このマンガの終着点が、メジャーデビューとかそういうところでなく、真冬が由紀の喪失に向き合えたこと・未来が見えなくても今を進んでいく覚悟ができたこと、なのが、とても良いと思った。
音楽にしか埋められない穴や、音楽でしか残しておけない思い出のこと、言葉にできないけれどすごく上手に丁寧に表現されていて、良いマンガだった。
選ぶのが怖くて選べなくても、どんなに今が続けばいいのになと思っても、今は失われていく。どんどん次の今が、つまり未来が迫り来る。置いていかれることすらきっとできないんだ。
変化を止められない中で、とにかく今に縋って齧り付いて生きていくしかない。今輝いて見えるものを大切にして生きていくほかない。
過去が輝いて見えるならそれを大切にしてもいいと許された気がした。でも、大切に抱えながらも今を歩くことはやめちゃいけないんだという厳しさも感じた。
私が輝かしいバンドたちと関わった大切な時間は遠い過去になってしまったけれど、このマンガを通して思い出すことができた。
内心怖いと思いながらもそれを隠して笑って、歯を食いしばって一歩ずつ踏みしめるように歩く姿は、本当にかっこよかった。
それを体感として思い出せてよかった。
また、私の大切な人と過ごした時間ももう過去になり、戻らなくなってしまった。多分。
でもその中でもらった優しさはいつまでもキラキラ残っている。忘れなければいけないのかと思っていたけど、残しておいてもいいんだよと言われたように感じた。
残して大切に抱えているのもそれはそれでつらいのだけど、まずは抱えていたいと思う自分を許してあげたい。
次、これから、どうなるかなんて考えすぎずに、とりあえず行ってみてもいいんじゃない。
そう自分に声をかけて背中を押してあげたいと思った。