安藤祐介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「印刷会社はメーカーだ」
著者、出版社、印刷、デザイン、データ制作、製本。本が造られるまでにどのような人たちが関わっているのか、その人たちは何を考えているのか。印刷会社営業の浦本を中心として彼らの仕事と矜持を描くお仕事小説。
40年作家をやっていても自分の本が造られる過程を知らなかった。作中で一条早智子が語った内容だけど、読者である自分にとっても考えてもみなかったことだった。作品名であるところの本のエンドロール:奥付も読んだことなかったし、そこに書かれる会社名の奥にこんなに熱い想いを持った人たちがいるんだと思うと、ますます本が好きになりそう。特に『世界でいちばん透きとおった物語』については読ん -
Posted by ブクログ
面白かった!
いい本だったなあー
これまで1000冊以上の本を読んできたはずなのに、本を読み終わった後、本当の”最後の1ページ”までじっくり読んだのは初めてだ。
奥付、なんていう呼び名も知らなかったし、本ができるまでの工程に思いを馳せたことはあれど、追求して調べようと思ったこともなかった。
紙の本を愛してお世話になりまくっているのにも関わらず、今までこんな大事なことに気がついていなかったことを恥じるとともに、それを教えてくれた本書には感謝しかない。
一方で、電子書籍に関する話題も出てきた上で、実際に印刷機会が削減されるかどうかという現実的なテーマに向き合う必要も出てくる。これが書かれた -
Posted by ブクログ
印刷会社の営業浦本君が、
業界特有の困難な案件に直面するも、
若さゆえの未熟さ経験不足で周囲を巻き込みながら、本作りへの情熱や理想でチームに一石を投じ、新しい視点での解決策を見出していく
また浦本君自身の社会人としての成長も見届ける事ができました
斜陽の出版業界
紙の本が消えゆく未来
避けられない社会の趨勢に抗いながらも
後ろ向きではない覚悟を持つ業界の人達の思いにも触れることができました
読み手である私たちにも
覚悟が求められているのでしょうか
物語中に出てくる問いかけ
「どうして紙の本を読むのか」
私は本を手にした時の重みや手触りを感じながら
本の世界に入っていくのが好きです
まさ -
Posted by ブクログ
タイトルと設定だけ見るとコメディ寄りに見えるのに、実際は「働くこと」と「人と関わること」のしんどさと尊さを、かなり真面目に描いた作品だった。
山田は明るさ、前向きさだけでなく、批判や失敗に向き合う責任感も持っていて、そのギャップがすごく魅力的。見た目の軽さで誤解されがちな立場に置かれながら、それでも人との縁を雑にせず、目の前の相手に誠実であろうとする姿がじわじわ効いてくる。
水嶋は理屈と真面目さで自分を支えるタイプやけど、だからこそ抱え込みやすい繊細さもあって、山田との対比がとても良かった。互いに足りないものを補い合う関係に見えて、実は似た弱さを持っているところが人間くさくて好き。琴平部長も、 -
Posted by ブクログ
人間誰しも自分より下を見て安心する。
被取締役って、現実ならありえない設定だと思うが、日常において、そんな役回りしている奴がいる。あいつよりマシ、勝手にそんな事を思い自尊心を保つ。待てよ、もしかしたら特殊な極秘勤務だったのか!?
それは無いとしても、この作品の面白さは失敗するつもりが上手くいく、思った方向と逆に進んでいくところではないだろうか。
失敗しても良いと思える気持ちだから、上手く行くのか、これは深い。
そして、感動の最後!色んなことがきれいにつながり、面白いというかすごいなと感じました。
「いじめられっ子、世にはばかる」これ、本当に採用してもよいのでは。 -
Posted by ブクログ
不器用な主人公「日ノ出楽志」の唯一の取り柄はモノを大切にすること・・・
彼が名前をつけたモノには、心が宿っている・・・
想像以上に面白く心がポカポカと温かくなる物語でした。
僕自身もモノを大切にするこだわりがあるのでかなり共感して読めました。
モノを誤って落としたりしたら、「ごめん」て無意識に言ってしまいます。
名前をつけて愛着をもつっていいですね。自分も少し真似をしたくなりました。
また子供の成長や物に対する接し方など良い見本になる物語だと思います。
自分は「九十九神」や「やおよろず」などのモノに関する物語が好きなんだと実感した気がします。
いい小説に出会えて心が満たされました。