傳田光洋のレビュー一覧
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ネタバレ皮膚は第三の脳!? -2008.02.08記
皮膚には第三の脳ともいうべき未知の思考回路があり、生物にとって最も重要な器官とさえ云いうると、資生堂ライフサイエンス研究センターの主任研究員を務める傳田光洋氏が自説を開陳する「第三の脳」-朝日出版社刊-は、たんに外界から分かつだけにすぎぬとみられる皮膚から捉えなおした人間観.生命観がずいぶんと刺戟的で興味深く読める。
著者の説くところを本書の終章にあたる「第6章-皮膚から見る世界」-p176~-から以下適宜引用すれば、
進化の過程において、ヒトの皮膚と同種の基本構造が現れるのは、両生類から爬虫類にかけてであること。ヒトの皮膚の原型はカエ -
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特に1番印象的だったことは、視覚障害者が舌になんらかの圧を加え、学習させると、ボールをバットで撃てるようになること。
舌はご飯を食べる時にも使うし、キスをする時にも使うけど、確かに感じると言うことに全てが集約されてるのかも。
視覚・聴覚は記号化できるけど、触覚と嗅覚だけは確かに人によって感じ方が違う。おもしろい。
以下記憶したい部分を抜粋。
顔面フィードバック・・・自分の顔の表情が、その感情を誘導する
口が笑っている形になるだけで、人間はより楽しい気分になる
拒食症患者は健常者に比べて、触覚による図形の把握が下手
不幸な幼少期を送って脳構造にその影響が残ったとしても、あるいはうつ病に -
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杉や松の表皮の模様が、なぜあのようになるのか。
なるほど、と面白かった。
子供の頃に清潔にし過ぎると、アトピーなどのアレルギーになりやすい、ということも、他でも聞いたことがあるし、確かにそうだろうと思う。
人類は菌やウイルスなどと共に生きてきたのに、清潔にし過ぎると免疫システムのバランスが崩れるのだ。
ホモ・サピエンスの話も面白かった。
ホモ・サピエンスは挑戦者であり、スペシャリストを志向する能力や性格を持っていた。
だから、生き残れた。
ネアンデルタール人やデニソワ人は、そうではなかった。
少数者を多数の力で排除せず、受け入れ、認めることで、ホモサピエンスは生き残り、発展してきた。
多様 -
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皮膚って凄い。肌断食を始めてから、皮膚科学の本が面白くてたまらない。皮膚は、最先端科学でもまだまだ解明出来ていないにもかかわらず、私たちが直に触れることのできる、もっとも巨大な「臓器」なのだ。筆者は資生堂の研究員。肌につけるものを研究している人が書く、皮膚の話。ちょっと専門的過ぎて付いて行けない話もあったけど、逆に、私のように文系の頭でも分かりやすく説明されているところもある。
皮膚の特性を西洋医学や科学者が解明するよりずっと前から、東洋医学や作家たちはとっくに真理を見抜いていた。『芸術は往々にして歩みののろい科学を先取りすることがある』(p77)という素敵なコメントも要所要所にあって、単 -
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<皮膚。内と外の境界となるもの>
皮膚は、個体と外部環境との接点となる場所である。いわば、体の最前線だ。
物理化学を学び、後に資生堂の研究員として皮膚について研究してきた著者が、最新の細胞生物学的研究を中心に皮膚のあれこれを解説する。話題は多岐に渡り、化粧が精神に与える影響や、皮膚への数理学の適用まで。
目を見張るほどおもしろい、皮膚のあれこれ。
俗にスキンシップという。肌に触られたときに、それが心理的に影響を及ぼすのは珍しいことではない。
皮膚は外からの刺激をどのように感知しているのか。その機構が徐々に明らかになってきている。
皮膚は、一本の髪の細さも感知する。従来は、神経や指紋が触覚 -
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皮膚感覚が人間に及ぼす影響がある。著書によると、客にお釣りなどを渡す際に、手に触れると店員に対する好感度がアップし、客がたくさん買い物をするとある。ただし、「王子様」、「きれいなお姉さん」かどうかは関係ないとある。どうせ触れられるならイケメンや萌えーとなるような人の方がいいと思うのが人情だと思う。ひねくれ者のでもない限り。
人間だけでなく、ネズミでも子ネズミに毛づくろいをして大切にした場合とそうでない場合とでは、その後の人生ならぬチュー生が変わるとある。大切にされた子ネズミが大人になって子供を育てる際、自分がやってもらったように自分の子供を大切にするとある。
体の洗いすぎは、皮膚が乾 -
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タイトルから、もっと抽象的な内容を想像していたのだが、具体的な論文や実験データが多く引かれ、非常に科学的。かなり専門性の高い記述も多く正直手こずったのだが、興味深い内容で引き込まれた。
「皮膚の最も重要な役割は、生体を環境変化から護る、防御システムとしての機能」このあたりは、誰でも想像がつくだろう。
では、表皮は脳に似ている、と言われればどうか。一体何を言い出すのかと、面食らうに違いない。
第1章から6章までは、様々な論文や、具体的な働きを研究した結果を数多く引きながら、人間の生育過程や進化の面から見た表皮、また、触覚だけでなく聴覚や視覚といった感覚まで有する皮膚について解説、脳の働きによ