村上しいこのレビュー一覧

  • 教室の日曜日
    所々に子どもの学びになるような、人への心遣いや、守ると良い約束のようなものが出てきて、子どももよく聞いていた。関西弁なので楽しかった(声に出して読むのが難しくもある)。
  • ランドセルのはるやすみ
    子供よりお父さんの方が、ぜんぜんしっかりしていな くて、お母さんにおこられていたところが、面白かったです。
  • 夏に泳ぐ緑のクジラ
    難しい家庭環境の中でなんとか生きている子どもたちは、実際にはたくさんいると思う。
    表には出さず、心に秘めている子たちも含めて。
    登場する子ども、大人それぞれなかなかにシビアな境遇がリアルに描かれている。
    もののけの言い伝えの要素も歴史がからんでいるような設定。
    村上しいこさんは、短歌や詩が小説にうま...続きを読む
  • とおせんぼ
    最終のとおせんぼは、必ず足を止めずにはいられない。だんご屋のおじいちゃんの知恵ブラボー。自然と笑顔になるこのラストもいいのだけど、どうせひとりぼっちなんだと拗ねる小鬼にクマタカが優しく言った言葉「それはな、おまえに ぴったりの あいてが、まだ やってこないだけだ」「ああ、もちろん。きっと、くる。ここ...続きを読む
  • どうぶつのかぞく ペンギン はらぺこペンギンのぼうけん
    イラストの可愛さに惹かれて、息子に読み聞かせようと思っていたら…私がハマって読んでしまいました。ペンギンには当たり前の子育てと自立なのだろうけれど、保育園に入ったばかりの息子と被って涙。
    ファーストペンギンをわが子に任せるって重いなぁ。私に出来るだろうか。
  • うたうとは小さないのちひろいあげ
    子どもの読み聞かせで、村上しいこはこれまでに数えきれないほど読んできた。特に「はじめての俳句」「はじめての詩」「はじめての標語」のシリーズは、子どもたちも僕も大好きで、子どもたちの作るユーモラスな詩がどれも楽しかった。
    このうた部三部作では、部のみんながそれぞれに短歌をつくるのだが、それが本当にその...続きを読む
  • 空はいまぼくらふたりを中心に
    「うたうとは小さないのちひろいあげ」の続編。
    前作は友情がテーマで、うた部一年生部員の桃子と綾美が物語の中心となっていたが、今回は恋がテーマで、三年生となった清らと業平二人の恋模様と、転校生だが業平の中学時代の友人時宗らの存在が加わっており、また短歌甲子園も物語の中心をなす。
    付き合い始めたものの、...続きを読む
  • うたうとは小さないのちひろいあげ
    同じ高校に入学した2人。親友だったのだが、綾美は中学時代の辛い経験からその親友の桃子のことも信じきれず、不登校になる。桃子もなんとか綾美を助けたいが重荷に感じてしまう自分もいる。学校生活を楽しまないように自分を縛るが、ひょんなことからうた部に入部することになる。
    クラスの日の当たる場所でなくてもいい...続きを読む
  • 給食室の日曜日
    フライパンがスーパーの店員さんにお肉を焼かせてもらって、お客さんに食べてもらって、美味しいって言ってもらって、スーパーのひとが喜んで、そんなに美味しいんだなと思った。
  • うたうとは小さないのちひろいあげ
    桃子と綾美が清らさん、いと先輩、業平先輩、難波江先生と、優しい言葉だけではなく、少しキツイことでも、ちゃんと自分の言葉で思いを伝えてくれる人に出会えて、少し立ち止まってしまったかもしれないけれど、また二人で同じ道を歩めるようになれてよかった。二人を、綾美と世界を結びつけてくれた言葉と歌っていいなと思...続きを読む
  • 給食室の日曜日
    調理器具や食材がしゃべり、買い物に行き、料理もするという大変ナンセンスな設定なのだが、それでも物語として受け入れられるのがすごい。
    キャラも立ってるし、関西弁での掛け合いも面白い。
  • 青春は燃えるゴミではありません
    高校3年の春、うた部の部長となった桃子は、両親から経済的な事情で、卒業後は予定していた製菓専門学校へは行かずケーキ屋で働いて欲しいと言われショックを受ける。時同じくして、同じうた部の後輩友郎が、交流先の老人ホームの重朗さんの詩を勝手に変えてテレビ番組に投稿して入選し、怒りを買っていた。お詫びに、海を...続きを読む
  • 空はいまぼくらふたりを中心に
    短歌甲子園出場を目指す高校3年の業平は、うた部部長となった彼女、清らとの関係がうまくいかず悩んでいたところ、同じ中学だった時宗が転校してきて、様子がおかしいことに気づく。また、練習試合をしたライバル校の部長からは、LINEアドレスを交換したとたんに「今度会いたい」とメッセージが来て戸惑う。さらに、同...続きを読む
  • 青春は燃えるゴミではありません
    桃子三年生。進路について、自分ではどうにもならない厳しい現実が立ち塞がり、気持ちがついていかない。そんななか、ある約束のため、宮崎の牧水短歌甲子園への出場を目指す。やや幼い、感情先行型の桃子の成長を描く。
    前作でも思ったが、クマサト先生がいい。
  • うたうとは小さないのちひろいあげ
    弱さを抱えながら前を向いて歩く高校生の姿が痛々しくもすがすがしい。人に寄り添うには、その人に寄り添う人が必要。そうやって人がつながりあえたらいい。心ない言葉を言う人の貧しさに引きずられてはいけない。
  • れいぞうこのなつやすみ
     関西弁で展開する物語がおもしろい。お父さんもおかあさんもなかなかおもしろい。
     夏休みを謳歌したい冷蔵庫とその家族との話。
     冷蔵庫はプールへ行きたいというのだが…。

     ところで…
     ついこの間,海へ行ったら冷蔵庫がプカプカ浮いていた。扉はもうなかったけど,しずまないで,ここまで旅をしてきたんだ...続きを読む
  • 空はいまぼくらふたりを中心に
    「歌」を詠むことの難しさ
    「歌」を詠むことの素晴らしさ

    「歌」を詠むことで昇華される気持ち
    「歌」を詠むことで満たされる気持ち
    「歌」を詠むことで高められる気持ち
    「歌」を詠むことでつながる気持ち

    登場する全ての若者たちが愛おしい
  • 空はいまぼくらふたりを中心に
    『うたうとは小さないのちひろいあげ』の続編。
    清ら部長率いる「うた部」と諏訪業平くん目線の物語。

    純粋にうらやましいですよね。
    題詠も連歌もその言葉を数分考えるだけで
    こんなにも素敵な言葉を連ねることができることが。

    うたうとは…があまりにも好きな作品だったので
    ちょっと続編に期待しすぎて
    トキ...続きを読む
  • うたうとは小さないのちひろいあげ
    いじめをきっかけに学校に行けなくなった綾美。
    その綾美を傷つけてしまったことで立ち止まっている桃子。
    ささやかなきっかけで入った「うた部」そのメンバーの存在と、うたうことで少しずつ前に進んでいく話。
    良かった。
  • うたうとは小さないのちひろいあげ
    日常の一瞬をハッとするような言葉で掴んで表現する。
    短歌ってスゴい!と思ったし、そしてそれを創りだす高校生たちのキラキラとした才能に胸が熱くなる作品だった。
    短歌をつくってみたくなったな~。