イケダハヤトのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前大阪市長の平松邦夫が立ち上げた「公共政策ラボ」主催のシンポジウムの模様をまとめた一冊。この本を手に取った理由は、ほかでもない内田樹が討論をリードしているから。早くから橋本徹の教育に関する施策に異議を唱えていた内田樹が、その橋本徹に選挙で敗れた平松邦夫とタッグを組んだわけだから、ちょっと見過ごすことができなかった。
内容は、内田樹がかねてから唱えている(かつ、ワタシも賛同している)「贈与経済」という考え方を、国家規模、グローバル規模であてはめていったらどうなるか、という討論が中心になっている。そして、これをあてはめていくとグローバル社会から脱してゆくことになる、というのがこのシンポジウムのコア -
Posted by ブクログ
「旗を立てて生きる」「年収150万円で僕らは自由に生きていく」に続いて読んでみた本。やっぱりイケダさんの文章は面白く、はっきりとした持論を展開しており刺激的で心地よい。正直、こんなに面白い人がどうして炎上?叩かれるの?と思ってしまう。
普段私たちは「空気を読む」ことを重要視し、その傾向が強まっているように感じる。しかし本書は「空気なんて読まなくていい」。その思いを通し、炎上を通し、残るのは本当に味方でいてくれる人だと。
炎上は必ずしも悪いことではない。むしろ良い方向に大きく転換できるもの。
確かにな、と思ったのは、「ネット上でもリアルの世界でも、本心では褒めたいと思いながら、発信や発言の場 -
Posted by ブクログ
僕は(僕達は?)空気を読むことに努めがちですが、良かれと思っているにもかかわらず、却って後悔したり生き辛くなっていないか…と思いました。
空気を読まずに(そういえば「KY」なんて単語もありましたね)発言してひんしゅくをかっても、それが自分だから仕方ないのかもしれません。
バカだの非常識だの神経質だの酒しか飲めないくせにだの(←あ、これは僕だけか)叩かれても、そんなこと僕自身がいちばん知っているのです。
しかしそれも僕だから仕方ない。
もちろん自分で嫌だなと思うところは、できるだけ良くしたいとは思っていますが…。
ひんしゅくをかっても、しかし見ていてくれる人は見ていてくれるものと書いてありま -
Posted by ブクログ
グローバル化、新自由主義、何だか地に足が付いていないことがどんどん進んでいるような…。身体感覚のない言論が過激さを加速する。匿名のネット上での発言が問題になるのも納得です。
ここのところの内田氏はグローバル化、グローバル企業と国民国家が相入れない関係であることを盛んに書いています。株式会社の平均寿命が10年未満なのにたいして人間の寿命は数十年。我々の身体感覚ではものごとを100年単位で捉えている。それを体現しようとするシステムが国民国家である。企業は100年後のことには興味ないのですぐに効果、結果を求める。この企業の論理が国民国家に浸透してきてしまっている。これが何を生み出すのか私たちは冷静 -
Posted by ブクログ
内田:この20年ほどの「構造改革・規制緩和」の流れというのは、こういう国民国家が「弱者」のために担保してきた諸制度を「無駄使い」で非効率だと謗るものでした。(P.5)
中島:かつての70年代くらいの若者にとって、未来というのは輝けるものとして存在した。とすると、今ある自分の現実に対して「俺にはもっと幸福が先にあるんだ」と思えた。だから今の自分はまだまだ幸福ではない、と言っていた。しかし今の若者には先が見えない。輝ける未来や、今よりよい自分というビジョンが描けない。あるいは欠落している。だったら今の状態を幸せだと言っておかないと…と考えてしまう。(P.62)
内田:今の公共政策の、まず税金を -
Posted by ブクログ
私自身、東京生活での息苦しさを日に日に増すようになってきており、東京脱出を試みようと移住関係の情報を集め出したところである。その中で本書を見つけ、インパクトのあるタイトルに惹かれて読んでみた。
私自身が東京での生活にうんざりしていることもあり、著者が冒頭のほうで述べている内容は頷けるものが多かった。タイトルからも伝わると思うが、所々煽るような語り口なので反感をかう人も多いだろうなーと思いながら読み進めていたが、キッパリと言い切るスタイルは個人的にはいいと思う。
著者が本書を執筆した当時、高知に移住して1,2年ぐらい状況だったので、後半の移住後に関する内容については限定的で、説得性に欠ける内