安藤祐介のレビュー一覧
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〝やっぱりここは、俺の居場所だ〟
生きる希望を失い、死に場所を求めて河川敷をさまよっていた丸川は、泥まみれになって楕円のボールを追う男たちと出会う。
そうして生き続ける道を選んだ。
「不惑」とは、数え年で40歳のことなんですね。
そして字の通り、「迷いのないこと」という意味もあるそう。
論語の「四十にして惑わず」
からの言葉からきてるらしいが、私はいまだ迷いだらけ(;´∀`)
きっと死ぬまで迷ってる気がするwww
この作品は、40歳以上限定の「不惑ラグビー」に打ち込む男たちの熱い物語。
週末のグラウンドに集まる仲間は、社会的地位や利害関係もなく、ただ楕円のボールに集まったシンプルな関係だ。
そんな〝居場所〟があるって、本当に羨ましいなぁと思う。
「トライのある人生とトライのない人生は違うのかもしれない」
この言葉は作中ではラグビーの試合においての〝トライ〟について言っているが、人生においての〝トライ〟のことも指しているのだろう。
〝青春〟は若い人だけのものじゃないよね?
いくつになっても熱い気持ちを持って、人生を楽しみたいと思った。
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Posted by ブクログ
勤め人小説。
社長の一言から、配下の役職社員たちが大騒ぎし、それに振り回される一介の社員を描いた作品。
会議のための会議、会議のための会議のための資料作りのための打ち合わせ、根回し地獄、生産性のない資料作り、見もしない資料の印刷(大量)、スタンプラリーなどなど…
「上の人」たちの気質や、会社の制度上のしがらみなど、社会人あるあるの描写が見事。
間に入る大人たちが、自己の保身や権威を示すために、1を10にも100にもややこしくしてるんだと、つくづく思わされた。
まじで発出元と直接話させてくれと思うことしきり。
してその本質は、「なんのために働くのか?」を考えさせる内容。
結局のところ、生きるため、お金のためというのは大前提として、それだけでは折れちゃうから、何かやりがいを、という主題。
どんなに腐った現場でも、考え方次第で云々というのは、自己啓発書なんかでよく見かける結論ではある。
そこで見限って場を移すのではなく、居続けながらもじゃあどうするか、が描かれる。
真っ向から立ち向かうばかりが手段じゃないということにも気付かされる。
小説ゆえ、「そうはならんやろ」的な部分も見受けられるが、爽快なオチには帰結している。
リアリティがあるかどうかは別として。
あるあるを楽しめて、いろいろ考えさせられて、物語としても楽しめた。
そういう意味では、満足度の高い作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大成功、だからハッピーエンド!
という訳じゃないストーリー構成がよい。
成功したり一番にならなければハッピーになれない訳じゃない。
少し厚めの本で、
その分、各キャラクターのいく先に引き込まれて読んだ。
最後の文、
お笑い芸人のいない世界よりも、お笑い芸人のいる世界のほうがきっと楽しい。
というのが結局この話を纏めてるのかなと、終わり方も心地よかった。
以下、好きな箇所。
自分は選ばれなかった人間だと思っていた。それは、手からこぼれ落ちていったものば
かりに目を向けていたからだ。
学園に出場した、プロ野球選手になった、スーパーの社員になった、お笑い実業団と出会った。与えられた場所のひとつひとつや出会った人々のひとりひとりに、感謝の気持ちを持って目を向ける。すると、自分もまた何かに選ばれた人間だと知る。
きっと皆、その時々、何かや誰かに選ばれてその場所にいるのだ。
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Posted by ブクログ
ブラック企業に勤める3人の会社員が人の心を持っていると思えないパワハラ上司に人権を無視した罵詈雑言を浴びさせられ、ボロ雑巾のように過酷な日々を送った結果、3人のうちの1人に不幸なことが起きる章から始まる短編集。短編集とは言えども、登場人物がそれぞれ1冊を通じてつながっていたから苦手なthe短編集ではなかったのが良かった。
印象に残ってるのは上河内とニドウのシーン。あまりにも非人道的な言動が過ぎてて読んでるこっちも怒りが沸々と湧いてきた。
8年経った村沢が同じ過ちを繰り返さないために、ナガツくんを必死に救おうとしてるところに心を打たれた。
悪いと思うことに対して目を背けずに立ち向かっていこう。