駅」や「くねくね」など某掲示板で流行ったネット怪異に対して、これまたネットの技術を駆使して挑むという現代ならではなオカルトもの。
「異界エレベーター」で異界に行く場面は何度読んでも緊張する。
「ひとりかくれんぼ(鬼ごっこ)」並みの緊張感。
当時のスレッドをご存知の方にはたまらない要素ではないだろうか。
今の技術を駆使しても、結局巫覡的な力も必要となるなので、その力のせいでこき使われる梓。
まあ彼女は何だかんだで逞しいのだが。
あれだけ生駒にこき使われても、何だかんだ文句を言いつつも食らい付いているのだからいい子である。
生駒は生駒で一人で色々抱え過ぎではあるのだが。
過去の件もそう -
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お仕事主人公が無理難題を解決する水沢さんの作品の中で、ニートな主人公が就職する所から始まるこの話。
あやかし会社とあるように人間では無いものの働く会社に就職して働く女の子の物語。
ファンタジーの中に今まででてきた企業がチラリしたり、トークスクリプトのような現実バリバリの単語が並び、不思議な世界観。
初めはバケモノだ、と言っていた主人公も段々とあやかし達と理解を深めていく中で、どこかジブリの平成狸合戦ぽんぽこを思い出すような不思議な感覚に包まれる。
限りなく人間に近いバケモノと、女の子の社長ごっこといったようで、次々出てくる無理難題をクリアしていくかと思えば、やっぱり荷が重い部分もあり、挫 -
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勤めていた会社が不祥事を起こして3年後
出向を命じられる。
出向先は、消費者省という、不正チェックの部署。
ここで二人一組で働かねばならない相棒が
ものすごいツンケンしているという状況。
そのうち理由が分かってくるのですが、さらに進めば
別の関係性も分かってくるという…。
また、最後にべつの落ちがあるわけですが。
最初に出てきた会社は、わりと道ができれば…でしたが
こんなに綺麗にいく会社はあるのでしょうか?
ある意味、押されたまま、な感じで、主体性があるのか
若干不安になるような会社でした。
2話目から3話目は、主人公と相棒の過去と言うか
その辺りの問題が。
ぎりぎりセーフ、な状況でしたが -
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高校進学のため、叔父の所へ居候に行く事にした主人公。
しかしその叔父は、ものすごく態度が不遜な人物だった。
石から人の記憶をたどっていく、不思議な話。
それを店主たる叔父が出来るというのが
何ともミスマッチな感じです。
そしてぎゃ~ぎゃ~と叫ぶ主人公にも
それが出来るという不思議。
しかし主人公もあれですが、叔父もすごいです。
推薦入学している主人公に、店のために、と
石の意味を覚えさそうとするとは…。
長い目で見れば、確かに必要な知識ですが
相手はまだ高校生で、しかも推薦。
もうちょっとそちらに重きを置かせてもらっても
問題がなさそうな気もします。 -
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ライトのお仕事物語が得意な作者だけど、今回はちょっと違った。
石の記憶というか、石を通して人の記憶を観ることの出来る女子高生と年若のヤンキーな叔父との物語。
あと、3匹のネコちゃんもね!
内容的には人の想いを巡るお話で自分の好きな部類のお話。
なんだけど、なんというかちょっと微妙だったかな。
ヤンキーおじさんの態度がちょっと酷い。
いや、ある意味照れとかあるんだろうけど、なんか会話が楽しくないんだよね。
これじゃあ、キャラに愛着が湧きにくい。
あと、悩みの解決方法も、これって石の記憶は普通の人は忘れちゃうんじゃなかったっけ?
だから覚えている鈴が素質があるわけで。
なのに忘れているはずの人の -
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ネタバレ以前に販売製品が原因の死亡事故がありながらリコール隠しで世間からバッシングを受けた企業に勤めていた青年 矢田、そんな彼が出向を命じられたのは消費者庁に新しく創設された部署、矢田はそこで皮肉なことからリコール隠しを行っている企業を取り締まる仕事につく。彼がそこで出会ったのは子供の頃よく一緒に遊んでいた少女と瓜二つの女性 鏑木、勤務初日に彼女に助けられた矢田だったが、矢田の素性を知った鏑木は強い嫌悪感を示す。しかし上司命令でコンビを組むことになった二人、鏑木はしぶしぶながらも矢田と共に行動を開始する。そして二人は大企業がかつて起こした事故に関わる事案に取り組むことになるのだが…そこには鏑木の過去が