安藤祐介のレビュー一覧
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「どのみち毎日通うなら、楽しい職場がいいですね」
最近はルールにがんじがらめになって疲れてしまう。でも、この本を読んで明日も頑張ろうと思った。うちの職場に似てる!と思う。この作者の話は偶然にもうちの職場の課題がテーマになっている気がする。
職場にいる時間は一日の3分の1以上で、それに要する通勤時間も入れるともっと長い。だからこそ、楽しい職場がよい。小難しいルールに溢れる中で、プリンシプル=原理原則に立ち返ることが大切だと思ったし、オープンでフラットって分かりやすいようで分かりにくいけど、つまりはスマコンだなと。
私ももうベテランの域に入っている。組織全体を良くしようとは思わないけど、自分の身 -
Posted by ブクログ
この広い世界で1人の人が亡くなっても、覚えてくれている人は家族や知人だけではない、人はその人の名前を知らなくとも、その人との出来事は覚えている、そう思わせてくれた一冊。
この小説は、当時では「ブラック企業」という言葉が今までほど浸透していなかった時代を背景とし、3人の新卒入社のサラリーマンが上司から不当に罵詈雑言され、上司の奴隷になっていることから始まる。それはもはや、人間としての扱いを受けておらず、想像するだけで酷なものである。
章が変わるごとにメインとなる人物が変わり、人が人を紡いでいく。
社会という名の中にある、本来の人間の感情、優しさ、そして情を強く感じさせる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレブラック企業に就職した大友、夏野、村沢の3人、束の間の休息で駆け込んだ居酒屋の店員のしんじさん、夏野が学生の時にやっていた六畳間のピアノマンを応援していた女子高校生、夏野のお父さん、夏野を助けられなかった警官の脇見さんらが、8年を経てまた関わりあう。その中心にビリージョエルのピアノマンがある。関わりあっていることに気づいてなかった人たちと、最後の最後に気づいたしんじさんがかけたピアノマン、、、。この場面が胸に響いた。お父さんが夏野にやさしい人になれと育てたことを悔やむ場面は辛い。
逃げられなかった君へ、という元のタイトルの方が内容を示してたけど、8年を経て今も聞かれている六畳間のピアノマンがタ -
Posted by ブクログ
昔から読書好きだけど、本がどうやってできるかを考えたことがなかったことに頭を殴られた。
本が本としてできあがるまでに、これほどの人や職人さんの技術がかかわっているとは。
お仕事小説かつ、本への賛歌でした。
電子書籍の黎明期&印刷業が斜陽という世相もふまえつつ、本作りに誇りをもっていた製本業界のリアル。
当初は紙の本は駆逐されないだろう見通しも、コロナ禍と断捨離思考で電子化はここ数年で一気に躍進した。
紙の本はなくならない、でも仕事としては淘汰されていくのを止められない悲しさ。
それでも誰かのための一冊が今日も生まれていく。
本当に読んで良かった本でした。 -
Posted by ブクログ
安藤作品の企業モノ?は読み易く、好きな作家の1人です
本編も際立ったキャラクターの主人公が登場しその変遷がたくさんの仲間との就活を通じて描かれています
内容も重くなりすぎないのが安藤作品の特徴で、とてもコミカルで軽やかに読み進められます
物語の最後の方で、
「人生は選択の連続で、勝つことも負けることもない。ただ心の声に耳を澄ませ、選び続ける」
と書かれています
たいした人間ではない私も人生の節目では同じようなことを思って選択決断してきました
その選択決断に正否はなく、選んだ道を精一杯進んでいくだけと日々過ごしています
人生の色々なタイミングでヒントをくれる作品だと思います -
Posted by ブクログ
最後にポロリと涙が頬をつたいます。
ピアノマンは周りをとりまく人たちの生き方に大きな影響を与えていて、いまもみんなの心の中で生きているんだなと。
自分自身、かつて毎日のように日付が変わる頃まで働いていた時期があります。
当時は色々な感情をグッと我慢しながら、逃げたら負けだと思い仕事に向き合っていました。
いま、同じような過酷な状況に出くわしたとしても、わたしは逃げるという選択肢を選ぶこともできます。
様々な経験を重ねるにつれ、逃げることが悪いことではないと思えるようになったからです。
大人になる・成長するということは、嫌なことや苦しいことをうまく避ける術を身につけることも含まれるものだと