八重野統摩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
坪田譲治文学賞を受賞との帯に、これは間違いないだろうと選択。
NASAで宇宙関連の仕事に就きたいと、日々努力をしている小学6年生のハル君のクラスに転校してきた、ちょっと難しい性格をしたハーフの女の子イリス。イリスに振り回されるうちに、彼らの周りに暗黙のうちに存在していた問題が顕在化し、そしてそれを克服して成長していくという、どストレートなボーイミーツガールのジュブナイル小説。
難しいこと一切ないので、2時間くらいで読み切れる。
タイトルの割に、ペンギンなんて全然出てこないんだけど、でも読み終わったあとには心の底から納得する。
読み終わった後にこのタイトルを改めてみると、もともととても爽やかな読 -
Posted by ブクログ
「表紙のイラストが綺麗すぎるから」
とくだらないことを言ってしまいたくなるほど好みの絵柄。
加えて、作者は私と同じ札幌出身。
そしてあらすじを読めば、どうやら夏っぽい感じだ。
私は四季の中で夏が一番好きで、ちょうど、夏を感じ取れるような作品を読みたいところだった。
読み終えての感想としては、もう少し夏っぽさを求めていたところではあるが、この作品はこの作品としておもしろかった。
「どんでん返し」とか「あなたも騙される!」みたいなミステリ作品の結末はすぐ気づくくせに、こういう単純(?)なものにはすぐ引っかかる。
伏線もうまいように思えるし、結構振り回してもらえた。
トリックはとある有名な映画を思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ父親が多額の借金を残して亡くなった。
神田六彦はその肩代わりとして殺されかけるが、突如として現れた夏目と名乗る女によって、彼女の経営する店で働くことを条件に命を救われる。
しかし、そうして足を踏み入れたアレクサンドリアは、殺し屋を始めとする反社会的な人間だけが利用する言わば犯罪者書館。
常識も法律も通用しないその点では、シャーロック・ホームズを名乗る殺人鬼によって、次々と常連達が消され始めていた。
日常ミステリーと言って良いのかちょっと分からないですが殺し屋たちが出てくる割には、アレクサンドリアで起こるちょっとした謎解きは日常的かな?と思いました。
でも文章はすごく読みやすくてさらさら読めち -
Posted by ブクログ
とても良心的な作品。主人公ハルと転校生イリスの出会いから始まる彼らの成長物語。さほど劇的な展開があるわけでもなく、しかもずっと何かしらの違和感がつきまとう書きぶり。この違和感の理由は終盤でようやく明かされるが、そこまでは結構忍耐を必要とする読書だった。ハルの得体の知れない屈折したニヒリズムには素直に共感するところはないけれど、イリスのツンデレぶりはとても可愛くてこのお話の唯一の推進力だったと思う。ただ、それも含めてのすべての描写が伏線だったのかと思えば、なかなかに手の込んだ作品ではあった。
「同じ星のもとに」「ナイフを胸に抱きしめて」と読んできて、必要以上に期待値を上げてしまったのが逆にもった