冒頭から「やがて魔剣のアリスベル」の主人公、妖刀の静刃と、本編主人公のキンジとの対決シーンから始まる。
15巻でのレビューでも書いたが、このクロスオーバーは個人的に嬉しくない。
静刃とキンジとの対決ってあんまり楽しめないんだよね。
どっちが勝っても負けてもすっきりしないし。
だいたい、静刃は3分間し
...続きを読むか戦えないんだから、何らかの要素で時間が長引けばキンジの圧勝。
となると、物語的にその3分間は静刃の圧勝ってことになるわけで。
つまりは、「最大の力を発揮した静刃にキンジは勝てない」って構図が出来上がり、それはそれで面白くない。
逆に「最大の力を発揮した静刃と、最大の力を発揮したキンジは対等」ってことになると、時間制限のある静刃は圧倒的に不利になる。
協力ならともかく、対決させるべきじゃないと思うんだよなぁ。
それよりなにより。
この二人の主人公、「出会った少女を片っ端から惚れさせる」属性持ち。
キンジにときめくビビやアリスベルとか、静刃に赤面するアリアや白雪とか見たくないわけよ。読者的にはさー。
もっと、キンジと静刃が女に対する苦労話で共感するとか、アリアとアリスベルが男に対する不満で共感するとか、そんな軽いノリのクロスオーバーなら楽しめたし歓迎だったんだけど。
どうもこのクロスオーバー、かなり重い設定で物語の縦軸にがっちり絡んだものになっていそうで、正直不安だ。
さておき。
今回は既存ヒロインのほとんどが退場。
新ヒロインのリサを向かえ、心機一転した内容になっている。
形的には香港編の最初に近い。
ただ、香港編では猴とユアンでヒロインが軽くぼやけたけど、今回はリサ一人なので徹底している。
その分、ジャンヌの扱いが軽すぎた感はあるが、やはりエピソードごとに焦点を当てるヒロインは少ない方が良い。
クライマックスのV-2戦は、正直これまでの戦いの焼き直しって感じでいまいち盛り上がらなかった。残念。
静刃に続いてアリスベルも登場したわけだけど、ほとんどしゃべらないし立ち位置が良くわからん。
どうも、歴史を変えるために時間を逆行しているような印象は受けるが・・。
ということは獏はともかく、ビビやキリコあたりはアリアの世界には絡んでこないのかな。
たぶん、雰囲気的に、アリアの世界では刃静とアリスベルは強敵として登場し、アリスベルの世界ではキンジやアリアが強敵として登場するってスタンスなんだろう。
アリアの世界では静刃達が勝利し、アリスベルの世界ではキンジ達が勝利するのかもしれないが、それって面白いか?
どこまでもそこは否定したい。
他にもこの16巻では新キャラが登場している。
颱風のセーラと、鬼の閻。
セーラはジト目少女でキャラ的には好きなんだが、世界的にはかぶりすぎ。
まずレキとかぶるし、キリコともかぶるし、どう扱う気なんだか予想がつかん。
むしろ、誰ともかぶらない大女の閻に個人的には期待したい。
次のヒロインは閻で行こうぜ!作者がんばれ!超がんばれ!
桐嶋カンナ以来の萌え大女を魅せてほしい。