八重野統摩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中学2年生の沙耶は両親から虐待を受けていた。下校途中に児童相談所の職員を名乗る男に誘拐をされてしまう。誘拐されている最中では今まで自分の家ではありえないような優しさを受ける。なぜ誘拐犯はそんなにも優しいのか?誘拐犯の目的は?そんなミステリー作品です。
【読んだ直後の感情】
誘拐犯と沙耶とのやりとりがとても好ましく、そして暖かく…それが終わってしまった喪失感がありました。次に読む本のハードルが高く、悩んでしまう。それぐらいの一冊でした。
【印象に残ったポイント】
クライマックスのシーンを終えて、エピローグにより物語が完成されます。
それまでの誘拐犯と沙耶とのやり取りが思い出されて、泣ける一冊となります。
【総評・今後のメモ】
ミステリー作品としては視野が独特であり、とても楽しめる一冊です。ぜひおすすめします! -
Posted by ブクログ
子供社会の現実を垣間見た思いでした。
大人社会よりも生きにくそう
舐めていました
甘く考えていました
そんな子供達の小さな社会で
超然としてとても大人のように見えるハル君
小学6年生
状況を俯瞰して眺められ、冷静に周りの人たちを観察できる
でも物語が進むにつれて、家族との関係や懐いてくる友達に距離を置こうとするハル君に少しずつ違和感を感じていきました
喉の奥に刺さった小骨の感触がどんどん増していくように
そして、最後にハル君が抱えていた大きなハンデを知る事になる
ペンギンは羽はあっても飛ぶことはできない
首を宙に向けて思いっきり伸ばして
憧れることしかできない
でもハル君が自分の心にまで武装している鎧を全部とっぱらったら、今よりずっと身軽になって
ペンギンの羽だって
飛ぶことができるんじゃないかな
飛ぶことをもっともっと夢見ていいんじゃないかな
そんなエールを贈りたいな と思いながら読んでいて、エピローグの最後のハル君の言葉を目にしたら
なぁーんだ 私が思っていたよりずっと逞しく成長してるじゃない
て気がついた途端
なぜか涙が止まらなくなりました
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Posted by ブクログ
ネタバレ優しい、馴染みのある文章で紡がれているのでとても読みやすかったです。
人と心情の綺麗なお話なのかなと思っていたら、なんとなくどういうことだ?どうなるんだ?と思った疑問がエピローグで大っぴらに判明すると鳥肌が立って、だからこの人物はこの行動を行ったのか。と理解できた。
その行動原理や出来事を含めて結末の落とし込み方は納得いくし登場人物たちの温かい未来に繋がるのだろうなと安堵の気持ちになりました。
ワタシ、コウイッタ話、スキ。
主人公の祈りに向けた気持ちは理由があって良しと思わない視点に学びも得て、こうした作品も読んでおきたいな/著者の歴史も知っておきたいなと感じたり、
けれど一貫して伝えたいテーマは「祈り」であったのかなと。誰かのために祈るのは、誰かの無事を想ったり、誰かの未来を想像したり、「誰か」にフォーカスされている愛情表現なんだろうな。
祈りが、沙耶の両親の言動、心理に対比した内容であったので、親とはなんなのかも今の年齢で読めて良かったなと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後の結末に衝撃を受けた。
産まれたときに違う子供と入れ違いが起きていて、有野沙耶は本当は普通に愛される家で育つはずだった。でも入れ違いが起こってしまったがために、虐待を受け絶望を感じながら生きることになってしまった。それに責任を感じ、死んだほうがいいと思う渡辺の気持ちが少し分かる。でももし入れ違いが起きていなかったら、もう1人の子が虐待を受けていたと思うと、やるせない気持ちになる。
最後に渡辺が言った、「どうして、私はまだ、のうのうと生きているんだ」といえセリフに涙が出た。そう感じるのも分かるけど、あなただけの責任ではないよ、あなたのおかげで救われた人もいるんだよ、だからそんなに自分を責めないでって声をかけてあげたくなった。
あと、すごい素敵だなって思った言葉があった。p.292のカシミヤのマフラーをもらったシーンの沙耶の感情描写。
「本当に、頭がどうにかなりそうだった。嬉しくって、嬉しくって。高価なプレゼントをもらえたからではなく、そうではなくて、これほど誰かに大切にされたことが、なかったから。それが嬉しくて、仕方なかった。」
嬉しさを感じる理由がモノではなくて、渡辺さんが自分のために選んでくれたってことが沙耶にとって嬉しかったんだなって思って感動した。私も沙耶みたいに、自分の気持ちを深く考えられる人間になりたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレNASAエンジニアを目指す主人公が~というあらすじだけど、そんなにNASAや宇宙飛行がメインテーマというわけではない。ミステリ要素含みの少年の成長・友情物語という感じだろうか。
ミステリとして読んでいなかったので、途中の小さな違和感もスルーしてしまっていたのだけど、終盤で明かされてびっくり。読み返してみて、所々に伏線がちりばめられていて、確かに!ってなった。主人公の言動が大人びている感じなのも、関係しているのかもしれない。
風船気球を飛ばすにも行政の許可などがいるというのは知らなかった。確かに飛行機より高い所まで行くなら、勝手にやると危ないもんな…。ドローン飛ばすにも許可が要ったりするから当たり前といえば当たり前、でももし自分でやろうと思ったら、許可がいるという発想には至らなそう。
お話として楽しく読めて、良かった。登場人物全員を不必要に深掘りしていないのも個人的には良かった。
あと、三好がいい奴すぎる。主人公が大人びているのは何となく分かるとして、三好がいい奴すぎるのはなんでなんだろうな。彼が報われてほしい、と思う。