岡田英弘のレビュー一覧

  • 世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統

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    ちくま文庫 岡田英弘 
    世界史の誕生

    東洋史と西洋史といった別々の歴史が1206年のモンゴル帝国をきっかけに ユーラシア大陸をおおう一つの世界史となる展開


    日本やヨーロッパから世界の歴史を見ることはあっても、モンゴルなど中央ユーラシアから世界の歴史を見たのは初めて。とても面白かった


    ヘロドトス「歴史」やヨハネの黙示録の影響を受けたヨーロッパの歴史観が アジアとの対立構造やヨーロッパ=善、アジア=悪の二元構造を持っているとのこと。アジア差別というのは ヨーロッパの歴史観からきているように感じた


    秦・漢時代の中国を正統と捉え、中国の正統の歴史は、中央ユーラシア草原から移動してきた鮮卑

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    2025年01月07日
  • 日本人が知らない満洲国の真実 封印された歴史と日本の貢献

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    久しぶりの新書です。
    宮脇淳子さんという人は、はっきりとモノを言う人で、加藤陽子さんの著書は間違いだとか、あらゆる歴史家のことを否定している。
    満洲のことが知りたくて読んでみたが、日本人はもっと誇るべきであり、最近の外交は大丈夫だろうかと考えさせられた。
    他の著書も読んでみたい。

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    2024年05月27日
  • 中国文明の歴史

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    ネタバレ

    後半は歴史的事実を事細かに書き並べるだけで味気ないが、前半(古代~南宋・五代十国時代)は面白い。
    古代から洛陽盆地は、黄河の性質とあいまって、水陸両方において交通の要衝として栄えていた。それより上流になると流れが急すぎ、下流だと氾濫に悩まされる。
    夏は東夷の王朝で、龍(水神)を祀るのは東南アジアとの繋がりもある(続く殷、周ではこの風習は見られない)
    殷は東北の狩猟民の王朝。
    周、秦は西方の遊牧民の王朝。
    また、漢字はもともと商人が使っていたする点も興味深い。
    各民族それぞれの読みで読んでいたのを次第に一つの漢字に一つの読みへと整理された人工的な言語だった。
    孔子などの各教団のそれぞれ独自のテキ

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    2022年04月14日
  • 世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統

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    ★★★2021年8月★★★


    世界史はモンゴル帝国から。
    壮大なロマンを感じる。
    地中海史観による西洋史。史記の史観によると中国史。
    それらを通して世界史を見るのではなく、ユーラシア大陸を全体としての歴史はモンゴル帝国より始まる。ロシア帝国をはじめ多くの国はモンゴル帝国の継承国であるという。
    まさに「地果て、海尽きるまで」スケールの大きな話だ。

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    2021年08月09日
  • 日本人が知らない満洲国の真実 封印された歴史と日本の貢献

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    前書きと序章だけけで、十分価値があるくらい。

    ファクトに基づく、素直な筆致。
    過去の日本の歴史を振り返る中で、満洲国というのはぜったに避けて通れない。

    ほんま、マジで、少なくとも、大日本帝国とは何だったのか、何が間違ってたのか、少なくとも其の末裔たる我々だけは、価値観に基づかない歴史のファクトを冷徹に継承していく責務があると考える。

    大日本帝国が存続していけた世界であれば、少なくとも、今の世の中より数倍マシに生きていけた気はする。

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    2021年05月12日
  • 日本人が知らない満洲国の真実 封印された歴史と日本の貢献

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    面白いけれども、出典をちゃんと書いてほしい。ただしタイトルにも表れているように満州事変だけでなく満洲国を書くということで、緒方貞子氏の「満州事変」や臼井勝美氏の「満州事変」などは事変後すぐのところで著述が終わってるのに対し、その後の満洲国消滅まではともかく、大陸で抑留されていた日本人の帰還のころまで書いているのは本書の良い点。

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    2020年12月23日
  • 歴史とはなにか

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    歴史とは何かというのを定義した一冊。

    宮脇淳子の『日本人が教えたい新しい世界史』と被る箇所も多かったが、勉強になった。

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    2018年05月08日
  • 世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統

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    高校の世界史で挫折(どうしても頭に入らない)して以来、リベンジを繰り返してきましたが、この本のお蔭で、ようやく頭に入るようになりました。
    そもそも「ゲルマン民族の大移動」って、どこから、何で移動してくるの? の疑問がようやく氷解した幸せ……。
    ただ、中央アジアの地理関係を理解しながら読むために、世界地図を広げて指で地名を辿りつつ読まねばなりませんでしたが、それでやっとユーラシア大陸って一つじゃない、という当たり前すぎるのに受験世界史から抜けてた視点が補完されたように思います。
    ついでに……アラル海が半分以上消えてるってこと、今ようやく気付きましたよ!
    本編に比べればオマケのようなボリュームです

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    2018年09月28日
  • 世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統

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    歴史は中国と、古代ギリシアからはじまり、モンゴル帝国の誕生をもって世界史の誕生となる。という視点は興味深かった。
    ただ、中国が今後資本主義を取り入れずに発展しないと記述していた点は、時代を感じた。

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    2017年03月15日
  • チンギス・ハーンとその子孫

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    チンギス・ハーン、フビライ・ハーン。モンゴル民族
    の歴史。あまりに凝縮されてかいてあるので
    展開が早くて読みづらいところもありますが、
    それなりに興味深く読めました。中央アジア・中東・
    トルコ・東欧・中国・朝鮮・ロシアにおける
    モンゴル民族の歴史、それらの地域や国家に色濃く残る
    モンゴル帝国の末裔であるという痕跡。
    モンゴル民族の偉大さがよくわかります。
    日本も言語の系統や、朝鮮とモンゴルの関係、
    さらにその日本との関係などからして、
    モンゴル民族となんらかのかかわりが、必ずあるのではと思います。

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    2016年02月13日
  • 歴史とはなにか

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    東アジアで誕生日の観念が発生したのは記録にある限りでは唐の玄宗皇帝が729年、自分誕生日祝って千秋節と呼んだのが初めて。748年には天長節とかいしょうした。それ以前には誕生日を意識することは全くなかったらしい。

    ムハンマドは最初はカーバではなくエルサレムの神殿 い向かって礼拝していた

    アメリカ本屋で、歴史コーナーにあるのは西洋やローマギリシャ。アジアやアフリカは地域研究コーナー。
    アメリカに歴史はないので、交渉とかではアメリカは過去を済んだこととみなしがち。でも日本とかが過去の歴史でhsといってもらちがあかない。

    劉備は蜀の皇帝と称したのではなき、漢の皇帝と称したが、漢は魏が継いだのでそ

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    2016年01月02日
  • 歴史とはなにか

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    世界には「歴史のある文明」と「歴史のない文明」がある。日本文明は「反中国」をアイデンティティとして生まれた。
    「歴史とは、人間の住む政界、時間と空間の両方の軸に沿って、それも一個人が直接体験できる範囲を超えた尺度で、把握し、解約し、理解し、説明し、叙述する営みのことである。インド文明は「歴史のない文明」。輪廻・転生という思想だから。イスラム文明も、基本的に「歴史のない文明」。神の意志が第一義。「歴史のない文明」アメリカは、現在と未来にしか関心がない。
    「日本文明」の成立事情。国民国家とはなにか。

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    2014年08月17日
  • 歴史とはなにか

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    東アジア史の泰斗による「誤った歴史の捉え方」を切る一冊。
    その根底には、多くの歴史学者すら陥っている様々な誤りに対する、著者のやるかたない憤懣があるようだ。

    例えば、中国文明の歴史は「現王朝の正統性」を証立てるために書かれたものであるという大前提を見落としているがゆえに、説明不能の事態をこじつけで解釈するような羽目になっている。
    その対抗文明である日本文明も、歴史書は天皇家の「正統性」を証立てるために書かれたものだった。古事記もそのように多分に政治色の強い「神話」だった。これを見落として歴史の事実と捉えてしまう愚を指摘する。
    あるいは唯物史観にどっぷり浸ってしまったものの見方だったり、「国民

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    2014年07月31日
  • 歴史とはなにか

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    アメリカには歴史がない。子供は親の遺産を使わず頑張る。
    君主制は"人格"の踏襲。
    中国は日本型の国民国家を目指し、それが少数民族の弾圧に繋がり、漢族だけにしようとしている。

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    2014年04月21日
  • 世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統

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    ざっくりとした語り口で持論を明快に語る。300頁もないのでいくぶん駆け足だが概要を掴むには十分か。年代で輪切りして世界史覚えた人間にとっては納得のいく内容。また補足もできてよかった。

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    2013年12月09日
  • 中国文明の歴史

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    古本で購入。
    中国史復習企画第1弾。

    結論から言うと、あとがきを読めばほぼ事足りる。
    それプラス全8章の内の序章・第1章前半・第2章を読めば充分かと。

    下に引用したテーマのせいか著者の専門のせいか、通史としては偏りまくってます。
    元~清にかなりの紙幅が費やされてる割に、唐なんて5ページかそこらで滅亡しちゃうし。
    ということで、中国史の入門書としてはオススメしない。

    中身はと言うと、
    「近代的な中華民族とか漢族とかいう観念の形成される以前の時代を中心に、現在の中国に相当する地域に生きたいろいろな種族と、彼らの生きた環境について論じる」
    というのが大きなテーマ。

    著者は秦

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    2013年07月22日
  • 中国文明の歴史

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    そもそも中国とは何か?から、説き起こす。中国には漢民族という単一民族はいない。漢字を使う多民族の集合体。儒教国家のように思われるが、実は道教の方が根深く中国社会を規定している、朱子学は朱熹がそれを儒教の言葉で捉え直したもの。夏王朝はベトナムの方から来た東夷が作った。それ以降も西戎や北狄が入れ替わり中原を支配して王朝を作ったのが、中国の歴史。清王朝の滅亡以降は、中国文明が終わり、日本で漢字化された日本式西洋文明になるという歴史観は驚いた。

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    2013年03月08日
  • 歴史とはなにか

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    中国で最初に書かれた歴史は司馬遷が紀元前2世紀末から紀元前1世紀初めに書いた「史記」で、天命を受けた天子が天下を統治する権利を証明するためにつくられた。その後、その天命を引き継ぐ形で書かれる「正史」の枠組みが固定された。

    地中海世界で歴史をつくったのは紀元前5世紀のヘロドトスで、その題名ヒストリアイは研究調査という意味だった。内容はギリシアとペルシアの戦いで、2つの勢力が対立して、最後に一方が勝って対立が解決し、歴史が完結するという歴史観が生まれた。

    ローマ時代に、光明が暗黒に勝って、救世主が降誕して最後の審判が行われるというゾロアスター教が入ってきた。ユダヤ人はその救世主をマーシーアハ(

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    2018年10月31日
  • 紫禁城の栄光 明・清全史

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     タイトルに「紫禁城」が入っているので、北京にある正面に天安門が聳える「紫禁城」について詳細が記されているものと期待して購入したら、だいぶ趣が違った。

     サブタイトルにもあるように、「明・清全史」であり、しかもかなり詳細に各王朝の成立過程から性格、滅亡まで書かれているのだ。筆者は明・清の歴史を「シナから中国へ」の歴史であると言っている。

     他民族国家である中国を、概念的な区分として、
    チベット・新疆・モンゴル・満洲・北シナ・南シナ
    に分け、明朝は北シナ、南シナの国、清朝はこれらの地域すべてを包括的に取り込んで、現在の中国とほぼ同じような領域に勢力を拡大した王朝であるとしている。

     多くの

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    2012年03月24日
  • 歴史とはなにか

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    歴史を読む・書く姿勢について、言及した本。
    最近、歴史解釈が政治問題に発展するニュースを見るにつけ、非常に不快な思いをすることがある。
    歴史が、イデオロギーや政治的解決、合理的とらえかたなど、歴史に対する冒涜があたりまえのように行われているからだ。
    この本では、歴史に対峙するときの心得を、様々な歴史記述例を基に、説明している。
    日本の歴史書(古事記・日本書紀)にも非常に辛辣なのは、残念。
    もっと勉強しろってことだな、たぶん。

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    2012年01月17日