あらすじ
皮膚には視覚、聴覚があり、あるいは学習し、予知する力がある。その知られざる「皮膚感覚」を説く気鋭の皮膚研究者が、村上春樹のエルサレムスピーチを引用するとき、私たちが「裸のサル」になった本当の理由が明らかになる……。知的にしてスリリング! ページをめくる指先の快感!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
皮膚を、体内と外界を分ける境界線として小説を書いている点が印象的だった。
人間は生まれてから、まず世界を皮膚で知り、脳を活性化し、言葉が生まれ、美術となった。
人間が意識していない無意識を感知する皮膚が人間の心や体に与える影響は大きいはずであるということがよく伝わった。
また、西洋的な感性では、
世界に対して距離をとり、明晰判明な像を結ぼうとする。
つまり、肌感覚を大事にしていない側面がある
その一方で、言語は生まれた。
そこにヒントがあるのでは?
認知科学における触覚がブレイクスルーするか期待したい
Posted by ブクログ
皮膚っていったい何者?
私たちの身体を覆っている皮膚。
実は人体で最大の臓器であり、私たちと外界をつなぐ大事な境界の役割を担っている陰の立役者。
普段私たちの意識には表れていないけれど、音や色を感じるなど知能を持っている!?
そんな皮膚の驚くべき存在について、知る事が出来ます。この本を読んだ後には、様々なモノに触れたくなるかもしれません。
Posted by ブクログ
人間の皮膚の持つ様々な機能とその素晴らしさを詳細な事例と共に縷々述べている第4部までも読み応えがあったが,その後の第5-6部の内容が秀逸だ.遠くに第7部の「芸術を科学について」で絵画や音楽の豊富な知識がちりばめられた記述は素晴らしい.それにしても,ケラチノサイトの多様性は凄い.資生堂の奥の深さを実感した.