水沢あきとのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京の大学への進学を果たした梓は親戚の厄介になることに。親戚はベンチャー企業の社長であり、在学中の衣食住を保証してくれるのだという、まさに夢のような話だがうまい話には当然裏があるようで……。
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昔から隠世からにじみ出る悪い気を黒い靄として視認できていた梓。大学進学を機に上京を果たした彼女は一切の衣食住を東京に住む親戚に保証してもらえるという破格の条件で東京に降り立っていた。これから始まる輝かしい東京での大学生活に胸を躍らせていた梓であるが、その親戚と合流した瞬間から、彼女の想像していた生活とはかけ離れた方向へと事態は進んでいく。なんと彼女の得意な能力を利用して、親戚は隠世が原因で巻き起こされている怪異を解決せんとしていたのだ。とんでもない展開に目を白黒させながらも抗議にでた梓であるが、裏で両親と親戚が交わしていた契約を盾にされ言うとおりにせざるを得ない展開となってしまう。ITベンチャー企業で社長をしており、更に怪異と渡り合えるだけの山伏であり、高慢ちきな親戚、生駒と共に危険な隠世を渡り歩き怪異が引き起こす事件を解決していく梓は怪異に触れる一方で世の中が抱えている闇を垣間見るのであった。最新のIT技術×ネットロアという斬新な一冊。読み始めたころはネットロアとIT用語の横文字の調和が個人的に感じられなくて違和感―と思っていたが、読み進めているとこれがなかなか癖になる。
今までそういう方向から怪異に挑むみたいな話はなかったため非常に印象的だった。取り上げられている怪異も「異界エレベータ」「きさらぎ駅」「くねくね」などという有名で懐かしいものばかり。(もう一つ「渋谷七人ミサキ」というのもあったがこちらは初見だった)その怪異に対してIT技術を使って詳らかにしていき山伏の験力で解決していくという新しいアプローチ方法だった。出てくる怪異もなかなか恐ろしく、読んでいて鳥肌が立ちそうになった瞬間もあるほどである。
そして、それも非常に面白かったのだが、その昔からあるネットロアを用いて現代社会が抱えている闇をあぶり出しているのも目を見張った。例えばSNSの炎上による有名人叩きや、リストラ問題、出会い系を介した男女の問題による妊娠や中絶問題などなかなか生々しいテーマが怪異の向こう側に横たわっており、思わず「うへぇ」と辟易してしまった。まさか怪異物を読んでいて現代社会の闇を垣間見るとは思っておらず、暫く謎の精神的ダメージを負ってしまった。
さて先述した通り、IT企業の社長であり、山伏でありという謎のスペックを持った生駒だがその性格はややというかかなり難がある。会話の端々にビジネス用語を盛りだくさん使って喋るので馴染みがない私には「はて?」となってしまい、高圧的な喋り方も相まって癪に障るぜこの野郎め!!相方が梓じゃなかったらとっくの昔に愛想をつかされているに違いないという有様だった。最初はそのキャラが正直なところ嫌で嫌で仕方がなかったが、読み進めていくうちに何故生駒がこのような状態なのかが分かり始めて、少し納得。
かといってお前さんそれは……。と第三者からすると思ってしまうが、この癖のある生駒と、その生駒に負けじと食らいついていく梓が登場人物だったからこそこの話は暗くなりすぎずいい塩梅だったのかも。 この一冊ですっきりすっかりすべてのことが分かってオールオッケーとはいかなかったが、謎が残されすぎではというモヤモヤ感はあまりなかったかな。欲を言えば全部を詳らかにしてくれと思う所だが、続きは出るのか否か……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「きさらぎ駅」や「くねくね」など某掲示板で流行ったネット怪異に対して、これまたネットの技術を駆使して挑むという現代ならではなオカルトもの。
「異界エレベーター」で異界に行く場面は何度読んでも緊張する。
「ひとりかくれんぼ(鬼ごっこ)」並みの緊張感。
当時のスレッドをご存知の方にはたまらない要素ではないだろうか。
今の技術を駆使しても、結局巫覡的な力も必要となるなので、その力のせいでこき使われる梓。
まあ彼女は何だかんだで逞しいのだが。
あれだけ生駒にこき使われても、何だかんだ文句を言いつつも食らい付いているのだからいい子である。
生駒は生駒で一人で色々抱え過ぎではあるのだが。
過去の件もそうだが、体の件については心底驚いた。
リアルに寿命縮めてもなお、彼がやり遂げようとしているのは。
それなのに待っている現実は無情である。
彼が過去から解き放たれるのが先か、それとも彼の体がもたなくなる方が先か。
それまで梓がしっかり見届けてくれるといいのだが。
それにしても、体の件は本当に本当にびっくりした。
色々設定盛られた上にその状態……生駒社長、心配である。 -
Posted by ブクログ
お仕事主人公が無理難題を解決する水沢さんの作品の中で、ニートな主人公が就職する所から始まるこの話。
あやかし会社とあるように人間では無いものの働く会社に就職して働く女の子の物語。
ファンタジーの中に今まででてきた企業がチラリしたり、トークスクリプトのような現実バリバリの単語が並び、不思議な世界観。
初めはバケモノだ、と言っていた主人公も段々とあやかし達と理解を深めていく中で、どこかジブリの平成狸合戦ぽんぽこを思い出すような不思議な感覚に包まれる。
限りなく人間に近いバケモノと、女の子の社長ごっこといったようで、次々出てくる無理難題をクリアしていくかと思えば、やっぱり荷が重い部分もあり、挫けそうになる。
それを熱意だけで解決するような熱血系でもなく、ずば抜けたセンスがある訳でもない女の子がなんとか解決していく話が、ほっこりする物語です。 -
Posted by ブクログ
勤めていた会社が不祥事を起こして3年後
出向を命じられる。
出向先は、消費者省という、不正チェックの部署。
ここで二人一組で働かねばならない相棒が
ものすごいツンケンしているという状況。
そのうち理由が分かってくるのですが、さらに進めば
別の関係性も分かってくるという…。
また、最後にべつの落ちがあるわけですが。
最初に出てきた会社は、わりと道ができれば…でしたが
こんなに綺麗にいく会社はあるのでしょうか?
ある意味、押されたまま、な感じで、主体性があるのか
若干不安になるような会社でした。
2話目から3話目は、主人公と相棒の過去と言うか
その辺りの問題が。
ぎりぎりセーフ、な状況でしたが、解決できて一安心。
そしてこの二人の関係性も、多少変わるのでしょうか??w -
Posted by ブクログ
高校進学のため、叔父の所へ居候に行く事にした主人公。
しかしその叔父は、ものすごく態度が不遜な人物だった。
石から人の記憶をたどっていく、不思議な話。
それを店主たる叔父が出来るというのが
何ともミスマッチな感じです。
そしてぎゃ~ぎゃ~と叫ぶ主人公にも
それが出来るという不思議。
しかし主人公もあれですが、叔父もすごいです。
推薦入学している主人公に、店のために、と
石の意味を覚えさそうとするとは…。
長い目で見れば、確かに必要な知識ですが
相手はまだ高校生で、しかも推薦。
もうちょっとそちらに重きを置かせてもらっても
問題がなさそうな気もします。 -
Posted by ブクログ
ライトのお仕事物語が得意な作者だけど、今回はちょっと違った。
石の記憶というか、石を通して人の記憶を観ることの出来る女子高生と年若のヤンキーな叔父との物語。
あと、3匹のネコちゃんもね!
内容的には人の想いを巡るお話で自分の好きな部類のお話。
なんだけど、なんというかちょっと微妙だったかな。
ヤンキーおじさんの態度がちょっと酷い。
いや、ある意味照れとかあるんだろうけど、なんか会話が楽しくないんだよね。
これじゃあ、キャラに愛着が湧きにくい。
あと、悩みの解決方法も、これって石の記憶は普通の人は忘れちゃうんじゃなかったっけ?
だから覚えている鈴が素質があるわけで。
なのに忘れているはずの人の気持ちも変わってしまうのは、ちょっと設定矛盾してない? と気になってしまった。
むしろ、それを見て鈴がなんとか解決の努力をするとか、見た人も忘れずにいて……というような、もう少しファンタジーよりにした方がよかった気がする。
ちなみに、ネコちゃんはサイコーでした!
ああ、じゃれつかれたい(笑)