傳田光洋のレビュー一覧
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タイトルから、もっと抽象的な内容を想像していたのだが、具体的な論文や実験データが多く引かれ、非常に科学的。かなり専門性の高い記述も多く正直手こずったのだが、興味深い内容で引き込まれた。
「皮膚の最も重要な役割は、生体を環境変化から護る、防御システムとしての機能」このあたりは、誰でも想像がつくだろう。
では、表皮は脳に似ている、と言われればどうか。一体何を言い出すのかと、面食らうに違いない。
第1章から6章までは、様々な論文や、具体的な働きを研究した結果を数多く引きながら、人間の生育過程や進化の面から見た表皮、また、触覚だけでなく聴覚や視覚といった感覚まで有する皮膚について解説、脳の働きによ -
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鍼灸の作用機序は現代科学で明らかになっていない。
これを、非科学的だからと取るか、または一種の哲学や思想であり医学ではないと取るか、それともあくまで現代科学では明らかになっていないが経験科学によって支えられていると考えるか。様々な捉え方があり、特にわが国では前者二つの受け取り方が大勢を占め、その結果鍼灸の生涯受診率が6%という結果になっているわけである。
しかしながら意外や欧州、例えばドイツでは日本よりはるかに鍼灸治療を医療のチョイスにいれている人が日本の倍ほどもいたりする。
この本は皮膚についての本であるが、最後一章を割いて鍼灸治療について書かれている。
なぜ鍼灸治療では皮膚に鍼やお -
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皮膚を科学している。健康な人間にとって皮膚とは空気のようなものだろう。しかし、その皮膚をひとつの臓器として考察し、皮膚のもつさまざまな機能を紹介している。
脳も感覚器も皮膚も外胚葉由来の臓器である。脳を持つ一部の高等生命体以外は、皮膚で考えているのではないだろうか?このクエスチョンは、斬新だ。我々を新しい思考の渦へと誘ってくれる。
某有名化粧品メーカーの研究者であり、アトピー患者でもある著者の語り口は、非常に軽快でユーモアに富んでいます。著者自身、鍼灸治療でアトピーの症状が改善された経験があり、東洋医学や鍼灸治療についての考察もあるので、おもしろいですよ。 -
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発生の段階で、脳や脊髄、目、鼻、口、耳は外肺葉がくぼんで形成され、残った部分が皮膚の表皮になるため、神経系、感覚器、皮膚は出自が同じ。
表皮細胞のケラチノサイトは様々なホルモンを合成し、その受容体も存在する。神経細胞と同じ電位のオン・オフの状態もある。表皮が興奮状態だとバリア機能の回復が遅れ、抑制されると回復が促進され、肌荒れも治る。
アトピー性皮膚炎には海水浴療法があり、美容には、にがり療法がある(海水からナトリウムを除いたもので、主成分はマグネシウム塩とカルシウム塩)。
グルーミングによって、快楽ホルモンであるβエンドルフィンが放出される。 -
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皮膚が感覚で受信をして考え選択して反応する
脳も神経もないゾウリムシのような原生動物にも生きよとする意志がある
認識や判断があってものの味がわかるらしい
細胞膜という皮膚が環境を感じ取り
自己の生存のために「快適」さを選択する
人間の皮膚には脳と似た組織と細胞があるという
情報を受け取って考え作戦を練って防御したり反応する
体毛を捨てた人間は鋭敏な感覚を物にした
特に顔の皮膚は裸で常に晒されているにも関わらず
もっとも角質が薄く敏感なのだそうだ
顔は脳のそばにあって五感のすべてを一手に引き受けている
皮膚の三分の一を失えば死に至る
外と内をつなぎ、すべての臓器の働き -
Posted by ブクログ
改めて、情報を処理する仕組みと言うのが「脳」という一部の仕事でない事を実感させられる。そのような内容になっている。より工学的な視点から生物の環境との関わり合いを知る一つのきっかけとして本書はすばらしい価値を持っていると思われる。また同時に、改めて「脳」という中央処理システムがヒトという集合体の中でどのような役割を担っているかを再確認するために大きな役割を担ってくれるように思える。
全身を顔するために人には手がない、それは全身をセンサーにする、全身が脳のようになる、という事を指すのだ、という指摘は非常に想像力を膨らませる。より外界と敏感な関係を構築するために人は体毛を捨て、さらにそれを突き詰