村上しいこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
素直に感動してしまった。
中学時代に受けたいじめの影響で引き込もっている女子高生というありがちな設定で、平文だと理屈っぽかったり、くどくなりそうな場面もあるが、挿入された短歌の効果か全く気にならない。
試合以降に詠まれる短歌はどれもとても良いのだが、特に最終盤の2首、主人公二人の連歌と部長の惜別の歌は、何度も読み返して味わいたくなる。
巧拙含め、登場人物がいかにも詠みそうな歌を作れる作者の詠歌力には感心する。
さすが作家は言葉のプロだと思う。
伏線の中で、主要周辺人物1人の訳ありげな過去が回収されずに残されたが、敢えて回収しなかったか、それともいつか続編が書かれるのか。 -
Posted by ブクログ
「ぼく」が関西弁調で語る形式。
関西出身の私には好都合な本。読み聞かせに使おうかな~。
あらすじ
冬休みに詩の宿題が出た。
いくつか作ってみたものの、家族からボツを言い渡される。(あまりに正直で面白いため)
夏の宿題の時の文集では、クラスメイトのみさきが先生にべた褒めされていたのに、何か面白くないつよし。
最後にできた詩を学校に持っていくと、たまたまみさきもほとんど同じ詩を書いてきていた。
みさきには、「つよしくんの書いた詩のほうがすきや」、おまけに「つよしくんも・・・すき」と言われ・・・。
「すき」という新しい詩を作り、だれにも見せられへんとっておきの詩にする、という話。
つよしの詩は