遠藤誉のレビュー一覧

  • チャイナ・ナイン

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    この本は 中国を見る視点が 中国の現実の中から
    歴史的な経過もふまえて、見通そうと努力している点ですぐれている。

    この表題である チャイナナイン という言葉は
    中国が 個人指導ではなく 集団指導であるという
    ことを 正確に言い切っていることだろう。
    それは,文化大革命の反省からきているというのも、
    きわめて重要な指摘である。
    権力が個人に集中することで、大きな誤りを起こさない
    というのは,正しい選択である。

    中国における権力闘争の構図が明確になる。
    中国を牛耳っているのが チャイナナイン。
    現在は チャイナセブン。
    権力の中枢。ここにはいれば 安全圏 という話が、
    今少し変わっているような

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    2014年01月03日
  • チャイナ・ナイン

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    チャイナ・ナインの中にどんなに激しい党内派閥があったとしても、全員が一致していることが1つだけある。それは絶対に社会主義国家としての中国を崩壊させてはならないと言う鉄の理念である。戦争などを仕掛けて、中国の誰が得をするのか。

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    2013年10月14日
  • チャイナ・ジャッジ

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    小説より奇と言われた薄熙来事件の謎の部分の解明を試みた本である。中国生まれで中国での仕事の経験が豊富な著者が、過去からこの事件までの多くの報道事実を元に、薄熙来の人格や事件の背景をドキュメンタリーに描き、最後に筆者の推察を示してくれる。深い考察の基づくその結果はきっと正しい。何しろ筆者は、李源潮副主席の就任を予言して見事に当てた経歴があるのだ。そのような洞察力のある筆者は、物理学者で社会学者で、中国や日本の大学教授も勤めた才女である。名前で男性だと思いこんでいたので、それを知って驚いた。文章はわずかに感情的なところがあるが全体として優しい文体で、論理的であると同時にゾッとするようなところも淡々

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    2013年06月13日
  • チャイナ・ギャップ

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    遠藤教授の新作、

    愛国主義教育はなぜ始まったのか?
    中国革命から文革、凶暴であるほど革命的であると英雄視される、「大地のトラウマ」何千年も続いた封建社会の土壌には一党支配的専制はよく馴染む、「暴力革命」「アメリカ従属」日中感情のギャップ、

    親米のルーツ、義和団の乱、清華学堂、清華大学、

    尖閣から長春へ カイロ宣言に翻弄された人生、

    遠藤教授が暗殺されずに、チャイナギャップを埋める活動を続けられることを期待する。

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    2013年06月06日
  • チャイナ・ジャッジ

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    薄熙来と谷開来に関する一連の事件を
    その生い立ちも含め丁寧に追った一冊。
    恥ずかしながら本事件について
    リアルタイムでは全く触れていなかったのだが、
    情報の早さとその量には驚かされる。
    主張も複雑ながらわかりやすく描かれており、
    スピード感を持って読み切ることができた。
    筆者の昔語りが必要以上に盛り込まれているようにも感じたが、
    それを差し引いても現代中国のしくみを知る上でオススメしたい一冊。

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    2013年04月23日
  • チャイナ・ジャッジ

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    チャイナ・ナインと合わせて読むと理解がさらに進みます。
    中国の政治の闘争というのがよくわかります。それにしても、薄煕来が中国のトップになっていたらと思うと恐ろしいです。そういう意味ではギリギリのところで、中国の統治が働いていたというところなのかもしれません。社会主義国とはいえ、選挙制度もある国です。経済もそうですが、第5世代までくると体制にほころびが目立ち始めているということかもしれません。

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    2013年04月07日
  • チャイナ・ジャッジ

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    薄熙来事件の真相に迫る調査と思考を、文化大革命以後の歴史と人間関係と絡めて記述されています。今の大連の土台は、薄氏の大連市長時代にあると言われていますが、その裏にあったものをここまで詳しく知る機会はありませんでした。にわか中国ウォッチャーにはヘビーすぎる本。中国に対して深い洞察を求める人にだけオススメします。

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    2013年03月06日
  • チャイナ・ナイン

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    圧倒的な情報量と思考に裏付けられて書かれた本だと思います。この本に「終章 未完の革命」という章が最後にありますが、ここから読むのが良いかもしれません。
    筆者の生い立ちから記載されていますが、その経験がすさまじいです。これだけの経験を経て生きてきているからこそ、これだけの質の高いレポートができるのだととても納得しました。
    中国という国を把握するのには必読の1冊ではないかと思います。

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    2013年02月25日
  • チャイナ・ナイン

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    日経ビジネスオンラインで中国ネタはいろいろ有るが抜群に分析が鋭い遠藤氏の現在進行形の解説書。中身は先のサイトに書かれたものも有るがまとめて読む方が理解しやすい。
    中国を動かしているのは9人の中央政治局常務委員で、25人の政治局委員から選ばれる。重大な決定は9人の多数決で行なわれるので、誰が選ばれるか熾烈な派閥争いが続く。失脚した薄熙来はパフォーマンスでアピールしたが、毛沢東時代に戻る気がない胡温に見放された。
    今年の秋メンバーが入れ替わり習近平と李克強以外の7人が新たに常務委員となる。25名の内67歳以下が時期候補で9人いる。この中で誰が入るのかがこの夏の一つのポイントで、もう一つは習近平の次

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    2013年02月20日
  • チャイナ・ジャッジ

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    薄 熙来、中共八大元老の一人薄一波の息子で有りながら文革の際に率先して父親を殴り、倒れたあと蹴りつけて肋骨を折った男。薄一波はその後息子について、この酷薄さと手段を選ばない所について国家指導者としての見込みが有ると評しており、自分が引き上げた江沢民に息子を引き上げるように頼み、2004年に商務部長(大臣にあたる)として中央にデビューさせた。

    天安門事件のきっかけは胡耀邦の死だが、失脚させたのは胡耀邦によって名誉を回復させてもらった薄一波だ。この時胡耀邦を守ろうとしたのが同じ八大元老の一人で習近平の父。薄一波は改革解放が進むと息子の出世の目がなくなるため推進派の胡耀邦と趙紫陽を失脚させ、鄧小平

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    2013年02月19日
  • チャイナ・ナイン

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    中国の意思決定のプロセス、長期的な国家戦略、人民の行動の背景にあるもの、等々、中国を理解する上で非常に参考になる本でした。中国とビジネスする人は読んでおく価値あると思います。

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    2012年12月27日
  • チャイナ・ナイン

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    日本に住んでいると極めて分かりにくい中国という国。その実態に、簡単な近代史と、ガバナンス体制の解説から迫る良書。日本もたいがいで、中国もたいがい。というより、シビアな歴史を生きてきて、その国特有の事情があって現代に至る、それを理解すれば、あまりいがみ合う必要はない。

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    2020年04月03日
  • チャイナ・ジャッジ

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    ちょいちょい著者の自己アピールを挟まないといけないという誘惑に著者は勝てないらしく、著者の我の強さに笑ってしまった。その自らを自らでプッシュすることに躊躇いを覚えないのが中国なのかとも感じた。
    恥ずかしながら、中国の指導体制は共産党の支配体制だとは知っていたが、彼らがなにをして、どのように国が成り立ってるのかはまったく知らなくて、ものすごく勉強になった。
    おそらく薄氏のような偏った者は少ないだろうが、中国人が海外に居を移す理由が透けて見えたし、政府が信用できないというのも頷けた。
    中国恐るべしが非常によくわかった。昼ドラかと思ってしまうほど、俄かには信じ難い事実ばかりで笑えてしまう。だが、そん

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    2012年11月12日
  • チャイナ・ナイン

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    知らなかったたくさんの史実と考察が分かり易く描かれた素晴らしいルポルタージュ。
    筆者の情報レベルの深さ・広さには感服するばかりで、平易な表現に徹していて とても読み易く、好感がもてます。

    体制を危険にさらすのは、政治でも経済でもなく「精神文化」であること/
    「たかが漫画」と放置した日本漫画が、若年層の精神に影響していること/
    共産党以外に、8つの民主党派が存在すること。

    これらのことは本書で初めて触れた事実でした。
    今ままでは 狭く浅い情報で近視眼的に 中国を見てきたと省みるばかり。
    やはり 多面的に知る・考える、が大切と思い知る。

    終章にて明かされた 革命戦争時の筆者の壮絶な瀕死体験。

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    2017年07月02日
  • チャイナ・ナイン

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     ひさかたぶりに凄い本に出会えた。本書を読んで、中国の現状が手に取るようにわかる思いを持った。著者の情報力・分析力・表現力、全てを絶賛したい。
     現在の世界において、かつてないほど大きな存在になった中国。その謎に満ちた政治体制の奥の院を、手に取るように語る本書の内容は、垣間見える中国共産党の姿を完璧に誰の目にも見えるように紹介したようにも思えた。
     「江沢民・上海閥」「胡錦涛・共産主義青年団閥」「習近平・太子党」の権力の構図を、その歴史から現状、関係性、法則、力関係、文化、政治方針、構造にいたるまで詳細に解明していると思えた。
     その内容は、最近明らかになってきた中国共産党の過去の詳細な歴史よ

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    2012年06月09日
  • チャイナ・ナイン

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    ネタバレ

    めちゃくちゃリアル。
    国共内戦を壮絶に生き抜いた、遠藤誉さんの文章には説得力があります。

    そしてこの本を読んだ後には、日本の政治よりも中国の政治に詳しくなること間違いなし。
    この本を読んでますます、「特色ある社会主義国家の建設」という思想に興味が湧きました。

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    2017年08月19日
  • ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略 世界はどう変わるのか

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    中国の戦略的立場と「軍冷経熱」
     習近平政権がロシアのウクライナ侵攻に対して「軍事的には冷却し、経済的には熱烈に支援する」という「軍冷経熱」の戦略を採っていると指摘している。
    このアプローチは、中国がロシアの軍事行動には賛同しない一方で、経済的には協力を強化し、米国主導の国際秩序に対抗する姿勢を示している。

    主要な戦略的要素
     1. 経済的支援とエネルギー協力
    中国は、ロシアからのエネルギー資源の安価な輸入を通じて、ロシア経済を支援している。また、ロシアの金融機関に対する制裁を回避するため、中国系銀行が貿易決済を担い、人民元を用いた取引を促進している。
    これにより、ロシアは経済的に中国への依

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    2025年08月10日
  • 毛沢東―日本軍と共謀した男―

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    面白い。毛沢東という人物、中華人民共和国がどのようにして誕生したのかが分かる。
    中国の近現代史を知るには必須の書かな。

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    2025年07月07日
  • 中国人が選んだワースト中国人番付-やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ-(小学館新書)

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    ネタバレ

    いやはや凄い本です。著者が言う事が真実ならば(100%ではないが80%は真実だと思うが)この中国という国は遅かれ早かれいつかは崩壊すると考えます。

    賄賂と女性上納の話を読むと国内でやってることを外交でもやってるんだろうなと変に納得しました。
    2013年南方オンライン
    20年来2万人の汚職官僚が外逃逃げる先は米国カナダ
    2011年以前11年間官僚不正流失400兆円毎年40兆円

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    2025年05月12日
  • 習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン

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    「父を破滅させた鄧小平への復讐」「米中覇権競争で一歩も引けない」これが根底にあると筆者は書く。
    鄧小平への見方が変わった。
    あとチャイナセブンで注目は「丁薛祥(ていせつよう)」覚えておこう。

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    2024年02月15日