安藤祐介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ誰もが考えること。
宝くじ高額当選…
しかし宝くじで数億円当選しても、金銭感覚がマヒしてしまい破産する人の方が多いというらしい。
この小説は平凡な会社員・新堂修一が、大晦日に宝くじで2億円当たったと知るところから始まる夢のような幸運のはずが、当選をきっかけに職場や家族、恋人との関係が揺れ始めるのだ…最初の方で当選をポロッと両親にうっかり話してしまったことで、寄付団体や遠い親戚までが擦り寄ってくる。
また誰かがフルネームを◯ちゃんねるのような不特定多数のサイトに書き込み、大混乱…主人公は開き直って、高額当選したことを自らSNSに告知する。ところが本人は会社勤めを続けるものだから、社長からは社員に悪影響を与えるなと忠告され、ご祝儀には30万円包んでくれると評判になり、あまり親しくない友人までが結婚式に呼ぼうとする。
親への恩返しに海外旅行をプレゼント、実家のリフォーム代金、妹の結婚にあたりお祝い金、自然保護団体へ寄付した他は、怪しいビジネスに勧誘されたり、親友から名前貸しの詐欺に巻き込まれ、ヤミ金に脅されたり、あとは散々な内容だ。
結局は会社も自主退職となり、主人公は当選金をほとんど散財し、孤独になるが最後はハッピーエンド。フィクションではあるが、こんなような生活が待っているのなら、あまり羨ましくはないなあ。
宝くじ売り場の前を通る際に、
『今買えば高額当選するかも』
『そんな当たるわけないよ』
『でも買わなきゃ当たらないよね』
『当たったことないでしょ、また損するよ』
と心の中で葛藤し、結局買わないことあるよなあ。宝くじ高額当選は小市民の夢であることは間違いない…
もしも貴方が高額当選したら、誰かに言いますか? -
Posted by ブクログ
Audible聴了。
定年退職する元バリバリの営業部長(営業副本部長)が陥れられ、労働安全衛生部長(通称パトロール部長)に左遷されながらも、定年退職の最終日に、彼を慕う社員たちに助けられて陥れられた相手(専務、経営戦略部長)に(自分は望まずとも)一矢報いる話。そして彼自身はパトロール部長の間にビル清掃会社を立ち上げる準備をして無事起業する。
自分もある社長のときに梯子を外されて苦い思いで最後の数年間を過ごし定年を迎えたが(再雇用はせず)、やはり腐らず個人事業主としてIT企業のお手伝いをすることができるようになり、今もスタートアップ企業の営業顧問としてお手伝いできているのはありがたい。先輩たちや友人との繋がりに感謝している。 -
Posted by ブクログ
自分の夢を熱く語る営業、一番苦手なやつだ。サラリーマンの仕事なんて理不尽なことも面倒なこともたくさんあるけど、とにかく地道に確実に積み重ねていくものだ。自分は全くできていないけど、目指していたのはこの小説の主人公のような熱血系ではなく着実に実績を上げる先輩営業。こっちを肩入れして読んでいくか。
日の当たらない仕事の裏にも多くの人たちの努力、技術、拘りがあり、それを積み重ねるところにドラマがある、というのは企業小説の定番のようだが、出版とか書店とかは何となくお手盛りな感じもして、今ひとつ引き込まれない。全く偏見で自分の勝手だけど。
ストーリーは予想通り先輩、上司、取引先、職人と言った関係者が主人公の熱意に絆されるようにして、いい書籍を作り上げようと奔走する。幾多の困難を乗り越えながら。捻くれ者のサラリーマン小職も何となくその話を見過ごせなくなって、最後はこの会社とその界隈で働く人たちを応援したいという気持ちになった。紙の本は好きだし必需品だ。出版業界も夢見ていかなければいい本を作り続けられないだろう。これからもよろしくお願いします。 -
Posted by ブクログ
何か大事件があった訳じゃない。最後に代どんでん返しがある訳でもない。ただ粛々と自分たちの仕事と向き合い、情熱を持って本をつくっている人々の日常だった。
豊澄印刷株式会社の営業担当である浦本が主人公。彼を取り巻く印刷会社の実態や、印刷工場で働く野末、ジロさん。作家さんや、本の編集者さん、実際に本ができるまでどんな工程を踏み、どのように読み手に届くのかが詳しく書かれている。私が衝撃をうけたのが、本には色々な仕掛けがあるということ。本のカバーに本物の火薬の粉末を使用したり、紙にも色々種類があったり、読者の気づかない仕掛けが色々あるんだ、という視点に気付けたことが良かった。そう思うと、この本の表紙も、印刷工場で仕事をしている職人さんが暗闇の中で仕事をしているこの写真が、「ほんのエンドロール」というタイトルに最もぴったりなような気がする。作家さんが書くだけじゃなく、たくさんの人が本を作ってると知れたのがとても良かったし、感動した。
好きなセリフが「たとえ天職じゃなくてもいい。この仕事をやっていてよかった。そう思える瞬間が日々の端々、所々にあればそれはきっと幸せなことだろう。」確かになぁ、納得した。 -
Posted by ブクログ
■サマリー
・人と人とのふれあい
・元受刑者がラグビーを通じて生きることを選択する
・人はみんな事情を抱えて生きている
■所感
丸川良平43歳は、もとは平凡なサラリーマンであったが、電車内での痴漢冤罪に巻き込まれそうになり、何とか無実であることを証明できたのも束の間である。その後、酔っ払いに絡まれキレてしまった丸川は酔っ払いを殺めてしまい、傷害致死罪で捕まってしまう。
丸川には妻と2歳の娘がいたが、獄中で自ら離婚を言い渡し、家族との縁を断ち切った・・・。
とても暗ーい内容で始まる本物語は、この丸川某がラグビーを通じて一度は人生に失望し、自殺を試みたものの、生きていくことを選択しようとする再スタートの物語である。
とはいえ、やはり人間とはいつ何時も冷静でいることが肝要であると学んだ。一時の感情によって我を忘れてしまえば、取り返しのつかないことになってしまうこともある。
明日は我が身である。
自戒を込めて、自分自身も気を付けて生きていかなければならない。
終わり方には賛否両論あると思う。
少々きれいすぎる終わり方に現実感がないことは否めないが、こういうハッピーエンドもあってよいかもと思えた。
■心に残った部分
「そういえば最近みんな、何やらもめているようだね」
宇多津は、さりげなく二人に向けて話を振ってみた。
丸川は「申し訳ありません」と頭を下げた。
「いい歳したオヤジたちにも、喧嘩は絶えないものだね。『四十にして惑わず』なんていうが、なかなか難しい」
「その一節、ぼくは大嫌いです。全く共感できません」「二階堂謙倍にかかれば、孔子先生の論語もかたなしだな」
宇多津は笑った。
「四十歳で惑いのない人なんて、この世の中にいるんでしょうか」もっともだ。
老いてなお、やんちゃであれ。
ヤンチャーズのチーム理念は達観的な惑”の概念とは相容れぬものだ。