八重野統摩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2025年第一回北陸文庫大賞
2019年第34回坪田譲治文学賞
「同じ星の下に」がとても印象的だった作家さん。
みんみんと本とコさんの本棚から。
NASAかJAXSのエンジニアになりたい小学生の少年。自分で作って撮影する風船宇宙撮影のため 日々勉強しています。
その少年の勤勉さに隠され続けて展開する物語の核心。
しかも読み手によって この核心部分が一つでないという立体構成。
私が 核心部分の一つと思っている学校クラス運営。長い期間 重松作品がその中心であったように思います。性善説的な道徳感を良しとするような雰囲気。
私はこの作者さんの 抗う権利を認める感じ好きでした。
そして、タイトルのペンギンに込められているだろう思い。
カバーは写真のようですが、まさにペンギンかと間違えそうなその少年の影。
少年が時間と気持ちを賭けるペットボトルロケットも そんな形になります。
でも、本当に込められた意味に気がつくと、少年の強さと優しさに感銘します。
幸多かれと願いたくなる小説でした。
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Posted by ブクログ
小6のハルくんは、あえて他人と関わらずいつも孤立しています。一方で、宇宙に憧れ風船ロケットを自作したり、将来エンジニアを夢見て英語を独学したりする、ちょっと自意識高くめんどくさい少年です。
物語は「おれ」(ハルくん)の一人称で語られます。ハルくんの脳内つぶやきの語彙力が高く、本当に小6?と違和感をもちながら、思い当たる節がありました。この見た目と中身のアンバランス、周りの人へのツッコミ! そうです、コナンくんです。江戸川コナンくんだけど実際は工藤新一!
このハルくん、ワシントンから金髪のミックス少女イリスが転校してきて、いろいろと日常に変化が生じ物語が動いていきます。ハルくんの言動へ違和感と前述しましたが、他にも随所に「ん?」と思う部分があり、後半にその違和感の真相が明かされます。
読み手の先入観で、ハルくんの特性の誤認に後で気づく…。いわゆるミステリの叙述トリック手法でしょうか。でも、伏線が回収され認識が覆っても、「騙された快感」というよりは爽やかさが際立つ印象です。ミステリ寄りの児童文学とでも言いましょうか、納得の坪田譲治文学賞受賞作です。
一人の少年の抱える苦悩、夢、そして他者と心を通わせることによる成長など、心の機微がていねいに描かれます。不条理で理不尽なことの多い社会に希望の光を灯してくれるような、大人も子どもも楽しめる一冊としておすすめします。 -
Posted by ブクログ
坪田譲治文学賞を受賞との帯に、これは間違いないだろうと選択。
NASAで宇宙関連の仕事に就きたいと、日々努力をしている小学6年生のハル君のクラスに転校してきた、ちょっと難しい性格をしたハーフの女の子イリス。イリスに振り回されるうちに、彼らの周りに暗黙のうちに存在していた問題が顕在化し、そしてそれを克服して成長していくという、どストレートなボーイミーツガールのジュブナイル小説。
難しいこと一切ないので、2時間くらいで読み切れる。
タイトルの割に、ペンギンなんて全然出てこないんだけど、でも読み終わったあとには心の底から納得する。
読み終わった後にこのタイトルを改めてみると、もともととても爽やかな読後感だったものに、さらに甘酸っぱい気持ちがないまぜになり。 -
Posted by ブクログ
「表紙のイラストが綺麗すぎるから」
とくだらないことを言ってしまいたくなるほど好みの絵柄。
加えて、作者は私と同じ札幌出身。
そしてあらすじを読めば、どうやら夏っぽい感じだ。
私は四季の中で夏が一番好きで、ちょうど、夏を感じ取れるような作品を読みたいところだった。
読み終えての感想としては、もう少し夏っぽさを求めていたところではあるが、この作品はこの作品としておもしろかった。
「どんでん返し」とか「あなたも騙される!」みたいなミステリ作品の結末はすぐ気づくくせに、こういう単純(?)なものにはすぐ引っかかる。
伏線もうまいように思えるし、結構振り回してもらえた。
トリックはとある有名な映画を思い出したが、それとはまた違う衝撃があった。
ただ、ラストシーンでの志穂さんの反応がもう少しあればよかった。
主人公も志穂さんも自分の中では想いがたくさんあるのだろうが、交流がなければ感動は生まれない。
あと、文章がたまにくどい。
「Aだ。まぁ、Bなのだろうが。」
という付け足しの表現が何度も出てくる。
もちろん、好印象のほうが大きい。
私は人が死ぬだけのミステリは嫌いだが、この作品は人が死なないミステリ。
ホラーといってもライトホラーで、「怖い!」となるような本ではない。
ちょうどいい。
誰でも読める作品だと思う。
作者twitterによると、刊行は決まっていないものの続きはあるそうなので、それに期待したい。
アニメになっても面白そうだ。
なので、この作品が売れるといい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ父親が多額の借金を残して亡くなった。
神田六彦はその肩代わりとして殺されかけるが、突如として現れた夏目と名乗る女によって、彼女の経営する店で働くことを条件に命を救われる。
しかし、そうして足を踏み入れたアレクサンドリアは、殺し屋を始めとする反社会的な人間だけが利用する言わば犯罪者書館。
常識も法律も通用しないその点では、シャーロック・ホームズを名乗る殺人鬼によって、次々と常連達が消され始めていた。
日常ミステリーと言って良いのかちょっと分からないですが殺し屋たちが出てくる割には、アレクサンドリアで起こるちょっとした謎解きは日常的かな?と思いました。
でも文章はすごく読みやすくてさらさら読めちゃいました!
ちょっと続編も期待していたのに、あれじゃ続編無理ですかね。。。