村上しいこのレビュー一覧

  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    ネタバレ

    子どもの読み聞かせで、村上しいこはこれまでに数えきれないほど読んできた。特に「はじめての俳句」「はじめての詩」「はじめての標語」のシリーズは、子どもたちも僕も大好きで、子どもたちの作るユーモラスな詩がどれも楽しかった。
    このうた部三部作では、部のみんながそれぞれに短歌をつくるのだが、それが本当にその心情をよく映していて、心を打つ。短歌の良しあしは正直よくわからないところもあるし、先生が指導して直すのも半分くらいは「本当にそのほうがいいの」と思ってしまうところもあったりするが、高校生たちがつくる短歌はとても真摯で嘘がない。これを一つ一つ作者が作ったのだと思うと、本当にすごい。
    物語に関しては、桃

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    2018年09月24日
  • 空はいまぼくらふたりを中心に

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    「うたうとは小さないのちひろいあげ」の続編。
    前作は友情がテーマで、うた部一年生部員の桃子と綾美が物語の中心となっていたが、今回は恋がテーマで、三年生となった清らと業平二人の恋模様と、転校生だが業平の中学時代の友人時宗らの存在が加わっており、また短歌甲子園も物語の中心をなす。
    付き合い始めたものの、お互いの心の成長(特に清らの)が二人の距離を難しいものとしてしまう。人の懐にはすっと入っていける清らだが、自分のこととなると不器用で、自分に厳しい課題を設けて脱皮しようとする姿にも成長を感じられる。LGBTのことを作品に盛り込んだのも、まだまだ閉ざされている日本の教育への問いかけと感じた。2018.

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    2018年06月24日
  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    同じ高校に入学した2人。親友だったのだが、綾美は中学時代の辛い経験からその親友の桃子のことも信じきれず、不登校になる。桃子もなんとか綾美を助けたいが重荷に感じてしまう自分もいる。学校生活を楽しまないように自分を縛るが、ひょんなことからうた部に入部することになる。
    クラスの日の当たる場所でなくてもいい、誰しも自分が受け入れられる場所が必要。1人では抱えられないことも、信頼出来る人の手があれば軽くなる。その信頼する、ということが一度覆されると本当に難しいことになるのだが…。2018.6

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    2018年06月03日
  • 給食室の日曜日

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    フライパンがスーパーの店員さんにお肉を焼かせてもらって、お客さんに食べてもらって、美味しいって言ってもらって、スーパーのひとが喜んで、そんなに美味しいんだなと思った。

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    2018年05月01日
  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    ネタバレ

    桃子と綾美が清らさん、いと先輩、業平先輩、難波江先生と、優しい言葉だけではなく、少しキツイことでも、ちゃんと自分の言葉で思いを伝えてくれる人に出会えて、少し立ち止まってしまったかもしれないけれど、また二人で同じ道を歩めるようになれてよかった。二人を、綾美と世界を結びつけてくれた言葉と歌っていいなと思いました。つらかったこと、苦しかったこと、悔しかったこと、それらを乗り越えても不安はまだある。それでも私は何も失ってはいない。明日がある限り、何も失ってはいない。

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    2018年01月30日
  • 給食室の日曜日

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    調理器具や食材がしゃべり、買い物に行き、料理もするという大変ナンセンスな設定なのだが、それでも物語として受け入れられるのがすごい。
    キャラも立ってるし、関西弁での掛け合いも面白い。

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    2018年10月18日
  • 青春は燃えるゴミではありません

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    ネタバレ

    高校3年の春、うた部の部長となった桃子は、両親から経済的な事情で、卒業後は予定していた製菓専門学校へは行かずケーキ屋で働いて欲しいと言われショックを受ける。時同じくして、同じうた部の後輩友郎が、交流先の老人ホームの重朗さんの詩を勝手に変えてテレビ番組に投稿して入選し、怒りを買っていた。お詫びに、海を見て電話で感想を伝えて欲しいという重朗の提案に承知した彼女たちだが、その海とは宮崎県日向市の海だった。
    日向と言えば牧水短歌甲子園。彼女は、今までの啄木短歌甲子園から牧水への出場変更に、部員を説得し、出場準備するべく奔走する。


    将来への不安、揺れ動く友情、上級生としての責任、自分の情熱への疑問。

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    2018年01月14日
  • 空はいまぼくらふたりを中心に

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    短歌甲子園出場を目指す高校3年の業平は、うた部部長となった彼女、清らとの関係がうまくいかず悩んでいたところ、同じ中学だった時宗が転校してきて、様子がおかしいことに気づく。また、練習試合をしたライバル校の部長からは、LINEアドレスを交換したとたんに「今度会いたい」とメッセージが来て戸惑う。さらに、同じクラブの後輩彩美から、時宗がトランスジェンダーだと聞かされ、驚くのだった。

    思春期の葛藤を恋愛、LGBT、短歌への情熱と絡めながら、業平の視線で描く。




    *******ここからはネタバレ*******

    結末がドタバタで尻すぼみ的にはなったが、短歌甲子園の様子は手に汗握るものだったし、トラ

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    2020年11月07日
  • 青春は燃えるゴミではありません

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    桃子三年生。進路について、自分ではどうにもならない厳しい現実が立ち塞がり、気持ちがついていかない。そんななか、ある約束のため、宮崎の牧水短歌甲子園への出場を目指す。やや幼い、感情先行型の桃子の成長を描く。
    前作でも思ったが、クマサト先生がいい。

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    2017年08月18日
  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    弱さを抱えながら前を向いて歩く高校生の姿が痛々しくもすがすがしい。人に寄り添うには、その人に寄り添う人が必要。そうやって人がつながりあえたらいい。心ない言葉を言う人の貧しさに引きずられてはいけない。

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    2017年08月04日
  • れいぞうこのなつやすみ

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    ネタバレ

     関西弁で展開する物語がおもしろい。お父さんもおかあさんもなかなかおもしろい。
     夏休みを謳歌したい冷蔵庫とその家族との話。
     冷蔵庫はプールへ行きたいというのだが…。

     ところで…
     ついこの間,海へ行ったら冷蔵庫がプカプカ浮いていた。扉はもうなかったけど,しずまないで,ここまで旅をしてきたんだ。なんと,冷蔵庫の中には,小さな電球も残ったまま。ハングル文字が見える。
     この冷蔵庫も旅をしようと思って朝鮮半島を出発したのだろうか。
     本の内容と関係ないか(^o^)

     とにかく,本書はおもしろい本でした。

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    2017年07月01日
  • 空はいまぼくらふたりを中心に

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    「歌」を詠むことの難しさ
    「歌」を詠むことの素晴らしさ

    「歌」を詠むことで昇華される気持ち
    「歌」を詠むことで満たされる気持ち
    「歌」を詠むことで高められる気持ち
    「歌」を詠むことでつながる気持ち

    登場する全ての若者たちが愛おしい

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    2017年06月16日
  • 空はいまぼくらふたりを中心に

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    『うたうとは小さないのちひろいあげ』の続編。
    清ら部長率いる「うた部」と諏訪業平くん目線の物語。

    純粋にうらやましいですよね。
    題詠も連歌もその言葉を数分考えるだけで
    こんなにも素敵な言葉を連ねることができることが。

    うたうとは…があまりにも好きな作品だったので
    ちょっと続編に期待しすぎて
    トキのことも、もうちょっと深く読みたかったとか
    思いましたけど…。

    短歌甲子園の予選とか、緊張感バリバリで
    ハラハラドキドキが止まらなかったです。

    そのキャラクターに合った短歌は
    どのように作られているんですかね?
    清ら部長の歌、すごく好きです。

    桃子たちが中心になったら、
    どんなうた部になるんだ

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    2016年09月13日
  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    いじめをきっかけに学校に行けなくなった綾美。
    その綾美を傷つけてしまったことで立ち止まっている桃子。
    ささやかなきっかけで入った「うた部」そのメンバーの存在と、うたうことで少しずつ前に進んでいく話。
    良かった。

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    2016年08月29日
  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    日常の一瞬をハッとするような言葉で掴んで表現する。
    短歌ってスゴい!と思ったし、そしてそれを創りだす高校生たちのキラキラとした才能に胸が熱くなる作品だった。
    短歌をつくってみたくなったな~。

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    2016年02月24日
  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    これを学生時代に読んでいたら、きっとはまっただろう。
    短歌に。面白いです。
    でも、先生には納得できんよなぁ。

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    2015年11月09日
  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    ネタバレ

    タイトルのインパクトにやられた作品。もちろん、作品もインパクトがあって良かった。『短歌』をテーマにした作品なのだが、キラキラした青春って感じがしてさわやかだった。いじめ問題など、ちょっと闇の部分もあるが青春小説なので、リアリティーを出すためには必要だったのかもしれない。短歌甲子園を目指し、奮闘する姿はすごくかっこよく見えた。

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    2016年02月04日
  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    よかった。
    最後に、綾美が下の句を詠み始めたシーンは感動した。

    うたうとは小さないのちひろいあげ宇宙へ返すぬくもりをそえ

    短歌って心の格闘技みたいだって、心を表す、でも言葉の羅列では表せない。そんな短歌を題材にして、高校生や中学生のころのいざこざやなんとなく学校へ行きたくなくなった気持ちとかが描かれてる。

    清らさんや、いと先輩、業平先輩、先生のキャラもいい。
    彩さんがもっと出てきてもよかったなー
    ってとこで星4つ!

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    2015年09月11日
  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    短歌が素晴らしい。
    うた部の各部員、顧問の先生のキャラクターが皆魅力的でバランスも良い。
    このキャラクター、レベルに合った短歌を詠ませているのがこの小説の見所だと思う。
    新入部員の短歌のレベルがたんだん上がってくる過程も面白い。
    綾美へのメッセージとして桃子が詠んだうたとふたりの連歌が胸にせまる。普通の文章で説明しているのと異なり何度も読んでかみしめて鑑賞してしまう短歌の力を感じた作品。

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    2015年09月06日
  • うたうとは小さないのちひろいあげ

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    短歌のコンテストなんかもあるんだね。
    弱小チームだが個性派揃いのメンバーが奮闘する。
    おもしろく読んだ。

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    2015年08月23日