【感想・ネタバレ】CEO生駒永久の「検索してはいけない」ネット怪異譚 ~IT社長はデータで怪異の謎を解く~のレビュー

あらすじ

どんなに社会が発展しても、『それ』はこの街のどこかに存在している――。
大学進学を機に上京した女子大生・梓は、親戚であるITベンチャーの社長・生駒永久と出会う。だが生駒には裏の顔があった。「きさらぎ駅」「くねくね」「異界エレベータ」「渋谷七人ミサキ」など、SNS等で噂される『現代の怪異』。彼はそれらに絡む事件を解決するスペシャリストだった。
『検索してはいけない』事象の数々に、生駒とともに梓は挑むことになるが……?

彼は怪異の調伏者――。最新IT技術がネットの闇を暴く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 ホラー系統の小説が読みたくて、Booklive!がセールをしていたから買った、のだと思う。
 主人公は女子大学生ということで敬語もろくに使えないのは仕方ないものの、年上の人間に「〜かなっ!?」とかいう聞き方をしたりだとか、最低限のですます調も使えないのか……とまず辟易してしまった。
 池高高な社長は仕方ないとして、ビジネスパーソンとしてこういうふうな性格で果たしてそんな「成果」をあげられるようなものなのか……?と疑問に思いつつも、このあたりはドラマや漫画やらでいうならば普通かもしれないので飲み込んだ。
・異界エレベータ
・きらさぎ駅
・くねくね
……と、ホラー系統のインターネットロア(噂話のたぐい)を見聞きしている人にとっては「これは知っている」というものばかりが連なる。
 そういう意味では、とても分かりやすい。
 少なくとも、ネットでホラー小説をさぐるような人たちは見聞きしているような単語が並ぶ。
 ありがちな主人公がヒロインとなって、ということにはならなかったが、それを匂わせたので、ちょっとげんなり。そこはばっさりなくすくらいでいかないと、最初の不信感が拭えない。

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2024年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった!
梓のおせっかいでパワフルなところ、頼もしくて好き。
生駒さんみたいなキャラがだんだん絆されていくのか好き。
続き出るかなー。

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2021年08月22日

Posted by ブクログ

東京の大学への進学を果たした梓は親戚の厄介になることに。親戚はベンチャー企業の社長であり、在学中の衣食住を保証してくれるのだという、まさに夢のような話だがうまい話には当然裏があるようで……。

***

昔から隠世からにじみ出る悪い気を黒い靄として視認できていた梓。大学進学を機に上京を果たした彼女は一切の衣食住を東京に住む親戚に保証してもらえるという破格の条件で東京に降り立っていた。これから始まる輝かしい東京での大学生活に胸を躍らせていた梓であるが、その親戚と合流した瞬間から、彼女の想像していた生活とはかけ離れた方向へと事態は進んでいく。なんと彼女の得意な能力を利用して、親戚は隠世が原因で巻き起こされている怪異を解決せんとしていたのだ。とんでもない展開に目を白黒させながらも抗議にでた梓であるが、裏で両親と親戚が交わしていた契約を盾にされ言うとおりにせざるを得ない展開となってしまう。ITベンチャー企業で社長をしており、更に怪異と渡り合えるだけの山伏であり、高慢ちきな親戚、生駒と共に危険な隠世を渡り歩き怪異が引き起こす事件を解決していく梓は怪異に触れる一方で世の中が抱えている闇を垣間見るのであった。最新のIT技術×ネットロアという斬新な一冊。読み始めたころはネットロアとIT用語の横文字の調和が個人的に感じられなくて違和感―と思っていたが、読み進めているとこれがなかなか癖になる。
今までそういう方向から怪異に挑むみたいな話はなかったため非常に印象的だった。取り上げられている怪異も「異界エレベータ」「きさらぎ駅」「くねくね」などという有名で懐かしいものばかり。(もう一つ「渋谷七人ミサキ」というのもあったがこちらは初見だった)その怪異に対してIT技術を使って詳らかにしていき山伏の験力で解決していくという新しいアプローチ方法だった。出てくる怪異もなかなか恐ろしく、読んでいて鳥肌が立ちそうになった瞬間もあるほどである。
そして、それも非常に面白かったのだが、その昔からあるネットロアを用いて現代社会が抱えている闇をあぶり出しているのも目を見張った。例えばSNSの炎上による有名人叩きや、リストラ問題、出会い系を介した男女の問題による妊娠や中絶問題などなかなか生々しいテーマが怪異の向こう側に横たわっており、思わず「うへぇ」と辟易してしまった。まさか怪異物を読んでいて現代社会の闇を垣間見るとは思っておらず、暫く謎の精神的ダメージを負ってしまった。

さて先述した通り、IT企業の社長であり、山伏でありという謎のスペックを持った生駒だがその性格はややというかかなり難がある。会話の端々にビジネス用語を盛りだくさん使って喋るので馴染みがない私には「はて?」となってしまい、高圧的な喋り方も相まって癪に障るぜこの野郎め!!相方が梓じゃなかったらとっくの昔に愛想をつかされているに違いないという有様だった。最初はそのキャラが正直なところ嫌で嫌で仕方がなかったが、読み進めていくうちに何故生駒がこのような状態なのかが分かり始めて、少し納得。

かといってお前さんそれは……。と第三者からすると思ってしまうが、この癖のある生駒と、その生駒に負けじと食らいついていく梓が登場人物だったからこそこの話は暗くなりすぎずいい塩梅だったのかも。 この一冊ですっきりすっかりすべてのことが分かってオールオッケーとはいかなかったが、謎が残されすぎではというモヤモヤ感はあまりなかったかな。欲を言えば全部を詳らかにしてくれと思う所だが、続きは出るのか否か……。

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2024年10月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「きさらぎ駅」や「くねくね」など某掲示板で流行ったネット怪異に対して、これまたネットの技術を駆使して挑むという現代ならではなオカルトもの。
「異界エレベーター」で異界に行く場面は何度読んでも緊張する。
「ひとりかくれんぼ(鬼ごっこ)」並みの緊張感。
当時のスレッドをご存知の方にはたまらない要素ではないだろうか。

今の技術を駆使しても、結局巫覡的な力も必要となるなので、その力のせいでこき使われる梓。
まあ彼女は何だかんだで逞しいのだが。
あれだけ生駒にこき使われても、何だかんだ文句を言いつつも食らい付いているのだからいい子である。
生駒は生駒で一人で色々抱え過ぎではあるのだが。
過去の件もそうだが、体の件については心底驚いた。
リアルに寿命縮めてもなお、彼がやり遂げようとしているのは。
それなのに待っている現実は無情である。
彼が過去から解き放たれるのが先か、それとも彼の体がもたなくなる方が先か。
それまで梓がしっかり見届けてくれるといいのだが。

それにしても、体の件は本当に本当にびっくりした。
色々設定盛られた上にその状態……生駒社長、心配である。

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2021年07月11日

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